ゲーム中ですよ?
空前絶後のニュースに国じゅうが盛り上がる。国王や若手の政治局と対立にあった老院や政治局の人身売買、薬の密輸、横領……叩いてもいないのに埃が次から次へと出てくる。号外がばらまかれる都市近辺は毎日がスキャンダルで賑やかだ。広場では奴隷収容所の主要メンバーが見せしめとしてはりつけにされているらしいが、暗躍した兄弟たちの姿はそこにはない。
街とは対極に静かな四男の部屋で、ミチルとルーンがチェスによく似たボードゲームをしており、ローズはミチルの味方をしながらお茶を飲んでいる。街の暴動のためしばらく外出を控えるよう命じられているフォルも一緒だ。
「これを機にまともな政治局がつくられるといいのですが」
「王様やフォルの権限で信用できる人だけで作れないの?」
「もともと王族は政治に関与しすぎてはいけませんから」
「今回もだいぶ叱られたしねぇ?俺らのポケットマネーだってのに♪」
「我々の小遣いもまた民の金ということを忘れるな」
「だから民に還元したんだろ?なんで正当な使い方をして怒られなきゃいけないんだ」
「「「……」」」
「ま、政治局がトロクサイからって言ってやったら終了したけどさ♪」
「そうだったの?」
(ごめん。好き放題やってると思ってた)
「?ベルクは?」
そばにいたローズに聞くが、あちらが驚いている。
「へ?♪一緒じゃなかったの?♪」
「そうなの。昨日からいなくって」
「まだやりのこしたことでもあったのでしょうか」
「買い物かもよ♪」
「ミチルを置いて?」
「それなんだよねぇ?♪?」
「ちょっと!?一緒にいないときだってありますから!」
「「ふーん」」
あぁ!悔しい!中身はとっくに20代後半なのに!
好きな人のことでからかわれるのが嬉しいとか、少女漫画脳の自分が!
ミチルが顔を真っ赤にしていようが、そんなのゲームには関係ない。ほら、ほら、見てないと!
「チェック」
「ああ!」
はい、ルーンの勝ち。
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