第6話 夫、年下の幼馴染と話す
「ありがとうね、ほのちゃん!」
「織宮先生?ここは学校ですよ?」
「いいじゃん、今は二人きりなんだし」
僕と廊下を歩くのは、僕の国語の担当生徒でもある二年の
僕の歳が離れた幼馴染。
黒髪ボブカットでスタイルがよく、クラスのトップカーストの女の子である。そして頼れるクラス委員長である。
今も課題ノートを職員室へ運ぶの手伝ってくれている。それに授業中もテキストの音読など積極的にしてくれて頼りになる。しかもなぜかほのちゃんの音読はスッと心の中に入り込んでくる。不思議な声を持っている。
そして先程の『治癒魔法』を気づくきっかけになった幼馴染の少女である。
今も「朝、治癒魔法使ってましたよね?」と耳元で囁かれた。なぜバレた。
「それにしても今日もモテモテでしたね?織宮先生?」
「あはは…」
苦笑が浮かんだ。先程の光景を思い出したからだ。
『今日も綺麗だね!』
『きゃあああ!』
『結婚してえええええ』
『これから一緒にどう?』
僕を見てキャーキャー騒ぐ生徒が一割、お昼を一緒したいと言う生徒がニ割、結婚を前提にお付き合いを要求してくる生徒が五割、ホテルに誘ってくる生徒が一割。その他一割。
全てほのちゃんがさばいてくれた。目をギラギラさせた子たちに囲まれて少し怖かったから助かった。
ほんと頼りになる。
「織宮先生、気をつけてくださいね?
小さいから襲われたら抵抗できなさそうだし…」
「僕そんなに小さくありませんけど!?」
そりゃ170センチあるほのちゃんに比べたら僕は153センチと小さいけども!
「ほのちゃん昔はこんなに小さかったのに…それがもうこんなに大きくなって…」
僕は手で昔のほのちゃんの身長を示してしみじみする。
「それお年寄りの言うセリフだよ?」
「うぐっ」
切れ味のいいナイフが心臓に突き刺さり、たたらをふむ。
「うふふ、織宮先生面白いですね、
それにかわいいし(ボソ)」
それにしてもと思い、横目でチラッと彼女を盗み見る。本当に頼り甲斐のある子に育った。でもそれが少し寂しいかも。
幼い頃の僕の背中に四六時中張り付いてたほのちゃんも可愛かった。
「職員室についちゃったね、、、」
「うん、、、」
少しだけしんみりする空気感が流れる。
「ゆきにーさん、またね!」
「っ…うん!」
久しぶりにそう呼んでくれて僕はさっきまで空気なんて忘れて、嬉しい気持ちを表すようにブンブンと手を振り返した。周りに生徒がいて「可愛い」とクスクスと笑われたのは少し恥ずかしかった。
、、、、、
場所は職員室。
席に着いた途端に多くの先生に「今夜はどうですか?」と飲みに誘われる。みんな下心丸わかりの視線で僕の肢体を舐め回すように見てきた。
「誘ってくれてありがとうごさいます、でも今日
は用事があるので…」
それにしてもおかしいな。結婚指輪ちゃんと付けているはずなのに。みんなには見えてないのかな。
まあもちろん全て断るけどね。僕には昏葉さんがいるから。
「あれ?」
しまった、お弁当を忘れてきてしまった。
昏葉さんのを用意して、自分の分はキッチンに置き忘れてきたのかもしれない。
その一部始終を見ていたらしき先生たちから貢物をされそうになる空気感を察知した僕はスマホと財布を持って急ぎコンビニへと向かった。
、、、、、
コンビニからの帰り道。
お釣りをくれる時になんか女性店員さんに強く手を握られた。なんでだろうか。
レジもお昼時だから沢山の人が並んでいた。だけど半ば強引に最初にレジを通された。
僕が男性だからだろうか、
そういうのはちゃんと筋を通したい派なんだけどな。
「ん?」
その時後ろに人の気配がした。
ビリリッ
バタッ
僕の意識は暗転した。
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