第21話 デート前の一悶着

「ふぅ……。」


約束していた駅に30分も前に着いてしまったため、トイレを済ませて手を洗い終えた後、変なところがないか鏡で確認しておく。


昨日朝日と買い物に出かけたときに選んでもらった服装だがやはりあいつはセンスがいい。

気合を入れなおして改札をくぐり待ち合わせしていた噴水前に行くと、なにやら2人組の男が女の子に声をかけているのを見つけた。

俺は何となく予想していたことが起こっていそうだなと思いそちらの方へと駆け寄る。


「あの、ですから人を待っていますので…。」


「いいじゃんいいじゃん〜君みたいな可愛い子とかめったに会えないんだからおれとしてはこんなチャンス逃せないわけよ。ホントちょっとでいいからさ。」


「バカお前、流石にしつこすぎるって。」


「はぁ?お前だってこの子と遊びたいくせに真面目ぶんなよな。ね!ほんとそこのカフェ行くだけでいいからさ?」


「えっと…あっ」


俺は男の肩に手を置きぐいっと引き離して男たちの前へと割り込む。やはり予想通り声を掛けられていたのは小春だったようだ。


「りょ、涼真くん!」


「っんだよ邪魔すんじゃねぇよ!」


俺がきた途端、小春に向けていた作った表情から変わり俺を睨み凄んでくる。


「悪いけどこの子俺の彼女なんです。申し訳ないけど他をあたってもらっていいですか?」


とりあえず波風を立てないように低姿勢でお願いしてみる。


「ちっ彼氏いたのかよ。てか、お前モデルみてぇな顔してんなぁ。なぁ、その子譲ってくれよ。お前みたいな顔の奴だったら女なんていくらでも寄ってくるだろうから別にいいだろ?な?」


彼氏がきたことで引き下がるかと思ったが、俺の顔を見た途端意味の分からないことを言ってきた。


「はぁ?ふざけたこと言うなよ。俺はこの子じゃないとダメなんだよ。そんなふざけた思考してるんだったら、ナンパするよりも先に道徳の勉強でもしてきたらどうだ?」


できるだけ穏便に済ませたかったが、金髪のチャラい男の発言にイラつき、ついきつく言い返して煽ってしまった。


「んだとこの野郎!こっちが優しくお願いしてやったってのによぉ!おらぁっ!」


それを聞いて腹を立てた男が俺に殴りかかってくる。だが、喧嘩慣れしていないようでとりあえず顔面を殴ろうとしてきているだけだったので、それを避けて相手の背中をトンっと押してやると、バランスを崩した男がそのまま噴水へと突っ込んだ。


バシャーン!!


水しぶきがかからないよう小春を抱きしめ、落ち着いたところで一言ごめんと謝りナンパ男たちへと振り返る。


「ぷはっ!!げほげほ!」


「お、おい大丈夫か!?」


俺は噴水から出てきた男の前まで行って、にっこりと笑ったあと上から見下ろして忠告しておく。


「これ以上関わってくるつもりなら俺も容赦しないけど、どうする?」


「はぁ!?こんなことされて大人しく逃げるとでも思ってんのか!?」


「おい、もういいだろ!周りにも人が集まってきてんだからこれ以上はまずいって!とっとと行こうぜ!」


チャラ男は食い下がってきたが、隣にいた男がそいつの腕を引いて止めに入った。


「チッ!てめーなんかどうせその子に振られて捨てられるんだよ!!次会ったら覚えとけよ!!」


チャラ男はそう吐き捨てるとびしょびしょのままどこかへ行ってしまった。


「涼真くん!大丈夫でしたか?私のせいですみません…。」


「あぁ、いや。俺も来るのが遅れて悪かった。怖い思いさせてごめんな。さ、早く向かおうぜ。」


去り際に言われた言葉に過去のあの出来事を思い出してしまう。


「大丈夫ですよ。私は何があっても涼真くんの側にいますから。」


なんとか小春に悟られないよう話をそらそうとしたが、小春が俺の手を両手で握り優しい笑顔で俺を見上げてそう言ってきた。


長いまつげ綺麗な髪、いつもよりも気合を入れてきたのが分かるメイク。


「小春……。周り、すごい見られてる。」


そんな小春に見惚れてしまい恥ずかしくなった俺は、先ほどから周りからみられていたことを伝え、赤くなってしまった顔を見られないよう誤魔化す。


「……へ?ひゃぁ!す、すすみません!!!」


「いや……。」


(反則だろ…あんなの……。)


「お~」

「美男美女カップルやべぇ」

「二人とも照れててかわいい~」


俺たちの様子を見て周りからひゅーひゅーと囃し立てられ更に恥ずかしくなってしまう。


「う…あ……。い、行きましょう!!!」


この場にいてもたってもいられなくなったのか、小春が俺の手を取り目的地の方角へと速足で歩き始める。

いきなりいろいろと起こってしまったが、こうして俺たちの初デートが始まった。





???視点


「いっちょ前にかっこつけちゃって…むかつくわね。」


たまたま出かけていた私は駅前での騒ぎに気付き少し遠くからその様子をみていた。


すると、たまたま私の横を二人の男がイライラとした様子で通り過ぎていった。


「チッ!!んだよあの野郎!恥かかせやがって!クソむかつくぜ!!」


「だからやめとけって言ったじゃねぇかよ。俺が止めなかったらお前今頃ボコボコにされてたぞ?あいつはやべぇって。」


あら、さっきやられてたおバカさんたちじゃん。


……あ、いいこと思いついちゃった~。

私は通り過ぎて行った二人へを追いかけて声をかけると、ある提案を持ちかける。


「ねぇねぇお兄さんたち~。さっきの男に復讐したくない?」


私をこんな目に合わせておいて幸せそうにしてるあんたが悪いんだからね。



☆あとがき☆

あとがき貼っつけるの忘れてました!

2重更新で通知飛んだ方すみません…。


唯奈にはあと数回クズっぷりを発揮してもらったあとに、報いを受けてもらいますので暫く小春ちゃんに癒されてください🥺

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