理解、分解、再構築で生き抜く異世界生活

@KL97

第1話ここはどこ?

 「ハァ、面倒だけど学校に行くか。」


 「それじゃあ父さん、母さん行って来ます。」


そう言って僕は返事のくる事のない2人の遺影にむかって挨拶して学校に向かった。


そして普通にいつもと同じ道を歩いていたはずなのに気が付くと何故か森の中にいた。


 「…エッ、何コレ?たしかいつもと同じ様に同じ通学路を歩いていたはずなのになんでいきなり森の中なの?」 


両親を亡くしてから何に対しても無関心だった自分が明らかに狼狽えていた。

確かに町中を歩いていたら突然森の中に移動したら誰だって狼狽えるだろう。

突然パニックになって騒ぎ出すよりはマシだろうと自分なりに平静を保とうとしていた自分自身を褒めてやりたい。


 「しかしここはどこなんだ?家の近くというか町の周りにすら森何かなかったと思うけど?」

 「もしかしてコレが小説なんかにある異世界転移とかなのか?…いや現在的に考えてそんな事あるはずがないよな?けどならココは一体?」


そんな風に色々と考えていたがもちろん答えなど出る筈もなく途方にくれていた時にふと


 「…確か小説とかではこういう時ステータスオープンとか言うとステータスが表示されるんだったよな。」


そう言った瞬時突然目の前に液晶画面の様な物が現れた。


 「イヤ、本当に出るんかい?エッ、何?じゃあココって本当に異世界なのか?エッ、これからどうすればいいんだ?」


今迄に無いほどパニックになってしまったがこれはしょうがないと思う。

そして暫くして落ち付いてきたので先程現れたステータスボード?を確認してみる事にした。


 「…ウワッ、本当に小説で読んだゲーム表示みたいになってる。」


そして自身のステータス?らしき物を確認すると


LV 1

HP       350

MP       700

攻       100

防       100

速       100

魔       300

運       30

ユニークスキル  理解分解再構築

スキル       武術  


と表示されていた


 「…ウーン、とりあえずこの数値が高いのか低いのかもわからないからなぁ?スキルの武術は多分爺ちゃんや父さんにやらされてたアレの影響かな?それにユニークスキル?ってのも気になるけどどうやって使うんだ?全部纏めて使うのかそれとも1つ1つ使うのかもわからないな。…とりあえず使ってみるか?1番無難そうなのはやっぱり 理解 か。どうすればいいんだ?口に出して 理解 って言うのかって…アア、そういう…」


理解と口にして目の前の木を見た瞬間その情報が頭に入ってきた。

それは木の構成物質、樹齢等などその木に関する全ての情報を知る事が出来た。


 「なるけど、これが 理解 か。小説によくある 鑑定 みたいなものか。いや〜やっぱり小説読んでて良かったわ。世間じゃオタクとか色々言われるから家でしか読めなかったけど小説書いてくれた作家の皆さんありがとうございました。っと、脱線しかけた次は 分解 かな。」


そうして次は足元にある石に 分解 と唱えてみたが何もおきなかった。


 「…なんで何も起こらないんだ? 理解 はちゃんと発動したのに違いは何だ?」


暫く石を手にしたまま考えていた時突然


 「…もしかして最初に考えたとおり一緒にしないと駄目なのかもな。よし、 理解 」


そうして石の情報を全て確実したあとに


 「 分解 」


そう唱えると手に持っていた石が跡形もなく無くなっていた。

文字通り完全に無になったようだ。


 「…凄いけどコレは使い方次第では結構危ない気がするな。気を付けよう。で、そのまま 再構築  」


そう唱えると手の上に先程消滅した石が元通りに戻って存在していた。


 「なるほど、やっぱりこのスキルは一緒に使う事によってもっとも効果を発揮するみたいだな

ただなんとなくだけど 再構築 はまた違う事が出来る気がするんだよな?けど今すぐは無理かなんとなくだけど魔力?とかが足りない気がするそういえばスキルを使うとMPとかが減るのかな?」


そう考えてMPをチェックすると700あったMPが100程減っていた。


 「なるほど、やはりスキルを使用するとMPを消費するみたいだな。あとは対象による違いがあるのかと個別に使用した時と一緒に使用した時の違いを調べてMPが自然に回復するのかも確かめないといけないな。…あと日本に帰れるかも調べた方がいいかもしれないけどどうせ1人だし優先順位は低いな。…それよりも今日のご飯と寝床をなんとかしないとな。」


そう呟いて僕はその場を離れた

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