第6話
メガネ達と別れ雑貨屋に向かう。PT組んでも経験値が入らないとは思わずショックを受けながらトボトボと雑貨屋に入店した。
「らっしゃいって又お前さんか。」
「どうも、またお邪魔します。」
このゲームの住人(NPC)は全員超高度なAIを積んでいるそうで人と変わらない受け答えが可能になっている。
「どうした?そんな顔して。何かあったか?」
俺の表情をみて心配そうな顔をする店主。それを見てAIは凄いなぁなんて的外れな思考をしている俺は現実逃避しているんだろうなぁ。
「いや攻撃をしてもダメージを与えられなくて・・・。どうにかそんな状況を打開したいんだ・・・。」
沈痛な顔をして相談する俺に対して何か思い至る事が在るのか、店主は顎に手を当てて何かを考えていた。
「今は村に居ねぇが、鍛冶師が来てくれりゃその状況を打開できるかもしれねぇな。」
「鍛冶師?」
疑問を浮かべる俺に店主は指を一本立てながら教え込むように言葉を続けた。
「俺の所の商品は全部街から仕入れてる。だからこそ武器や防具の改造が出来ないんだが鍛冶師が居れば別だ。直接鍛冶師に自分の武器をどうしたいか伝えれば盾に攻撃力を持たせる事も可能だ。」
「盾に・・・・攻撃力を?」
その言葉に絞んていた俺の気持ちは持ち直す。
「ただし、街に行けるのは冒険者ギルドで認められた者だけだ。つまり冒険者ランクを上げなきゃいけねぇ。登録はしたんだろう?」
「あぁ登録はしてあるよ。」
そう言いながら自分のステータスを確認する。
名前 ルド
種族 半巨人(セミジャイアント)
職業 双盾使い Lv1(0/100)
所属 冒険者ギルド(ランクG)
HP 400
MP 10
ATK 0
DEF 40(+10)
SPD 10
MGK 0
DEX 40
LUK 20
VP 0 (ランダムボーナスVP+10)
スキル
<双盾術Lv1><体力自動回復Lv2><状態異常耐性Lv2><魔法耐性Lv2><サイズ補正><咆哮Lv2>
EXスキル
<守護者>
SP 0 (ランダムボーナスSP+10)
装備
頭 ―――
体 始まりの服
右手 双盾使いの盾(初)
左手 双盾使いの盾(初)
腰 始まりのズボン
足 始まりの靴
アクセサリー
頭 初心の羽飾り
体 ―――
指1 ―――
指2 ―――
腕1 ―――
腕2 ―――
脚1 ―――
脚2 ―――
称号
<礼儀正しい者><村の仲間>
所持金 11000マネ
冒険者のランクはGから始まりF→E→D→C→B→A→S→SS→SSSと上がる。最初はだれでもGランクからスタートするらしい。
俺も登録したてだからランクはG。所属が冒険者ギルドに変っている。
「うん、冒険者ギルド所属のGランクだな。」
「ならギルドの依頼をどんどん受けろ。そうすりゃ貢献度が上がってランクが上がる。」
「モンス退治は出来ないんだが・・・。」
「村ん中で出来る依頼もあるから心配ないはずだ。貢献度が一定以上溜まればLvが低くても街まで行ける。と聞いたことがある。」
「確定情報じゃないんかーい!!」
「職員じゃねぇからわかるわけねぇだろ。商人だぞ俺は。」
「商人なら情報くらい持っとけ!!でもありがとな!!」
「おう、気を付けて行ってこい。」
いい情報を聞けたので俺は早速冒険者ギルドに向かった。道中プレイヤーからすごい注目されているような気がしたが、今んとこ害は無いみたいだし無視だ無視!!それよりランクを上げるぞー!!
「たのもー!!」
「あっルドさんいらっしゃい。道場破りですか?マスターに挑戦します?」
「あっテンション上がってるだけなんでそれだけは辞めてください。」
ギルドに意気揚々と飛び込んだ俺に受付嬢が恐ろしい事を言う。ここのマスターってあの化け物じゃないですか、そんなのに挑むわけないじゃないのヤダなぁ。
「それで一体どうしたんですか?」
「依頼を!!村の中で受けられる依頼を教えてください!!」
猫獣人と言う種族の可愛らしい受付嬢ミーニャさんに要件を伝える。テンションが高い俺の顔をしょうがないなぁ見たいな顔しながら見るの止めてください。
「村の中での依頼ですか?それでしたらこちらになりますね。」
「どれどれ?」
取り出された依頼票には村の掃除と畑の手伝い。それと家畜の世話と家の家事代行などが記載されていた。
「どうします?」
「全部受けたら貢献度はどのくらい溜まりますか?」
「それはギルドの秘匿事項なので極秘です♪」
人差し指を唇に当てながらウインクをするミーニャさん可愛い。こら後ろの冒険者、目をハートにしながらため息吐くんじゃありません。うなじに当たってくすぐったい!!
「ですがこのような依頼はあまり受注されませんので貢献度は高い。とだけお話しておきますね。」
「では全部受けます!!」
「はい、ではよろしくお願いしますね。」
クエスト 村の清掃を受注しました。
クエスト 村長宅の掃除を受注しました。
クエスト 家畜のお世話を受注しました。
クエスト 収穫のお手伝いを受注しました。
おっ!!クエストは受けるとこうやって表示が出るのか。マップにも該当箇所にピンが刺さってるな。うっし、この世界に入れるのも後6時間くらいだし急いで片付けますか!!
村の清掃は街の中に落ちているゴミを所定の場所に集めるという物で、これは比較的簡単だった。なんせまだ開拓してすぐの村だからね!!ゴミなんてほとんど落ちてねぇよ!!
「あら?掃除してくれたのね、綺麗になったわありがとう。」
「いえいえこれも仕事ですので。」
称号が関係しているのか掃除している時にちょくちょく住民から声を掛けられる。ゲームの仲だけど感謝されるって気持ち良いな!!
村長宅の掃除も同じ理由で簡単だった。なんせ掃除はすぐ終わって村長の話し相手になったらクリアしたからな!!この村の村長は若い村長で絶賛嫁募集中だそうだ。
「またいつでも遊びにおいで。ご苦労様。」
「お茶ありがとうございました!!失礼します!!」
さぁ次だ次!!
家畜の世話はそこそこ大変だった。牛や鶏の様なモンス(ミルカウとコッケって名前だってさ。)を厩舎から出してまずは寝藁の交換と掃除。その後全てのモンスの毛繕いとマッサージを行ってやっと餌やりだった。1匹1匹丁寧にやらないとだからかなり疲れた。(´Д`)ハァ…
「いやぁ助かったよ。手伝いしてくれていた人が急に風邪引いちゃってさ。1人でやるには仕事が多すぎてねぇ~。またお願いするよ!!」
「ははは、その時はお願いしますね。」
ぬぉぉぉぉぉぉっ!!次で最後じゃぁぁぁぁぁぁ!!
最後の収穫の手伝いも広い畑の収穫物を全部取って欲しいとお爺ちゃん農家に言われた。収穫時期の作物を見分けるのにとても苦労して、間違った物を収穫するとお爺ちゃんに杖でしばかれた!!
おかげでHPの自動回復スキルが1レベル上がったよ・・・。熟練度でもスキルのレベルは上がるってこの時知った。まぁ最後にはありがとうと笑顔で収穫した作物を少し分けて貰ったけどね!!
「ほっほっほ、助かったよ。これ持ってお行きなさい。君は中々筋がいい。このまま農家を目指さんか?」
「すみません、自分冒険者が性に合ってますもので・・・。これは有難く頂いて行きますね。では失礼します!!」
農家になる為に苦行を受けるのは御免だ!!俺は逃げる様に畑を後にした。
クエストが終り意気揚々とギルドに報告に来た俺!!どれくらい上がるかなぁ。
「ミーニャさん終わったよ!!はいこれ完了証。」
「お帰りなさい。お預かりしますね。・・・・・。はいこれで依頼完了です。お疲れさまでした。」
クエストの報酬は自動的に振り込まれる形になっているので所持金がちょっと増えた。そしてワクワクしている俺の顔を見てミーニャさんは?を頭に浮かべている。
「他に何か御用がございますか?」
「ギルドランク上がらないのかなぁって。」
「あー、これだけだと上がりませんねぇ。」
「えっ!?でも貢献度高いんじゃ・・・。」
「貢献度は高いですよ?受ける人の居ない依頼でしたから。ですが村の中の安全な依頼ですから微々たるものです。あと100回は同じ依頼を受けて頂かないとですねぇ。」
ミーニャさんの言葉にガックリと肩を落とす。だって100回ってかなりの数だよ?ゲームなんだからそこら辺は簡単にしておいてくれよ!
「あっ他に村の中の依頼は?」
「ありません。これで全てですね。何せ住民も少ない村ですからそんなに依頼は無いんですよ。」
「そうですか・・・・。失礼します・・・。」
なんてこった・・・。街に行くのにランクを上げないとだけどこれは凄い時間掛かるぞ・・・。クエストクリアしても経験値は貰えない仕様だし・・・・その分住民の好感度が上がりやすいらしいけど。
そうだ!!熟練度でスキルのレベルが上がるんだったらモンスとの戦闘で上げれば良いんだ!!スキルレベルが上がればダメージを与える何かを覚えるかもしれない!!
《アラート ログイン時間が迫っています。1時間後に強制ログアウトを実地します。速やかなログアウトにご協力ください。》
おっともうそんな時間か。よーし次のログインでスキルレベルを上げるぞー!!それじゃあログアウトっと!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます