第6話 はじめまして お嫁さん④
「嫁……?」
たしかに、神への生け
だとすればますますわからない。
「私を、神世につれていかないのかね?」
緊張で干からびた口を何とか動かして、
(神にとって、人が
人の身では、神世に行くことはできない。ゆえに、魂だけを連れていくことになり……必然的に、身体は死ぬ。
「はて、なぜ神世に? 嫁御殿は神世に行きたいのか?」
身構えていただけあって、吉野の答えに
「行きたいわけではないのだがね……だが、君は神だろう? 神世に帰らなくてもいいのかい?」
死者が住まう
「うむ、問題ない。そもそもここはどこでもないーーいうなれば、あわいであろう?」
姫宮の一族が暮らす黄泉比良坂は人の世と死者の世のはざまだ。そのため、あまりどちらの世にも影響を及ぼさないのではないかと吉野はうなずく。
「とはいえ、社もこんなありさまでね……。今日はどこで寝られることやら。」
ただでさえ、得体の知れない賊に社は荒らされており、一部は目も当てられない惨状だ。
わざとらしく肩をすくめた
「姉様……? 気がついたのかね?」
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