平凡に恍惚と
セキララ
エピローグ
『死んだ父より遠いのは絶縁した母だ。』
これがこの小説の結末である。
エピローグから描き始める私の真意は心のどこかで信じているからだ、
この小説の終わりが私の人生の始まりになることを。
私は、田舎町の小さな本屋さんで生まれ育った。
裕福なお嬢様だった祖母と貧しい田舎町のガキ大将だった祖父の異色アベック夫婦の立ち上げたお店だ。当時スーパーもないような街に看板を上げた祖父母には脱帽である。そんな小さな町の本屋さんは一躍愛されるお店になったという。それもそのはず今でも様々な問題や苦労があるだろうが、2代目となる祖父母の娘であり、私の親となる母に継がれ今でも昔と変わらず町から愛される本屋さんだ。
本屋で育った私の夢は小説家。人に公言した事はないけれども。
27歳にして初めて夢を持った。気付いてないふりをして密かに胸に仕舞い込んでいた想いと向き合い、それを自分の夢として認めたという表現の方が正しいのかもしれない。
いつか夢を叶えて、生まれ育った田舎の小さな本屋さんに、そしてもう何年も会えていない家族にこの本を届けたい。
自分の存在がフィクションかノンフィクションなのかもわからない天邪鬼で卑屈な私が描くもの。何年も何年もかかったけど、、、四半世紀生きて気付いたこと。
親愛なる両親へ。愛と感謝を込めて。
そして、田舎町の小さな本屋さんと店主に最大の敬意を込めて。
本の醍醐味に身を任せて大事に大事に記すことにする。
平凡に恍惚と セキララ @sekira_ra_ra
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