番外編・勝手にKAC執筆日記 KAC202211【日記】

霧野

こんな感じでお送りしてました

3月1日(火)

 KAC2022が、いよいよ始まった。

 私はこれで2度目の参加となる。2021の時はまだ不慣れで、初回日程をうっかり忘れたり書式を間違えたりして右往左往したものだった。幾人かの親切な作家さまが丁寧に教えてくださって、初回こそ落としたけれど完走することができた。実に楽しい体験だった。

 最終話で、各話をひとつの繋がったストーリーとして強引にまとめることができたのに味を占めた私。今回もなんとか繋げてやろうという野望を胸に抱いて臨んだ。


 初回のお題は【二刀流】。

 例のメジャーリーガーをあからさまに思わせるお題だが、へそ曲がりな私が素直に書くわけが無い。初級から思いっきり変化球を投げ込んだ。

 「強烈なキャラクターをたくさん出しておけば、この先どんなお題が来てもなんとかなるだろう」という姑息な考えのもと、『二刀流倶楽部』という乱暴な設定とヘンテコキャラを並べ立てた。

 幸いなことに、コメント欄にて「閲覧数がザコ」というキーワードが生まれ「オカマッチョ」なる新たなキャラを賜ることとなり、次に繋げる展望ができた。

 これも皆、コメントをくださった皆さまのおかげである。誠にありがたい。


 尚、「閲覧数がザコ」に関しては、筆者自身はもちろん、何人かの方の胸を抉ってしまったようで、申し訳ないと思っている。


『二刀流倶楽部』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861215504750




3月4日(木)

 2回めのお題は【推し活】。

 推し活経験の無い筆者には縁の薄いジャンルであり、困惑した。だが私には、前回撒いた種がある!

 最も反応があった「閲覧数がザコ」というワードに着想を得て、「小説書いてるから読んで欲しい☆アピール」のうザコい作家を登場させた。完全にカクヨムユーザーのうちわネタであるが、どうか許していただきたい。お祭りだもの。

 そして早くもこの回で、『二刀流倶楽部』と『ザコ先輩関連』の二本立てで乗り切る流れが見えた。この二本立てを、どのタイミングでどう交わらせるか……それは今後のお題次第となるだろう。


『推し活はランチの後で』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861298211062




3月9日(水)

 3回目のお題、【第六感】。

 いきなりのファンタジーかと思いきやゴリゴリ異世界もの……というのは見せかけで、実は……という雑なトリック。というのも嘘で、書いているうちに思い付いたので強引にこじつけた結末である。

 無理矢理感は否めないが、一応「リュート」とかザコ先輩ワードを出しておいた。せこい手段ではあるが、小さな脳みそを振り絞った努力の跡と思し召し、お赦しいただきたい。お祭りだもの。

 ちなみに前半のファンタジー部分は、構想中の長編の前日譚でもある。連載が始まった暁には、「ああ、あれか」などと思い出していただけると嬉しくて踊り出すことになろうかと思う次第。


『根無草』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861443948403




3月11日(金)

 4回目のお題【お笑い/コメディ】。

 コメディなんて書けるかぁ!! とキーボードをちゃぶ台返ししたくなったお題であった。書いていくうちにコメディチックになることはあるが、初めから「さぁ、コメディを書くぞ」と思うと書けないものなのだ。私の場合。

 なのでお笑い路線はサクッと捨てて、別方向へ。

 二刀流倶楽部ともザコ先輩とも関係無い、別個のお話……だが、次のお話でなんとか繋げてやろうと画策したものである。まだ次のお題もわからないのに、向こう見ずなことこの上ない。

 この回、かなりブラックな話となったが、個人的に気に入っている。

 作品タイトルの『タイトル、お笑い』は、コント師が「ショートコント、◯◯」とコールしてからコントを始めるあの感じをイメージしたのだが、彼らは漫才師なので『タイトル、お笑い』とした。って、ややこしいな。


『タイトル、お笑い』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861495577528




3月14日(月)

 5回目のお題【88歳】。

 見た瞬間、「なんで?」と声が出たお題である。まじで、なんで?

 前回で人が死んだので、『二刀流倶楽部』のシニガミドクターを登場させようと目論んでいたところへ、このおめでたいお題。米寿じゃん!

 死者に究極の選択を迫るという大まかな流れは決まっていたので、それとお題をどう結びつけるかに悩んだ回であった。

 結果、ハッピーエンドのようなそうでないような、救いなのか枷なのか、読み手によって受け取り方が変わる結末となった。これはこれで良かったんじゃないかと思う。


『ベイジュー ☆ ロード』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861583033577




3月16日(水)

 6回目、【焼き鳥が登場する話】。

 これは「焼き鳥が登場」しさえすればよい話だと理解した。その時点で、グルメ話の線は消えた。どうとでも書きやすい、ありがたいお題! これは、二本の線を交わらせるチャンス!

 というわけで、初回『二刀流倶楽部』主人公、岩本正志の再登場である。さらに、2回目『推し活…』のザコ先輩、神楽坂@リュートも参戦。岩本との出会いを果たした。

 二本の線は無事交わったわけだが、この回だけの独立した話として読めるかどうかは微妙だと思う。改めて、力不足を痛感した。


『クラブ二頭竜』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861637422940




3月18日(金)

 7回目【出会いと別れ】。

 【第六感】の手法の二番煎じ…いや、アレンジから始まるこの回は、前回からの流れだった。だって前話では、最後に美織が岩本に興味を持った感じで終わったのだ。2人はまさに「出会い」を果たしていたのだから、これを書かないわけにいかない。

 が、そこはひねくれ者の筆者である。出会いはしたけど付き合うには至らない。これではお題の要素が薄い……

 そこで、冒頭の悠人の妄想である。あの前振りが「出会いと別れ」要素の保険であることはここだけの秘密だ。

 この回で「各話独立して読める話」という前提を完全に諦めた。もちろん当時は頑張って書いたわけだが、今読み返してみれば、若干の脳の疲弊が見受けられる。


『すれ違う私たち』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861694886234




3月21日(月)

 8回目、【私だけのヒーロー】。

 これは書きやすかった。二刀流倶楽部の二重人格さんとオカマッチョさんにご登場いただき、ちょっと昔話を。オカマッチョさんは書いていて楽しい。今回で名前も決めたし、いつか何かの作品に出てくるかもしれない。

 倶楽部主催者のお嬢もオカマッチョさんも、二重人格とか全く気にせずすんなり受け入れるところが気に入っている。


『ヒーローインタビュー』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861806125720




3月23日(水)

 9回目、【猫の手を借りた結果】

 もはや何がしたいのかわからなくなってきた頃である。読み返すと、だいぶ投げやりな感じを受ける。作品タイトルからしてもう投げやりだ。タイトルが絵文字て。

 しかも最後、飯田橋 悠人 = 神楽坂@リュートってあっさり書いちゃってるし。そこはこう、文章で「ああ!」って思わせるところじゃん。完全に手抜きじゃん。手抜きついでに告白すると、飯田橋と神楽坂は隣どうしの駅である。ペンネームの由来も雑ぅ!

 でも、この回の美織ちゃんの勢いはちょっと好き。


『🐈』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861835730407




3月25日(金)

 いよいよ10回目、【真夜中】。

 これはちょっと気合い入れました。この季節だから桜は入れたい。となると、お題からして夜桜だよね。しっとりと落ち着いた内容にしたいなぁ……と。

 何の事件も起きず、淡々と進むお話というのは初挑戦だと思う。つい癖で自サツ・サツ人ルートにスライドしそうになったが、なんとか思いとどまった。

 だって、真夜中のひと気のない川縁で夜桜ですよ。何かしら起こしたくなるのが人情ってもんで(?)……脳内では別ストーリーが進んでいたのはナイショである。


『きっと夜のせい』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861893384603




3月28日(月)

 さてさて最終回、【日記】。

 (厳密には本作が最終回になるわけだが、こちらは番外編ということで)


 「鞭と小説の二刀流キャラは?」というコメントをいただき、そこからヒントを得て書いた最終話。

 悠人(神楽坂@リュート)の姉「美織」と「剣豪・岩本」のカップル成立。岩本とオカマッチョさんはいつの間にか仲良しに。

 秘密日記の執筆者「美咲」の読書仲間である「彼」の正体は、「疾風 ☆まかろん」。

(彼のペンネームは、美咲さんの大好物であるマカロンが由来なのでした)

 このお話は前話の翌日の出来事、美咲ちゃん視点。なので、前話『きっと夜のせい』にタイトルの響きをちょっとだけ寄せた。


『だって春だから』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927861988985438




 というわけで、あちこち無理やりくっつけたりこねくり回したりして、KAC2022完結です。

 初回以降出せていないキャラもいますし、二刀流倶楽部主催者である「お嬢」の影が薄かったのも残念ポイントではあります。

 でも、今回も楽しく完走できました!

 これも皆、読みに来てくださった皆様のおかげです。ありがとうございました!!



 以上、『誰に請われた訳でもないのに勝手に綴る、閲覧数ザコ作家のKAC執筆日記』でした。


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