レビュー★☆☆☆☆ですから!!
【い?医?異?移?猪?違!?】
王たちへのご挨拶が終わったというのに、王子たちはまだ部屋を出て行こうとしない。あまつさえテーブルにミルクが用意され、お茶会になっている。
「ところでミチルはジュウイを志していると言ったけれど、『ジュウイ』とはどういったものなんだい?♪初めて聞いたんだ♪会話の節々から医者を指すことはなんとなくわかったけれど♪」
「えぇと、そのままよ?猫や犬とか、家で飼ってるペットや牛や豚のような家畜を診る動物のお医者さんのこと。私は特に犬のお医者さんになりたいと思っていたの」
ミチルが拳を握ってメラメラと燃えているというのに、王子たちはブルーだ。
「ふむ。それは……」
「難しいかもしれませんね」
「てかリーム―でしょ♪」
「え?」
「この国ではその『ペット』という概念が存在しない」
「え?」
「人間族の貴族の間では家畜ではない動物を養う習慣はあるみたいだけどね♪僕らの世界では文化として存在してないものねぇ♪」
「やはり種族の違いでしょうか」
「そもそも僕らが狼や犬の末裔だからなぁ」
「え、じゃあもしかして犬って飼わない?あのかわいい生き物と共生していらっしゃらない?」
フルボッコにミチルの声は泣きそうだが、フォルが容赦なく首を振る。
「まず、犬という四つ脚の獣はこの大陸では存在していない。正確に言えば絶滅してしまったんだ。狼や犬の血をひいているのは我々獣人だけだ。そして『ねこ』なんて生き物も知らない」
「もしペットっていえるとしたら鳥じゃない?♪」
「それでも伝書用ですよ。娯楽として養うなんて習慣は例外でしょう。よほど人間族に興味がある者です」
「え?じゃあ家畜を守るのは?イノシシや狐を仕留める最強の生物は?」
「家畜を守る……」
「「「「熊?(♪)」」」」
「クマ……」
「いない方がも多いんじゃないですか。大体の農家に守り人がいるでしょう」
「え゛」
「職業があるんだよ。契約主のために狼の姿で野生の動物と闘うんだ」
そ、そうか。このひと達、狼の血もあるからいざとなったら変身できるし。生態系としても最恐なのか。にしてもパートナーがクマかぁ……。あれがモフっていったらコレジャナイ感フルゲージMAXで……。
「家畜の診療という概念もあまりないな。家畜は死んだら終わりだ」
「う、うーん。それじゃあ出産なんかは?」
「そんなの農家の方がプロだよ♪上手く助けあってる♪下手に余所者が介入しない方がいい♪」
「デスヨネ」
あぁ、もう泣きそう。
「ミチルがこの国で獣医になる、って言ってくれたことは嬉しかったけれど」
「この世界にはそのような職業は存在しないのですよ」
「そう……だよね(泣)」
いきなり暗礁!いきなり挫折!?なにこれ神様の采配ミス?
もぉ!神様レビュー★☆☆☆☆ですから!!
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