第8話 赤龍との激闘

 帝国の鐘がなり目を覚ます。


 今日はエンリルの弓矢のメンバーと50F赤龍の卵を取りに行く予定だ。


 ちなみに、新しく契約した家は全部の窓を開け、風魔法で一気に掃除した。さすがにほこりだらけの空間で寝る気にはなれなかった。


 帰ってきたらしっかりと掃除しないとな。


 今日も一日が始まる。


 今日は熱くなりそうだ。


 念の為、商会で高級ポーションを買ってから集合場所に向かおう。


 支度を整え、ギルド前に行くともうエンリルの弓矢のメンバーは集まっていた


 「カイン。今日はよろしく頼むわね。」


 むしゃむしゃとサンドイッチを食べながら、ミナトがカインの肩をたたく。


 「みなさん。今日はよろしくお願いします。気を引き締めていきましょう。熱くなりそうなので、お水も多めにもってきました。」


 「ありがとう。カイン。あなたは本当に気が利くわね。」


  ミナトが満面の笑みを浮かべる。


 「状況が状況ですし、絶対に失敗が許されないので。先に商会で準備してきました。さっそくダンジョンに向かいましょう。」


 話を切り上げてダンジョンへと向かう。


 1Fの入り口で登録しておいた40Fに転移陣でワープする。40Fからは1階ずつ攻略し、50Fの赤龍を倒すのが今日の目標だ。


 40Fにもなると敵も強くなるが。エンリルの弓矢の面々もC級パーティだ。


 問題なくボスまでは進めるだろう。


 転移するとそこは蒸し返すような暑さを感じる。


 「それにしても暑いわね。」


 ミナトは上着を脱ぎながら腕で額の汗を拭う。


 「はい。40Fから50Fまでは赤龍のための空間と言っても過言ではないので、めちゃくちゃ暑いです。ボスに辿り着くまでは最低限の防具だけ着るようにして、体力を温存させましょう。水もたっぷりありますし、氷魔法で水を冷やせるので飲むとリフレッシュできますよ。」


 冒険者はステータスで見られがちだが、そこには「スタミナ」が要素として欠けていると思う。どんなに最強のステータスであっても1階攻略するだけで歩けなくなるような冒険者は攻略には向いていない。


 「なにからなにまで助かるわ。」


 ミナトがそう言い、ミナトを上半身タンクトップだけになっていた。慌てて目を逸らす。


 「あら、カインちゃんもっと見ていいのよ。」


 タンクトップからは白い肌が露出していて、刺激が強い。


 「冗談は良いので油断せず、サクサク進みましょう。宿で話をしたとおり、僕が前衛に立ちます。罠と戦闘の指示は極力従ってください。」


 僕たちは歩みを進めると、階段前の広間にリザードマン3体が剣と盾を構えている。


 こちらには気がついていない。


 「極力、魔法も温存して低級魔法で攻撃をしてください。僕が突っ込んで敵を引きつけます。」

 

 「「「了解」」」


 メンバーから了承を得ると、カインは自分にブースト魔法<バフ>をかける。速度と筋力を上げてサクッと片付けよう。


 カインが剣を鞘から抜き駆け出す。


 「オラッ」


 一閃


 左側にいたリザードマンがガードする前に脳天に一撃をたたきこむ。


 先手必勝。


 どの魔物も基本的には心臓と頭が弱点だ。


 運良くクリティカルも引けたみたいだ。一撃でリザードマンが崩れ落ちる。


 次っ


 真ん中にいたリザードマンがカインに斬りかかる。


 さすがに40Fまで来たら無傷での攻略は厳しい。


 剣で受け、リザードマンを足で蹴り飛ばす。


 リザードマンがよろける。


 「いまっ」


 カインが叫ぶと、ミナト、シンラの弓矢がリザードマンに突き刺さった。


 「よし。次っ。」


 3体目。


 残りのリザードマンは後衛に向かい攻撃をしようと駆け出していた。


 ここまで来たら前衛の役割は敵を後衛に向かわせないだけだ。


 「ライトニング」


 ライトニングでしびれさせて一瞬でも動きを止めればいい。


 念の為、全員が無傷でボスまでたどり着くためだ。


 「ブラスト・ファイヤーボール」


 ユキナが呪文を唱える。


 動きが止まった的に魔法を当てるなんて容易いことだ。


 ユキナのファイヤーボールがリザードマンに直撃し、よろめく。


 まずい。まだ息はある


 リザードマンが最後の力を振り絞り、後衛のミナトに斬りかかる。


 カインが慌てて呪文を唱える。


 「アイスアロー」


 氷の刃が地を這うように駆ける


 呪文が直撃し、リザードマンは動かなくなった。


 どうやら無傷で切り抜けられた。


 魔石を拾いながら、パーティと戦闘を振り返る。


 「今の戦闘はいい感じでしたね。一つだけ、ユキナ。40Fからの敵は火に耐性があるものがほとんどだ。火以外の呪文は使えるかい。」


 「すみません。一撃で仕留められませんでした。魔法は火と水が使えます。」


 「いや謝らなくていい。無傷で戦闘も終わったし。それではボスまで水魔法で行こう。」



 パーティはほぼ無傷で50Fの手前までたどり着き、休憩をしていた。


 体力も魔力もバッチリ。装備の点検も終わった。


 これは失敗する可能性は1%もないだろう。


 「よし。そろそろ本戦いきますか。」


 リーダーのミナトが立ち上がり、気合を入れる。


 階段を上がり、50Fの扉を開けば赤龍がいることだろう。


 ミナトが扉を開けようとすると、嫌な予感がする。


 いつもと違う雰囲気だ。


 僕は慌てて扉を開けようとするミナトの手を止める。


 「なんか、嫌な予感がします。注意しましょう。前衛は僕しかいないので、もし陣形が崩れてしまった場合、僕のことは考えず、自分の身の安全を優先してください。」


 …嫌な予感が気のせいだったらいいのだが


 「大丈夫よ。カイン。私たちはあなたのこと信頼しているし、指示通り以上に動くわ。」


 皆の顔を見る。気合は十分だ。


 「いきましょう。」


 扉を開く。


 目の前に見える赤龍は5mを超える大きさだ。普通は2m前後のはずだ。


 あいにく赤龍は眠っているようだが、以前イグニスの槍で攻略した時に比べると2倍は大きい。


 「みんな、この赤龍は<ネーム持ち>だと思う。注意して。」


 ネーム持ちとはボスの中でも特段に強いボスを指す言葉だ。大きなも通常時よりでかく。攻撃力も強い。


 2倍強いとなると、苦戦すること間違いない。


 俺は腰から剣を引き抜き、全員に筋肉アップ・防御アップのバフをかける


 嫌な予感しかしない。全身から汗が吹き出す。


 俺は口の中に渇きを覚えた。


 「嫌な予感だけはよくあたるな。」


 嘆いていてもしょうがない。


 メンバーとアイコンタクトを取る。


 剣で赤龍に先生攻撃しようと剣を振りかぶると


 赤龍は目覚めたようだ。


 赤龍が吠える


 「ぐぉおおおおおおおおおおお」


 赤龍の咆哮に全身鳥肌がたつ。


 カインの振った剣が赤龍の皮膚に弾かれる。


 赤龍に傷はついたが、相変わらずの硬さだ。


 これは時間かかるぞ。


 覚悟を決めなければならない。この身と引き換えにしてでも僕を信頼してくれたパーティは必ず守る。


 俺は背後に指示を送る。


 一斉攻撃でダメージを稼ぐ。

 

 後衛の弓矢が赤龍に刺さる。


 遅れて、ユキナの「スプラッシュ」が赤龍に当たる。


 赤龍が仰け反る。


 チャンスだ。


 赤龍の弱点は逆鱗と言われる場所と顔だ。


 逆鱗は喉の下辺りにある。


 俺は逆鱗めがけて剣を振る。


 スプラッシュは水魔法で赤龍に効果的だ。


 連撃も決まったし、体感では3分の1は体力を削れたのではないだろうか。


 スプラッシュの水が赤龍の体温で蒸発し霧状になる。これでは後衛から赤龍がよく見えない。


 ――まずい


 「ぐぉおおおおおおおおおおお」


 赤龍が激怒し、大きく火を一面に


 俺は寸前のところで転がり躱す。


 後を見るとシンラが膝をついている。


 「ごめん。ミスっちゃった。」


 「大丈夫かっ。下がって回復。立て直せ! もう一撃くるぞっ」


 カインが怒鳴るように叫ぶ。


 ……強い。


 エンリルの弓矢のパーティのレベルと赤龍の強さは把握していたつもりだが。


 想定外だ。


 今の俺たちで勝てるのか?


 嫌な汗が吹き出ている


 余計なことを考えている時はだいたい『良くないとき』だ


 前衛の俺が倒れば彼女たちは為す術なく、死ぬだろう


 「うぉおおおおおお」


 俺はすべての力を注ぎ込み、時間を稼ぐために赤龍の顔に剣撃をたたきこむ


 とにかく2発目のファイアブレスはまずい。シンラが死んでしまう。


 1撃だけでは赤龍は止められない!


 剣を止めるな! 全身を最速で動かせ!


 とにかく赤龍の攻撃対象を俺に移さないと!


 カインの願いは届かず、二発目のファイアブレスが赤龍から放たれる。


 本来、避けるのがセオリーだが俺が避けるとファイヤブレスがシンラに当たる。


 まだシンラは体制を立て直せていない


 「うぉおおおおおおお」


 カインは龍の目の前に立ち、盾で赤龍のブレスを抑え込む。


 盾で赤龍のブレスを抑えることなんてできない。


 とっさに体が動いたのだ。


 その判断は致命的なミスだった。


 盾は割れ、途中までは盾が防いでくれたブレスも体に直撃した。


 身体が衝撃で宙を舞った。


 そのまま地面に叩きつけられる。衝撃と火傷の痛みで意識が遠くなる――


 「みんな、すまない……」


 「カインさん!!! 」


 悲鳴のような声が聞こえた気がした。


 情けない。おれは死んだのか。


 目を覚ますと先程戦っていたダンジョンではないようだ。

 ここは天国か――。それとも地獄か――。


 今までイグニスの槍で冒険していたころは、死にかけることはあったが気絶したことはなかった。


 エンリルの弓矢には大見得を切って大丈夫と言ったのに情けないな。


 期待を裏切りたくなかった。


 周りを見返すとブローチが光だし、神話に出てくる水の妖精ウンディーネのような美しい女性が目の前に現れる。


 「カイン。あなたはこんなところで死ぬ運命じゃありませんよ。」


 「…あなたは」


 「わたしはずっとカインの事を見守っていました。今世界は少しずつ歯車が狂ってきていて、世界は緩やかに崩壊に向かってます。カイン。あなたが世界を救うのです。」


 「僕はただのギルド職員ですし、そんな実力はありません。」


 「まだ自分の限界を知らないだけなのです。目覚めなさい。いつまでも寝ていてはいけません。仲間がピンチですよ。」



 どうやら気絶していたのだろう。


 起きようとすると全身に激痛が走る。


 ユキナが介抱してくれていたみたいだ。


 回復魔法を泣きながら、かけてくれている。


 「カインさん。よかった。今回復しています。」


 「ありがとう。俺は何分くらい気絶していた。」


 「何分も経っていません。カインさんが倒れてから、ミナトと回復が終わったシンラが前衛に出たんです。赤龍の周りを回りながら攻撃して、なんとか陣形を維持して耐えてます。」


 ミナトとシンラが傷だらけで赤龍に応戦している。 

 

 「私がカインさんを引きずって後ろに運びだし、回復していたんです。ピクリとも動かなかったし死んだのかと思ってました。急にカインさんの体が青く光りだして意識が戻ったんです。」


 「わかった。回復はもう良い。ユキナ今ある魔力全部を使っていい。合図したら水魔法で赤龍を攻撃してくれないか。」


 ユキナは驚いた顔でカインを見る。


 「無理ですよ。カインさんそんな体じゃ。撤退しましょ。今回の赤龍はヤバすぎます。」


 「いや、次の一撃で仕留める。このままじゃ二人も俺もたない。二人のおかげで赤龍も弱っている。ユキナ頼む協力してくれ。ユキナの協力がないと無理なんだ。」


 ユキナの頭をぽんと撫でる。


 「わかりました。魔力を全部つぎ込みます。」


 失敗は許されない。これが失敗すると―――待つのは死だ。


 赤龍が吠える。まるで己の勝利を確信しているようだ。


 ミナトもシンラもボロボロだ。


 錆びついた機械のように体が重いがそんなこと言ってられない


 足を引きずりながら赤龍の前に立つ。


 「ミナト、シンラ俺が受け持つ!スイッチ!!! 」


 大声でカインが叫ぶ。


 刹那、赤龍が反転してしっぽがのびてくる。


 もう盾は壊れてない。剣でなんとか攻撃を受ける。


 赤龍の攻撃は重く全身に衝撃が走りノックバッグしてしまう。


 「カインどうするの。」後ろに下がるミナトが叫ぶ


 「合図するまで待つんだ。それまで最大限の力をためてくれっ」


 俺は気力を振り絞る。防ぐだけならなんとかもう少しは持ちそうだ。


 できる。俺ならできる。


 できると自分に信じ込ませろ。


 赤龍の噛みつきを躱し、顔を斬りつける


 赤龍もなかなか攻撃が当たらないことにじれてきたのだろう。


 赤龍が痺れを切らし、ブレスを吐く動作に入り体が仰け反った。


 「今っ――! 皆、叩き込めっ!」


 ユキナの水魔法最高の呪文「ウォーターウェーブ」が当たり、赤龍が後ろによろめく。


 ミナト、シンラから放たれた、強化された弓が目に刺さり赤龍が痛みに顔をゆがめる。

 

 「うぉおおおおおおお! 」


 俺はすべての体力と最後に一撃を叩き込む。


 意識を戻してから、いつもと違う力が体にみなぎっている。


 名前も聞けなかったが、頼むウンディーネ力を貸してくれ。


 カインのブローチが光りだす。


 水魔法を剣にエンチャントする。


 もう体力もないはずなのに、力がみなぎっている気がする。


 赤龍の喉、逆鱗めがけて刃を振り下ろす。


 「ギャアアア」


 赤龍が大きな悲鳴をあげる


 ―――手応えありだ。


 手応えはあった。だが俺は剣を止めない。


 まだ終わらない。動けなくなるまで剣撃をたたきこんでやる。


 何度、連撃を繰り出しただろうか。

 

 速く終わってくれ――


 「カイン。もういいわ。終わってるわよ。」


 ミナトが肩に手をぽんと置く。


 どうやら赤龍はいつの間にか、絶命しているみたいだ。


 よかった。


 全身の抜けが抜ける。剣が手から落ち、膝から崩れ落ちた。もう一歩も歩けない。


 「カインありがとう。私たちあなたがいなかったら死んでたわ。」


 「僕の方こそで力になるって言っていたのに足引っ張っちゃいました。」


 ミナトがギュッと倒れそうになるカインを抱きしめる。


 「ミナトさん痛いですよ。」


 「良いのよ。本当にありがとう。赤龍の卵もあるみたいだし、肩の荷が下りたわ。」


 「ミナトさん肩貸してください。休憩するより先に赤龍の卵採取しましょう。」


 ミナトさんの肩を借りて、赤龍の卵を見にいく。


 エルフのミナトには俺の体は重いだろう。罪悪感はあるが、一人で歩ける体力は残っていない。


 「これで間違いないです。任務達成です。5つあるので全部持って帰りましょうか。」


 「カインあなたが2つは受け取って頂戴。3つあれば私たちは十分に薬の材料に使えるわ。」


 「分かりました。でも何かあったときの予備でもう1つは持っていってください。僕は一つで十分です。」


 そう言うとカインは一つだけ、ミナトから受け取る。


 受け取るとブローチと赤龍の卵が共鳴し、光りが包む。


 「カインなにしたのよ! 」ミナトが驚いた顔でカインを見る。


 「分かりません。赤龍の卵消えちゃいました。」


 「カインさん指になにかついていますよ。」


 ユキナに言われ、手を見ると右手の薬指に指輪がいつの間にか付いている。


 じっと指輪を観察してみる。


 指輪についている宝石はガーネットだろうかガーネットの中は灼熱しゃくねつの炎が見えるが、不思議と触っても熱くはない。


 「まあよくわかりませんが、無事にクエスト達成できてよかったです。少し休憩したら帝都へ帰りましょう。」


 全員クタクタだ。皆地面に座り込む。


 カインは大の字に横になった。もう体力は0だ。


 ピンと張っていた緊張が解けたのだろう。


 皆、緩和しきっていて饒舌になる。テンションが上っている状態だ。


 シンラがカインにポーションを投げ渡しながらお礼を言う。


 「カイン。本当にありがとう。あなたは私の命の恩人よ。2発目のファイヤブレス、あなたが受けてくれなかったら私逃げられなかった。多分、死んでたわ。」


 「いえ。僕も実力不足でした。皆さんと息があった連撃ができなければ負けていたと思います。そういえば、すぐに薬エルフの国に持っていかないと。時間は大丈夫ですか。」

 

 ハッと起き上がり、確認する。赤龍を倒した達成感で忘れていた。


 「大丈夫よ。商人ギルドに夜出る便で持っていってもらう算段だから、もう少し休んだら戻りましょ。」


 「はい。よかったです。」


 それにしてもネーム持ちなんてこの10年出ていなかったはずだ。僕もネーム持ちに合うのは初めてだ書物の中でしか見たことがなかった。なにか変わり始めているのかもしれない。明日、メンゼフさんに報告しないと。


 「それにしてもカイン。あなた、普段は僕っていうのに、戦闘中は俺って使うのね。」


 ニヤニヤしながらミナトが言う。


 「そこまで考えていませんが、そう言われるとそうかもしれない。」


 戦闘中そこまで気を使う余裕がないのと、気が高ぶるからだろう。


 「ボクっ子もかわいいけど、かっこいい俺様カインもいいわね。」と言い、ミナトがカインの上に覆いかぶさる。


 「重いですって。一応回復しましたけど、僕死にかけですよ。」

 

 「良いじゃない減るもんじゃないし。それに重くないでしょ。」


 こんなことで死んだらどうするんだ。


 シンラとユキナもずるい私もといいミナトのマネをしてカインに覆い被さる。


 「ふざけないでください。マジで折れますって。」


 かわいいわねと口々に言うが、すぐに離れてくれた。


 体力も戻ってきたし、さっそく帝都へ戻ろう。


 赤龍の卵も無事手に入ったし。任務達成だ!


 今日は明けの明星で美味しい酒が飲める!



 昨日は飲みすぎた。帝都の鐘で目が覚め頭痛がする。


 冒険終わりの酒で酔っ払うのが冒険者の醍醐味だ。


 明けの明星で朝方までのんでいたと思うが、途中からの記憶がない。


 ギルドに遅刻するわけには行かないと思い、体を起こす。


 あれっなにかが手に当たる。妙に柔らかい。


 ミナト、シンラ、ユキナが裸のまま寝ているみたいだ。


 ………


 彼女たちも疲れているのだろう。このまま寝かせておこう。メンゼフさんにネーム持ちが出た報告

もしなくちゃいけないし、ギルドの仕事もこなさないと。

 

 今日も一日がんばるぞっ。

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