第3話 邪神崇拝者に転生したよ
目を覚ました。
カビ臭くじめっとした石造りの簡素な部屋だ。
2回目なので早速だが
転生したのは誰かと記憶を漁る…
名前は、シューキョ・カルット(60)
この地下に作られた施設を拠点にする邪神崇拝組織のトップである。
身体中に刺青があるし、あからさまな黒ローブにフードは気恥ずかしいんだが…
状況を確認する。
俺は元々は国に仕えていた天才魔術師。
禁呪の研究に手を出して、国を追放された。
その過程で邪神を崇拝する様になり、ますます研究にのめり込む。
転生先に選ばれるような原因は…これか。
禁呪研究の為に、人体実験をしている。
しかも異世界の人間を使っての実験だ。
その為に頻繁に召喚魔術を使い天界に目を付けられたようだ。
そんなに問題なら、天罰と称して殺せばいいじゃないか。
しかし、直接命を刈り取るのは命を与えた側からすると明確なルール違反になるのだとか。
転生先に選び、魂を追い出してるのはいいのかと疑問に思うが、なんというかグレー扱いになるそうで。
抜け穴探しは、現代も天界も変わらないんだな。
さて
前回はあっさり殺されて早期退場だったわけだが、今回もなかなか厳しそうな状況だ。
召喚については数日前に既に行われており、召喚者達も
さーて今回のルート発表〜っ パチパチ
ふざけなきゃやってられない。
実験の中止→治療→召喚者の送還→組織の解体
こんなとこだろうか…
一般人に最適解なんぞわかるか!
なんとなく叫んでみた。
まあやるか、頑張ろう…明日から。zzz…
沢山寝たし、ご飯も食べたし、おじいちゃん張り切って行きます。
手始めに実験の中止を指示。
まただ、トップだと言うのにすぐに言う事聞いてくれない。
俺の長い顎の白髭は飾りなのかな。
辞めて違う研究をしよう?
もっと非道な実験ですね
他に楽しい事あるよ?
研究が恋人です。
飽きない?
やりたい事があり過ぎます。
良い事してみない?
邪神様に喜ばれますがなにか?
・
・
・
なんだろ、フランクに要約したけど全然ダメじゃないか。
結局すごい実験を思い付いたから、今してるのは全部中止して資金とか準備してと納得させた。
すごい実験ってなんなんだろうか…
フェーズ1はクリアとして、次は治療だね。
死なれたら困ります。
実験場は放送出来ない状態だったよ。
吐きそう。
次の実験に必要だからといって、治療できる人達はすぐ治療にさせた。
問題は…これかぁ。
腕が4本あるね
額に第3の…
あれは有名な某コ○ラかな
こっちは…下半身別物だね
・
・
・
この状態から元の綺麗な状態に戻す過程と技術が必要になると無茶振りをしました。
他に思いつかないもの…
救いなのはわ研究者達にとって無茶振りがご褒美だったことだね。
数ヶ月後…
召喚も行われていない。
召喚者達もなんとか復活。
死んでしまったのは担当外というしかない。
ともあれ、フェーズ2までクリア。
あぁ大変だった…新しい実験はまだかまだかと凄い圧をかわす日々…今現在もなんだが。
そろそろ限界も近いし、ちゃっちゃっと送還したいところだ。
でも今回は上手く行きそうだ。
ここからの作戦は、かつてない実験を開始するぞと召喚者を集める。
そこで上手く丸め込み、一度送還し、再召喚する事により…とある事ない事を並べる。
再召喚は翌日と伝え、その日に解散する内容の置き手紙と共に夜逃げをする。
手紙を読むと、研究区画が爆破する仕掛けもしておいた。
幸いな事に、召喚魔術は俺がいないと不可能なので、居なくなって仕舞えばあとは大丈夫だろうという作戦。
なんとかなるだろう。
では、始める。
そう宣言し、実験(嘘)を始める。
阿鼻叫喚の召喚者達に心の中で無事に帰すだけだからと謝る。
ぴかーん!
光と共に送還された。
第一段階は成功だ。
記録を取り明日に備えよ!とそれらしい事をいう。
足早に部屋に戻り、最低限の荷造り。
真夜中に部屋から逃げだした。
・
・
・
が、あえなく捕まった。
研究者達は勤勉でほとんど起きていたみたい。
怪しげな爺を見つけて確保したのだ。
ぐるぐる巻きにされて威厳とかないの俺。
荷物を抱えていたので下手ないい訳も出来ず黙秘を続けた。
すると、囲んでいた1人が手紙を見つける。
まずいまずいまずい…
男が手紙を読み終わると、解散とはなん_
いいかけた瞬間…
ドガーン
ズゴーン
バゴーン
爆破が始まった。
なんだなんだ、逃げろ逃げろと大パニック。
今回は上手くいくかと思ったのに…
縛られたまま放置された俺。
炎上する中逃げられるはずもなく、死ぬのであった。
害虫を見るような目で見つめる女神がいた。
溜息もそこそこに、さっと転生させる素振りを見せブラックアウトした。
ダメなりに頑張ったよ?ちょっと冷た過ぎやしないか!と全力で叫んだが、届くことはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます