③ 一人称 vs 三人称


基本的に私は、キャラ任せな作者なので、冒頭を書くのが一番苦手です。


だって、キャラが動かないから!


キャラが動けば、あとはなんとでもなるのですが、冒頭は動かないから、悩む悩む(笑)


しかも、今回は、日本じゃないんです。

異世界なんです。


だから、キャラクターの魅力と同時に、世界観の説明も冒頭でしなきゃいけない。


そんなわけで、プロットはできたのに、ずっーーーと冒頭で悩んでました(笑)



● 一人称にするか、三人称にするか?


小説を書く上では、結構、大事なことかな?


どっちで書くかを決めないと、マジで構成が定まりません。


というのも、一人称だと、ずっと主人公視点で進みますが、三人称だと、視点が固定されないので、いろんなキャラの視点を書ける。


だから、視点が固定されるかされないかで、物語の展開や構成も、かなり変わってきてしまうんです。


ちなみに私は、三人称が好きです。

だから、基本的に三人称ばかり書いてます。


ただ、今日ママを書いた時に、最近の児童文庫の傾向を、色々勉強したんです。


そしたら、最近、出版されてる作品は、ほとんどが『一人称』


そして、異世界転生・転移ものにも、お決まりのパターンがあります。


それは、主人公が、なんらかの原因で、転生、もしくは転移するシーンからはじまるということ。


もう、お約束のパターンです。


だから、流行りに迎合するなら、風芽を、現代から異世界に転移させるシーンから始めるべき。


そして、転移シーンからはじめるなら、一人称で決まり!……のはずだったのですが。



● 風芽の年齢は、まだ10歳。


これがね、意外と落とし穴だと思う。


高校生や大人が転生・転移するなら、異世界のことも、一人称で説明できるんです。


でも、子供が転移した場合は、子供の語彙で説明するわけですよ。


もちろん、子供が主人公の異世界ものも、たくさんありますが、あれは、だいたい中身が大人。


もう、ちっちゃな名探偵並に、見た目は子供、頭脳は大人なんですよ。


でも、こちとら、見た目も中身も10歳です。


しかも、勉強が苦手という設定つき。

だって、ギターしか弾けない子だから(笑)


そんな風芽に、異世界の説明をさせろと?

秒で、無理だと判断しました。


作者ですからね。

風芽の頭脳がどのくらいかは、よくわかってる(笑)


あの子、城塞都市とか知らないから。

『高い塀だなぁ』くらいしか言えないよ。


あと、冒険ものを、一人称のみで展開していくことに、かなりの不安がありました。


冒険ものは、キャラが増えがちなので、視点変更も多くなりやすい。


となると、風芽⇒シエル⇒風芽⇒リズ⇒ビンジョルノと、ちらほら一人称が変わるのは、逆にややこしくなるし、没入感が削がれる。


じゃぁ、やっぱり三人称かな?と、いつもの私なら、あっさり三人称を選ぶのですが…


最近の児童文庫が、軒並み一人称の作品ばかりなので、三人称は受け入れてもらえないんじゃないかと、めっち弱気モード。


だから、天使と悪魔みたいに、脳内で一人称ちゃんと三人称君が争ってました。


一人称「選考に残りたいなら、一人称にすべきよ!」

三人称「いや、三人称で攻めるべきだ!」


まさに、守るか、攻めるか、究極の選択でした(笑)


そして、この人称をどうするかで、一ヶ月くらい悩んだ(悩みすぎ!笑)


でも、ここを、ちゃんと決めないと、先に進めないんです。


だから、一人称バージョンと三人称バージョンで、冒頭を、8パターンくらい書きました。


もう、しっくり来るまで、ひたすら、ひたすら、書き直し、いろんな冒頭を書いた。


すっごい、疲れました。


なんで、一ヶ月もかけて、プロローグすら決まらないんだよ。


異世界、怖い……ってなりましたね。

一回、AIネタに戻ろうかと、真面目に考えた。


でも、せっかくなら形にしたい。

また出してきてねと言われたし、頑張って出したい。


でも、書きまくったおかげで、なんとか、かんとか、冒頭が決まりまして、最終的に、三人称くんが勝ちました。


つまり、攻めることにしたんです。


でも、この選択が吉とでるか凶とでるか、全くわかりません。


既存の枠から、はみ出した作品を求められているとはいえ、はみ出しすぎたら、一次選考すら通らない気がする。


だから、絶妙なバランスを保たないといけない。


今日ママも、戦争ネタをいれて、どっちに転ぶか分からない賭けにでてましたが、今回も賭けでしたね。


男の子主人公で、三人称の異世界転移もの。


いけるのかなー?

やっぱ、ダメかなー?


もう、分かりません。

わからないから、自信もない(笑)


とはいえ、冒頭が決まって三人称でいくと決めてからは、すぐに構成面も決まりました。


ちなみに、異世界の説明は、第1話で、仕立て屋たちを出すことでクリアさせてます。


ドタバタさせて、勢いで乗り切ろうと思った(力技)


だから、勇者服の説明の時に、魔力を込めてるとか、ゴムがあるとか、ドラゴンの鱗だとか、仕立て屋たちに、いろいろ語らせて、世界観を説明。


この方が、楽しみながら頭に入るかなーと。


同時に、仕立て屋たちをまとめあげることで、主人公はこんな子だよ!も提示しときました。


ちなみに、ユース・レクリアは、西洋の要素と、現代の要素をミックスさせた、独自の世界観です。


中世ヨーロッパ風ではないよ(笑)


魔法もあるし、魔物もいるし、ユース・レクリア独自の文明が根付いてます。


とはいえ、異世界ものは、舞台構築から構成にいたるまで、全てが難しかったです。


書きながら、異世界に手を出したことを後悔するくらいには(笑)


でも、楽しい作品には、できたんじゃないかな?

異世界転移もの、不慣れながらも楽しかったです。


それでは、明日は、物語について振り返ります。


テーマとかキャラクターとか、作品の中身について、お話していきますので、気になる方は、また覗いてみてください。


それでは、また、明日の22時に。

今日も、お付き合いくださり、ありがとうございました!


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