第51話

シチートさんへの弟子入り試験をすでにクリアしていた俺。それを見てシチートさんは俺の事を天才だと褒めてくれたけど、肝心な事。そう俺はレベルを上げられない事を伝えていなかった!!親父の反応を見るに親父も話していないと思う・・・。


「どうしたね2人共?そんなそっくりな顔で驚いて?」

「うるせぇ。あのなシチート、落ち着いて聞け?いいな?」

「あっあぁ?一体どうしたというのだ?」


突然親父に詰め寄られてたじろぐシチートさん。あー外に居る方々は散って下さーい。見世物じゃないですよー。特にそこ!!紫のオーラを出してる女子諸君!!この村に腐れをまき散らすんじゃない!!でも良く親父とシチートさんで妄想できるね?そこだけは感服するよ。


「こいつはな、攻撃出来ないんだ。」

「攻撃・・・出来ない?」


いやまぁ突然そんな事言われたら、何言ってんだこいつって顔になりますわな。ここは自分で説明しますかね。


「あー正確には攻撃出来ないんじゃなくて。攻撃してもダメージ0なんです。俺ATKもMGKも0なもんで・・・。」

「はえっ?ダメージ・・0?」

「あっでもMINDは100在ったんですよ!!知り合いの爺さんがMINDを攻撃に使える技を持ってたので、シチートさんもそれに近い技を持っていたらダメージ入れられると思うんです!!どうです?あります?」

「・・・・・・ない。」

「へっ?」


シチートさんの言葉に今度は俺が固まる番だった。


「心を攻撃に使うのは一部の流派のみの秘伝だ。しかもそのほとんどが格闘系に属している。例外として剣術の一部が使えるが、他の物では全く使えないものだ。私の流派でも心を使う技は在るがそれは守りに使う為の物。決して攻撃に使う物じゃない・・・。」

「えーっとつまり?」

「・・・・心苦しい事だが、私は君に攻撃力を与える事は出来ない。すまないね。」

「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」_| ̄|○

「あっでも!!精神防御の術とか多数を守る術、それに自身の回復力を高める術とか色々あるんだよ?盾職をやっている君にはきっと役に立つから!!だからそう悲観しないで!!」

「レベル上がらないと意味ないんですよぉぉぉぉ。」ウワァァァァァァヽ(;Д;)ノァァァァァァン!


3度目だよ畜生!!仏の顔も3度までだぞ運営!!なんで俺だけ攻撃力くれないんだよー!!


「でどうするんだルド?おそらくシチート以外でお前さんを弟子に取ってくれる人は居ないぞ?嘆くのも良いが、それならそれで今後どうやって生きて行くか考えないとな?」

「(´Д⊂グスン シチートさん・・。」

「はっはい!!」

「・・・色々教えてください。」

「・・・・なんかごめんね?」


クエスト 双盾師の弟子 を受けました。

双盾師シチートの弟子になりました。今後シチートからスキルの伝授が行われます。このクエストはいつでも行う事が可能です。免許皆伝目指して頑張りましょう。


あぁ、正式に弟子になったらクエストになるのか。もうこうなったら自棄だ!!シチートさんの持っているスキル全部覚えてやる!!


「早速ですが!!何か覚えたいです!!親父、自警団の広場貸してくれ!!」

「構わんよ。あいつ等もシチートから教えを受けてる途中だったからな。」

「では早速行きましょうか。あっ弟子になったからには口調は崩させて貰うね。威厳を出そうとして固い口調使ったけど喋りにくくて仕方なくて・・・。」

「いいですよ。俺は気にしません。」

「ありがとう、ルド君はいい子だね。」


シチートさんと自警団がいつも訓練している空き地に来た。そこでは自警団の人達が今まで持っていなかった盾を構えて訓練していた。


「あの盾は?」

「ルバートさんが買い付けた盾らしいよ?いろいろな鍛冶屋で買って来て貰っては品質を見極めていたそうなんだ。まぁ人気の無い物だったから全部売れ残りだって言ってたよ。」


親父の奴、俺が鍛冶屋に特注する時の事を考えて事前に調べてやがったな?あっシチートさんちょっと待ってね?ちょっと目にゴミが・・・・。


「ふふふ、良い人だよねルバートさん。」

「そうっすね。それで、俺は何をすれば?」

「では盾を外して貰おうかな。防具は・・・そのままでも大丈夫だね。あっアクセサリーも外してね、壊れちゃうといけないから。」

「はい外しました。」

「では生身で彼らに殴られてみようか。」

「リンチ宣言!?やっぱり旅人に恨みがっ!!」

「違うからね!!今からルド君にはとあるスキルを取って貰います!!」


落ち着いた所で教えて貰った。今回取得を目指すのは『物理耐性』というスキル。これは物理攻撃で受けるダメージを減らす物で、取得条件は死ぬぎりぎりまで殴られ続ける事。なおこのスキルはシチートさんの守護双壁流(流派も教えて貰った。)秘伝の技の1つらしい。


「つまりスキルの取得条件を満たすために殴られろと?」

「そうだね。防具やアクセサリーで防御力が上がっていると取れないスキルだから、攻撃を生身で受ける必要が在るんだよ。決して私怨じゃないからね、分かった?」

「はいっ師匠!!」

「師匠・・・。なんて良い響き・・・。あまりにも嬉しいから抱き締めて良い?」

「止めてください。」


可愛さ余って憎さ百倍は聞いた事有るけど、憎さ余って可愛さ百倍は聞いた事ないなぁ。(;´∀`)


「それでは始めるよ?ついでにもう一つのスキル獲得も目指そうか。ルド君は殴られながらこれを食べてください。」

「これは?」


どう見ても白玉団子ですが?


「団子です。」

「これを食べてなんのスキルが?」

「HP量増加と言うスキルが取れるはずなんだよ。」


なるほど?過剰摂取した栄養をHPに回すって理屈かな?太りそう・・・。ん?栄養?それなら。


「師匠?これも一緒に使っていいですか?」

「これは?」

「俺の友魔が作り出す栄養剤みたいな実です。過剰な栄養をHPに回すんですよね?だったらこれも使えるかなぁって。」

「一粒貰うよ?ふむふむふむ、これは良いね。団子より食べやすそうだ。今回はこっちを使おうか。」


うん、殴られながら団子食べたらのどに詰まって死にそうだからね。シアの実なら簡単に飲み込めるからその心配も無い。


「それでは自警団の皆さん、始めてください。」

「全隊ルドに攻撃!!」

「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」


結構容赦ないな!!みるみるうちにHP削れてくよ。HPの減りと回復量を見てシチートさんがぎりっぎりの所を見極めて攻撃させている。一歩間違ったら簡単に死んじゃうねこれ。あっ今は巨人化して座ってる状態です。シアの実ってラムネみたいでうめぇ。


「いつもありがとうよ英雄!!」

「この前はかかぁを助けてくれてありがとな!!」

「村に受け入れて貰えるように口利きしてくれてありがとうございます!!」

「なんでお前がリダさんと仲良いんだよ氏ね!!」

「レベル上げ手伝ってくれてありがとう!」


うん、攻撃しながら一言いうのは決まりなの?あと嫉妬吐きながら攻撃して来たやつ!!あとで親父に追加訓練言いつけとくからな!!


ピロン♪ HP増加のスキルを取得しました。

<HP増加Lv1>:継承スキル HPの総量を増やす。(スキルレベル×100)


おっ先にHP増加スキルが来たか。結構栄養素が詰まってたんだなこの実。


「おっもう覚えたのか。HP増加も我が流派の技の1つだからね。早々に獲得できてよかった。これで体力自動回復スキルの恩恵も大きくなるよ。」


そうか、HPは補正値とかないからそのまま追加か。今HPは500ある事になるのね。


「その実は優秀だね。それじゃあそのまま“スキルレベルマックスまで”頑張って食べ続けようか。」

「はいっ!!・・・・・・へっ?」


スキルレベルマックスまでって言った?それっていつまで掛るの?


「大丈夫だよ。スキルレベル50なんてルド君だったらすぐさ。旅人には時間制限が在るのも知ってるけど。君なら十分間に合うよね?」

「継承スキルって上限50なんですね・・・。」

「はいはいお喋りしないで食べる食べる。今日中にスキルレベル50を達成すれば一緒に寝てあげるから。あっでももし達成出来なかったら頭を撫でながら一緒に寝てあげるから安心して。」

「必要ありません!!」


この人の愛情表現なんかおかしい!!今まで旅人に教えられなかった鬱憤と愛情を一気に解放してやしませんかね?ほら目がぐるぐるしてますよシチートさん!!


ピロン♪ 物理耐性スキルを取得しました。

<物理耐性Lv1>:職業スキル 物理攻撃によるダメージを減らす。

(DEF×10の値をダメージから引く 物理攻撃-400)


あっ物理耐性も覚えた。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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