第18話

ガツン!という鈍い音がして、ソルは吹き飛ばされた。

木の幹にぶつかって跳ね返り、地面の上を三回バウンドするほどの強烈な一撃だった。


ソルがツギハギとはいえ鎧を着ていなかったら、一撃で死んでいたかもしれない。


頭を打ったせいか、くらくらする。

やっとの事で目を開けると、シアリーズとジャンババンの戦いが目に入った。

すぐ近くなはずなのに、ぼーっとしてしまった、どこか遠くの出来事のように見える。

ただ、そんなソルの目にもこれだけは分かった。

シアリーズはギリギリでジャンババンの攻撃を避けているが、ソルのように攻撃を食らってしまうのも時間の問題のようだ。


「ちくしょう・・・」


ソルはふらふらの足に力を込めて立ち上がった。

よろけたところをコーザに支えられる。


「大丈夫か!?おい!」

「・・・大丈夫、じゃないけど、シアに加勢しないと・・・」

「そうだな。・・・そうだけど、ちょっと待て。ふらふらじゃないか」

「待てないだろ。このままじゃシアがやられて、俺たちも皆・・・」

「いいから。深呼吸だ。体力を回復するんだ。思い切りガツンとやり返すための体力を」


ソルはコーザのいう事を素直に聞いた。

コーザの言う通りだった。

こんなフラフラな状態でジャンババンの前に出たら、もう一撃、強烈なのを食らってお終いだ。


「・・・ふーーーっ!!ふーーーーっ!」

「・・・もう一人でもう立てるな?足に力は入るか?大丈夫みたいだな」

「じゃあ、コーザ、行ってくるわ」

「俺も手を貸すぞ。姑息な手だけど、もしかしたら、隙が作れるかもしれない」


ソルは一度だけ頷いて戦いの場へと進んだ。

コーザも迂回しながら、ジャンババンの元へと走る。

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