第34話

ロッグイーン!!はーいこんちゃー。ルド君でーす。皆元気―?ちっすちっすー。


えっ登場の仕方がうざいって?仕方ないじゃん!!赤蛇壊滅したんだよ?今回おれなんもしてないよ!!むしろ村人大活躍だよ!!


いつの間にか姿を消してた農家の爺様婆様が赤蛇の拠点潰してたんだもん。しかも自警の人使って騎士団も呼んでさぁ。赤蛇の壊滅に3日って早すぎない?もうちょっと盛り上げませんかねこういうのって!!


こういう時って村の英雄である俺が動かないと駄目なんじゃないの?まったく動いて無いよ?そりゃまぁ攻撃力無いから活躍できなかっただろうけどねぇ・・・。村人が強くなりすぎたんだ・・・。


えっ村への襲撃は無かったのかって?在ったよ?散発的にだけどね。北門は俺が完璧に死守した!!どやっ!!


お陰で魔法耐性のスキルががっつり上がったよ。


<魔法耐性Lv20>:職業スキル 魔法による攻撃のダメージを減らす。(MGK×200の値をダメージから引く 魔法攻撃-200)※MGKが0の場合は1として計算


いやぁ、魔法銃がかなりの数在ったみたいでね?それに村に近づきたくなかったからなのか遠くから攻撃される事が多くてこんなに上がりました。まぁレベルは据え置きです。


赤落ち倒したのは村の住民だったからねぇ。ほら俺って盾だから。守ってるうちに倒してくれれば村人が強くなるっしょ?えっ赤落ちに経験値在るのかって?そりゃありますよ。


最後の方では保護されてたはずの住民が調理器具片手に赤落ちに襲い掛かってました。うんどこの蛮族の村?子供を守る時の女性はやっぱり強いね。顔が般若の様だったよ。あっうん、比喩表現です。だから奥様方?その包丁仕舞って?言葉にしてないでしょう?


・・・・ふぅ行ったか。ここら辺を縄張りにしてた赤落ち達はほぼほぼ騎士団に捕縛されました。そんでもって赤落ち達の間でこの村に手を出さないとルールが決まったそうです。


そんな赤落ち達の襲撃からゲーム内時間で5日が過ぎました。休みの最後のログインです!!畜生仕事したくねぇ!!


まぁそんなこと言っても仕事はしなくちゃ駄目なんだけどね・・・・。いかんいかんせっかくゲームをしに来たんだからリアルの事は忘れよう!!という事で赤落ちの襲撃を跳ね貸したルド村に変化が訪れました!!それはですね、なんと!!


第2陣プレイヤーがルド村に降り立ちましたー。いえーパチパチパチー!!


まぁ経緯を説明するとね?街の方が施設も整ってて人の流通も多いし快適なんだよ。だけれども人が集まる所に悪も蔓延るってもんで、今初心者狩りが横行してるらしいんだわ。


騎士団も捕縛やら調査に動いてるけど、捕まるのは情報をあまり持ってない末端ばかりで中々尻尾を掴ませない手練れらしくてねぇ。そいつら街や王都にしか興味ないのか田舎である開拓村には勢力を伸ばしてないのさ。


初期スポーン地点として登録できるのは街だけだと思ってた第2陣さん達は大いに困ったそうだ。しかしそんな時第1陣プレイヤー達が開拓村に行けばいいじゃんと言った!!歴史は動いたのだよ!!(そんな大層な事じゃないけど。)


それで残っていた開拓村に第2陣の初心者さん達が次々到着して村は賑わっているわけですなぁ。俺?俺は初心者さん達に道場を開設してレベル上げ手伝ってあげてるよ。イルセアさん達はとっくの昔に王都まで行っちゃったからなぁ。


捕まった赤落ちプレイヤー達はどうなったかって?なんとこの世界の刑罰って鉱山労働の出来高制なのだ!!もちろん体罰と罵詈雑言付き!!(結構えげつない詰められ方するみたいですよ。)ボソッ


罪の重さに比例して借金が増えるのよ。で牢屋から鉱山に直接飛ばされて鉱石採取をさせられるっと。ログイン時間ギリギリまで労働して牢屋に戻されてログアウト。それを借金が無くなるまで続ける。それに兵士からの叱責が付いて回るからかなりきついってさ。まぁ住民殺してたりしたら簡単には出られないし自業自得だよね?


でもそこは鉱山ですから?宝石や貴重な鉱石が出れば借金は大幅に減る!!刑期が短くなる!!シャバの空気はうまい!!ってなわけで一山当てて自由になる為に赤落ち達はがむしゃらに頑張ってるわけですなぁ。


速い人なら3日とかで数億の借金返すみたいよ?まぁその分貴重な鉱石は毒ガスなんかの噴出する危険な場所で出るし、状態異常になっても治療される事は無いから地獄の苦しみがプラスされるそうだけど。でも本当に反省している人は自らそこに行って採掘してうるみたい。根性あるよね。


「すみません、ちょっとお尋ねしたいことが。」


おんっ?広場で第2陣の人達の和気あいあいとした所を懐かしみながら見学し、色々回想してた怪しい俺に話しかける人は誰ぞ?怪しいならやるなって?だってこの村に居る第1陣俺だけなんだもん。


最初に何やった方が良いか教えるのも先達の努めでしょ?まぁどうやって話しかけようか悩んでた所なんだけど。誰か戻って来てくれないかなぁ?


「あのぅ?」

「あぁごめんごめん、それで聞きたい事って?」

「実は老夫妻を探していまして・・・。この村に居ますか?」

「うーん、畜産の所と農場の所に居るけど・・・。何か特徴はある?」

「お爺さんの方は鍬で戦ってて、お婆さんの方は素手でした。」

「あーそれなら農家の方だね。案内しようか?」

「お願いします!!」


礼儀正しい子だねぇ。狼獣人の・・・・女の子かな。ケモ度は少なくしてるのか。頭に生えた耳と尻尾が特徴だね。


このゲーム、獣人の獣度(ケモ度ともいう。)が調整出来てどっちよりにも作れるのだよ。ベアンさんみたいに完全に獣の獣人とかも出来る。つまりこの世界には人寄りの獣人も居る。この村には居ないけどねぇ。


「名前聞いてもいい?おれはルド。双盾使いをやってる。」

「あっはい!!私はリダと言います!!格闘家です!!」

「よろしくね。でもどうしてあの2人に会いに?会った事在るって事はキャラ作り直したんでしょ?」

「えっと・・・以前大変ご迷惑をお掛けしたのに良くしてくださって・・・。いつでも会いに来て良いよって。だから挨拶と出来れば弟子にして欲しいと思って・・・。」

「えっまじで!?あの2人に弟子入り!?そりゃ喜ぶよー。あの人達自分の技を伝えたくても後継者が居ないって嘆いてたからねぇ。」


この村の人達とは結構世間話をしたりもする。だから村人の昔話とか色々な話を聞いているんだよねぇ。まぁレベルが上がらないからスキルの熟練度上げと村の発展クエストを受ける毎日だからね。暇なんだよ。


「あの、後継者が居ないってあのご夫婦にお子さんは?」

「・・・・。勝手に喋っていいのかわかんないけど・・・。俺が言ったって内緒にしてね?」

「はいっ大丈夫です!!」

「亡くなったそうだよ。王都で道場してたらしいんだけど、周りからの妨害や誹謗中傷に晒されてね。それこそいじめって奴だよ。最後は首を・・・ね。」

「えっ!?」

「優しい人だったらしいよ?だから何されても反撃しなかったんだって。一緒に居てやれば良かったって後悔してた。反撃しなきゃそう言う奴は調子に乗るって教えてやるんだったって、まっその虐めてた連中はすでに爺さん婆さんが粛清したんだけどね?その所為でこんな開拓村に居るってわけだけど。」

「そうなんですね・・・・。それで・・・。」

「ん?どうかした?」

「なんでもありません!!」

「そっか、ほら着いたよ。じぃさーん!!ばぁさーん!!お客さんだよー。」


朝の時間帯だから畑作業してると思ったら案の定畑に居た。結構広い畑だから大声を出しながら入っていく。リダさんもちゃんと付いて来たね。


「おう、ルドやーい。こっちじゃー。」

「あらあらルドさんいらっしゃい。そちらの人は?」

「この人はリダさん、爺さんたちに会いに来たんだって。それじゃあ俺は戻るよ。他に困ってる旅人が居るかもしれないし。」

「ありがとうの。ほれ取れたてのキュリじゃ持ってけ。」

「サンキュ。じゃあね。リダさんも頑張って。」

「はいっ!!ありがとうございます!!」


ルドが立ち去った畑で老夫婦と相対するリダ。そしておもむろに2人に向かって頭を下げた。


「その節は大変ご迷惑をお掛けしました!!」

「あらあらあら?あなたに頭を下げられる理由があったかしら?ねぇお爺さん?」

「うーむ、この人に迷惑を掛けられた覚えはないのう。のう“リーダー”さんや。」


お爺さんの言葉を聞いて驚くリーダーもといリダ。容姿どころか性別が変わっていた為に気付かれると思って居なかったのだ。


「どうして・・・分かったんですか?」

「なんじゃ、そんな物気配が一緒ならすぐ気付くわい。」

「えぇえぇ、すぐにわかりましたよ。それよりリダさん。それがあなたの本当の姿に近いのかしら?」

「はいっ!!獣人になりましたけど容姿はほとんど弄ってません。」


元気よく返事をするリダ。その様子に老夫婦はニコニコと笑いながら頷いた。


「それでじゃ。ここに来たという事はそう言う事だと思えばいいのかの?」

「・・・はい。どこまでやれるか分かりません。途中で挫折するかも知れません。でも私!変わりたいんです!!」

「その覚悟が在れば大丈夫ですよ。それに私達が挫折などさせません。誰にも負けないように必ず強くしてあげます。ドーンと任せておきなさい。」

「これこれ婆さんや、気合を入れ過ぎてもいかんぞい?まだまだヒヨッコなんじゃから、ゆっくりとじゃ。それにわしらが鍛えるのは心じゃろ?」

「わかっていますよ爺さん。」

「あっお2人の名前を聞いても良いですか?」

「わしはシンハじゃよ。」

「私はミオカ、よろしくねリダさん。」

「はいっ!!これからよろしくお願いします!!」


こうしてルド村に新たに定住する住民が増えた。元レッドプレイヤーのリダ。彼女の心にはまだあの小さな灯が灯り続けている。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 


これにて第2章終わりでござーい!!どうでした?ちょっと短かったかな?でも村人強くし過ぎてサクッと終わってしまったw 1ヵ月掛かりませんでした。それもこれもコメントブーストの力が凄くて・・・。いつも☆や♡そしてコメントでの応援ありがとうございます!!あっこの話から見た人は26話から見てください。


この話の結末に納得いってない人も居るかもしれません。でもね、いじめられてる子って優しい子が多いんですよ。リダちゃんはそんな子だったって話です。そして彼女の心に灯った火は希望の火。変われるかも知れないという可能性の火なんです。さてでは副長は?(ФωФ)フフフ・・・


まぁ第2章で書きたかった事は書けたかな?この村はかなり安全になりました!!


次は運営側の話をちょっと盛り込んでみようかと思います。そしてルドは攻撃力を手に入れる事が出来るのか!少しだけ、世界に新しい風が舞い込みます。その騒動の中彼らはどう動くんでしょうね?それは第3章が書き終わったら判明する事!!どれくらい掛かるかな(;´・ω・)


ではでは次の更新をお楽しみに!!


2022/4/6 追記:一気に閲覧数増えたのでなんでかなぁと思ってたらSFカテゴリーの週間ランキング41位になってました!!リアルで驚きすぎて叫んでしまった(笑) これも皆さんの応援のお陰ですありがとうございます!!




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