第4話 はじめまして お嫁さん②
「代、」
再び口を開いた
「っ! 離したまえ!」
痛みと
「ーー気に入った。」
「は……??」
何をとち狂ったのか、まじまじと
呆然としている
「生きたいか? ならば私のものになれ。そうすれば君のことだけは助けてやろう。」
ふ、ざ、け、る、な。
いきなりやってきて、社に住む仲間を殺しておいて、何を言っている?
「初めて見た時から美しいと思ってはいたが……そのうえ面白い。」
面白いって、珍獣か何かだろうか。いや、珍獣もこんなやつに会ったら逃げるだろう。
「さあ、行こう。我が花嫁。」
「離したまえ! 誰が、貴様などに従うものか……!!」
渾身の力を振り絞って、
「すでに神降ろしのための扇はない。無駄な抵抗はやめたほうが君のためだと思うが?」
それとも素手で私にむかうとでも言うのか? と小馬鹿にするような口調で尋ねて、男は肩をすくめた。
「やれやれ……少々、しつけが必要かな?」
再び男の手が伸びーーしかし、倒れたのは
「姉様!? どう、して……」
ふわり、と
(姉様がここまで追いつめられるとは……!)
おまけに、右肩から足の付け根までざっくりと斬られた傷があった。この状態で、
「よかっ、た、……
にっこりと笑う燈はひどく綺麗で、儚くて。
「姉、様」
話すほどに、
どうして、と。何度も
「何だ、まだ生きていたのか。しぶといな……ちゃんととどめをさしておくか。またさっきのように邪魔されても面倒だ。」
冷えきった男の声が、
「ーー代償を、ここに! 我が身の全てと引き換えに、この者を救いたまえ!」
まばゆい光が辺りを包み、桜の花びらが舞った。
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