第49話
俺は早速親父の店に意気揚々と乗り込んだ!!
「たのもう!!」
「よっし裏に来い。その挑戦受けて立ってやる。手加減してもらえると思うなよ?」
「待って待って冗談だから!!良い情報聞けて上機嫌になってただけだから!!だからその殺気仕舞って!!親父の威圧は洒落にならないんだから!!そんなに殺気飛ばしてたら客が来なくなるぞ!!」
親父の雑貨屋に来ていつもの冗談を言ったら不機嫌な親父にガチの威圧をぶつけられた。一体なにがあったん?
「どうしたんだよ親父、何で機嫌悪いん?」
「ったく。さっきの天の声が原因だよ。営業妨害だ全く。」
「あー。なるほど?」
親父とは長い付き合いだからね、大体察しましたよ?親父は自警団の隊長をしている。その関係上自警団に所属する人達はまず親父に鍛えられるんだよ。
じゃあ自警団しか鍛えて貰えないのかと言えばそうではなくて、俺に捕縛術とか教えたって実績が在るのさ。だから何かしらの流派を持ってると判断されて旅人に詰め寄られたって所かね?
「解ってんじゃねぇか。ったく、俺の技は元々王都の騎士団が基本として覚える技だ。流派なんぞあるわけねぇ。」
「そう言えばなして親父は騎士団で使ってる技しってるわーけ?」
「・・・・やんちゃしてた時に世話になった奴から教わったんだよ。なんだ?お前もそいつに弟子入りしたいのか?残念だがそいつは戦場で死んじまったから弟子入りしようとしても無駄だ。」
「そりゃ残念。まっ俺は直接親父に教えて貰えるからそれでいいや。」
「・・・・ふんっ。それで、何しに来たんだ。」
今ちょっと嬉しかったんでしょ?鼻の穴がピクピクしてますよ?付き合い長いんだからそんなすぐばれる誤魔化し方しなくて良いのぃ。
「なにニヤニヤしてやがる!!用がないなら邪魔だから出てけ!!」
「親父の恥ずかしがる姿を堪能したからここらへんで辞めとくよ。これ以上やったらぶっ飛ばされそうだ。用事って程でも無いんだけど親父はシチートさんって知ってる?」
「ん?もちろん知ってるぞ、王都で有名な盾使いの名前だ。そいつがどうした?」
ありゃ?親父はあんまり情報持ってない感じかな?王都を追放された話を知らないみたい。
「その人に用事があってね。連絡取れるなら色々教えて貰おうかと思ったんだけど、なんか王都から追い出されたみたいでさ。親父なら連絡つかないかなぁって。」
「そうなのか?あまり接点が無かったからなぁ。シチートなら冒険者ギルドに所属していたはずだが、そっちは当たってみたのか?」
「うーん、聞いた話だと冒険者ギルドでも連絡つかなくて困ってるみたい。」
「連絡つかないとなると・・・・どっかで野垂れ死んだか?」
「不吉な事言うなよ。俺の師匠になるかも知れない人なのに。」
「あー、なるほどそれで連絡を取りたい訳か。確かにあいつの技はお前にピッタリかもな。」
「親父はその人の使う技が何か知ってる?」
「詳しい事は知らんが守る事においては右に出る物は居ないと言われていた人物だ。魔物に滅ぼされそうだった村をたった一人で3日3晩守り切った話は有名だぞ?」
へぇ~。やっぱり凄い人なんだなぁ。でもそれなら余計に王都を追い出された理由が解らんのだが?
「今度エンヤの奴に仕入れに行った時に聞いてくるように言っといてやるよ。」
「サンキュー親父!!鍛冶屋もダメで、友魔もダメだったから今度の師弟制度には期待してるんだ!!」
「そんな簡単に行くかね?」
「・・・・・自信は無い。」
でも可能性は0じゃないもんね!!MINDが追加されたから攻撃に転用できる可能性もあるもんね!!
「ルバートさん!!大変だ!!」
「ガードンかそんなに急いでどうした?」
「喧嘩だよ喧嘩!!村の広場で見知らぬ奴と旅人が揉めてる!!」
「急いで向かうぞ!!カマーンに連絡は?」
「もう走らせてる!!」
「うっし、ちょっと店番頼む!!」
「あいよ、気を付けてな。」
ガードンさんと一緒に走っていく親父。喧嘩の仲裁に自警団が出るのかって?まぁ警察みたいな組織だから小さな事件でも出動しなきゃいけないんだよ。ほっといて大きな事件になるのも困るしね。
大体そんな時雑貨屋は閉めるか、自警団に入ったばかりの新人に任せるんだけど・・・。今回は俺が居たからね。俺に任されたわけ。
少なくない数店番をして来た俺は、もう立派な副店長ですよ!!仕入れや品出し、目利きなんかも教えて貰っているから買い取りまで出来る!!いつでも店を継げるぜ!!
うん、なんでこんなことになったかなぁ?親父の言う事へいへい聞いていたらいつの間にか覚えてたよ_| ̄|○
あんまり会えてないけど仕入れ担当のエンヤさんとも顔合わせはしてるし・・・。親父ってまさか本気で俺を店の跡継ぎにって考えてないよね?
しばらく店番をしながら親父を待つ。俺が店番してるのを見たからなのか買い物客が増えて天手古舞(てんてこまい)だよ!!なんで親父が居る時に買いに来ないんだよ!!
「いやだってあの店長怖いし・・・。」
「この前なんか人を殺しそうな笑顔を浮かべられたんだぞ?ありゃ無理だって。」
「いつもムスッとしてるから機嫌悪いのかなぁって・・・。」
顔が怖いけど優しい親父だから!!笑顔浮かべたのは・・・ごめんそれ俺の所為。ちょっとは愛想良くしろって言ったから笑ったんだと思う・・・。いつも物調面なのは怪我の所為で表情作りにくいだけだから!!大丈夫だから!!
「そうは言ってもなぁ・・・。」
「前に一度怒鳴られて苦手意識が・・・。」
「ルドさんは良くあの人と交友関係を続けられますね?怖くないんですか?絶対犯罪を犯してますよあの人。」
「慣れたってのもあると思うけど自警団のトップだぞ?犯罪を取り締まる方だから。そんな人が犯罪を犯すなんて考えられないだろ?」
「でも物語ではそう言う人が重犯罪を犯していて、自分でもみ消したりしてるんですよ?」
「いやいや(ヾノ・∀・`)ナイナイ。あの親父あぁ見えて小心者だから。心ハムスターだから。いや兎かな?寂しかったら死んじゃうから。」
「うっそだー。」
「嘘じゃないって。ついこの前だって「帰ったぞー。」おっ戻って来た。」
「問題無かったか?」
「おかえりー。全然問題無し。」
しいて言えば今まで居た客が皆慌てて帰った事かな?あいつら親父の顔見て逃げやがった!!こんなに面倒見のいいオヤジなのになぁ。いつか分かって欲しいぜ。今だってほら、ぐったりした男を肩に担いで・・・。
「とうとう人攫いまでやりやがったか親父!!」
「誰が人攫いだ馬鹿野郎!!こいつが暴れてた他所者だよ!!とうとうってなんだとうとうって!!」
いやもう完全に人身売買組織の一員にしか見えなかったからつい(∀`*ゞ)テヘッ
「でそいつが下手人?」
「あぁ、他所の街でも暴れて入るのを拒否されたんだってよ。で開拓村に来た流れだ。旅人に恨みがあるみたいでなぁ。広場に居た奴に絡んでた所をとっ捕まえたって訳だ。」
「ほーん、集団暴走の被害者かね?」
「わからん。まぁそこら辺はこれからじっくりと聞くさ。もう少し店番頼めるか?」
「まだ時間あるから大丈夫。やばくなったら呼びに行くよ。」
「すまんな。」
親父は謎の男を肩に担いだまま、店の裏にある自警団の詰所に入って行った。でその姿を見た連中がまた店に押し寄せて買い物していくもんだから、俺はその男の事を忘れて店を回す事に集中する事になったとさ。
だからお前等親父が居る時に買い物に来いって!!
「「「「絶対に無理!!」」」」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます