② キャラが育たない問題勃発


いつもは、すぐにネタ作りに取り掛かる私ですが、今回は、研究したのもあり、ある程度、読み漁ってからのネタ作りになりました。


また、レーベルの研究として意識したのが、こと。


つばさ文庫に、既にある人気作品と同じネタでいったら、やっぱり、弾かれる可能性が高いのかなと。


あるものよりは、ないものが欲しいよね?


また『近年の応募作は、スケールが小さくなっている』と、つばさの選考委員の先生が仰っていたので、スケールが大きくなりそうなネタにもしないとなー…とも。


まぁ、スケール云々の話はあとにしまして、まずは、最近の児童文庫の人気作の傾向を調べてみました。


すると、だいたいが


✤一人称語り

✤女の子が主人公

✤イケメンが出てくる

✤恋愛要素がある


この4つは欠かせない感じ。


これは、児童文庫を読む層が、小~中学生の女子が多いからだと思います。つまり、女子の人気を勝ち取らないと生き残れない世界。厳しい!笑


ちなみに私は、男主人公ばかり書いてる作者なので、この時点で、既に気持ちが折れかかってました…笑


でも、あと一回は出したい!と、なんとか気持ちを切り替え、ネタ作り開始。


そして、それが、今年の3月くらいの話。


で。色々と読み回りした結果、今のつばさ文庫にないのは『育児もの』かなと思いました。


赤ちゃんを育てる系の話は、昔から女子には人気のネタです。しかも、つばさ文庫には、まだなかった。


そして、ないなら、今、書くしかない。


なにより、既に3人目を育ててる私に、育児についての死角はない!はず(笑)


そんなわけで、育児ものにしようと決めました。


あと、つばさ文庫に育児系の作品はないけど、他社にはあるので、他レーベルさんの育児系作品も、念の為、試し読みしておきました。


これは、展開とか内容が、かぶらないようにするためです。育児以外のネタもかぶって、パクリ扱いはされたくないし…


特に、どうして赤ちゃんを育てることになったのか?

その経緯を知っておくのは、大事かと思ったりもして…


うちは、いきなり天井から落ちてきましたけど(笑)

他社は、国の重要な機関から超能力をもつ子供を預かるパターンとか、未来が映るといわれる鏡を覗いたら、中から飛び出してきたとか…だったかな?


だいたい序盤を読めば、世界観はつかめるので、試し読み、ありがたかったです(金銭的な都合で、そんなにたくさんは買えないし…)


で、今回は、とにかく人気作の傾向を取り入れつつ、児童文庫らしさを追求しよう!ということを念頭にとりかかりました。


基本を学ぼう!みたいな?(今頃?)


でも、そうなると、どうしても恋愛要素は欠かせない感じで……でも、今の児童文庫は、恋愛ものが飽和状態なんです。


だから、恋愛ジャンルにするのは、ちょっと抵抗があった。もう、いらないんじゃないか?と。


でも、恋愛以外のジャンルは、今回、たくさん応募がありそうだなーとも思いました。


多分、恋愛ものや学園ものを避けて、スケールが大きくなる冒険ものやスポーツものが増えそうだな…と応募作の傾向を予想。


なら、その穴をつくように、あえて、恋愛ものでいってみようとかと(実際に恋愛ジャンルでの応募は少なかったよ)


そんなわけで、色々下調べした上で『育児』というネタと『恋愛』というジャンルは決まったので、やっとこさ、あらすじを兼ねたキャラ作りを開始しました。


とりあえず、育児を任されたヒロインが、三角関係でドキドキしたり悩んだりする話にしようと、テキトーに土台を作る。


あと、子供を二人にしたのは、一人を育てるパターンが多いから、二人にしたら、これまでにない新鮮さがあるかなと、テキトーに。


この辺は、本当にテキトーです。

私のネタ作りは、テキトーの寄せ集めからはじまります(笑)


で、ヒロインは、あっさり決まりました。


やりたいことがなく、のほほんと過ごしてる女の子で、ふわふわのくせっ毛がコンプレックスです。


で、最終的に、やりたいこと(目的)が見つかればいいなーくらいな感じ(まぁ、とんでもない目的みつかったけど)


また、相手役のイケメンは、育児系男子にしよう。

できれば、お兄ちゃんキャラで!


……と、ここまでは、すぐにきまりました。


ただ、三角関係になる予定の、もう一人のイケメンが全く育たなかった。


アランになる前は、翼くん(仮)という御曹司キャラを考えてました。


ちゃんとした人間です(笑)


でも、この子が全く育たない。

マジで、お金もってるしか魅力がない!


他にないのかよ!と、裁縫が得意な設定をつけてみたりもしました。内緒にしていた裁縫の趣味をヒロインにだけに気づかれちゃうとか。


もしくは、御曹司だけど、少女漫画、描いてるとかね。

でもね、ありきたりすぎて、つまらない。


おかげで、何ヶ月もキャラ作りに時間をかけることになりました。


たまに脳内で遊ばせたりしたけど、翼くん(仮)めちゃくちゃキャラが弱かった。


ちなみに私は、キャラが全てな作者です。


とにかくキャラ。

キャラに魅力がないと感じたら、書かない。絶対。


だって、書いても楽しくないから。


だけど、今回は、児童文庫を書くが故に、縛りが多く、自由気ままにキャラ作りが出来ない。


そんなこんなで、余裕を持って、3月にネタ作りを始めたはずなのに、7月になっても、全くキャラが育たなくて、あらすじも一切決まりませんでした。


これ全部、翼くん(仮)のせいです。

そして、流石に焦り始めました。


だって、もう時間もない。

締切は、8月末。そして、今は7月中旬。


そろそろ、あらすじくらい決めないと間に合わなくなる。そして、そんな時に、チョロっと、アランがやってきたんですよ。


『そんなやつやめて、僕にしなよ』って。


マジもんの悪魔の囁きですよ。

私、必死に翼くん(仮)育てようとしてるのに!


でも、アランは、初代裁縫男子です。

しかも、王子様です。


そして、どこから沸いてくるのかは分からないけど、結構な、お金持ちでもあります(笑)


しかも、魔法が使えるから、スケールも広がりやすい!


この悪魔の誘惑に、作者の気持ちはグラグラ揺れます。

いいのか、翼くんを捨てても!


でも、時間もないし、試しに、アランで考えてみました。


そしたら、まぁ、全く決まらなかったプロットが、一瞬で出来上がった。


本当、気持ちいいくらい、すぐ決まった!


私の3ヶ月はなんだったの!ってくらい高速で!!


そして、翼くん(仮)とは、泣く泣くお別れすることにしました。イケメンに育ててやれなくて、ごめんよ…


そんなわけで、まんまと悪魔の誘惑に屈しまして、この作品のあらすじが、無事に完成しました。




次回は『恐怖の書けない病』


執筆開始後に、書けないという恐怖を初めて経験した話です。

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