第24話 朱里復活祝い
俺は起きている順に話しかけた。
「これから朱里は俺の家で過ごすんだよな」
「そうやろうな」
「でも俺がしたいのは『彼女を独占』なんだよね」
「前も聞いたで それ」
「朱里と住んでも彼女を独占できるんちゃうん?」
これは俺にとって一番考えないといけない問題だった。メタい話をするとこのタイトルは
“彼女を独占しました”
であって、俺の考えも彼女—――結衣 を独占することだったから、朱里が家に来ても俺の目標は達成できるのかが心配になったりしている。
俺の相談を聞いてもらっているうちに降りる駅が次に迫ってきたので朱里と結衣を起こした。電車が駅についてドアが開いたので降り、改札を抜けると何か見たことのある顔が見えてきた。今日このパターンは2回目なのだが、今回はちゃんと生きている顔だった。
・・・
こ、この顔は、朱里のお母さんだった。
もしも朱里のお母さんにバレたらとてもややこしくなるし、あれたちが誘拐犯に仕立て上げられる可能性があるから急いで別の道から行くことにした。
すぐに朱里や順たちに事情を説明し、別の道から行ってもらう事にした。俺は一人でその母親がいる方向に歩いて行った。
すると、向こうの母親が気付いたのか
「あ、いつもお世話になっております。和泉先生」
「あ、木村さんですか。こんにちは」
「和泉先生は何してたんですか?」
「私ですか?私は彼女とデートをしてまして」
「あらーそうなんですか。いま彼女さんは?」
「用事ができたみたいなので、急いで帰っていきました。
「そうなんですかー。私はね・・・」
・・・
・・・
・・・
1時間後
「そうなんですねー ハハハ」
『ピロン』
ずっと話しているとスマホの通知がなったので、確認してみると、
『LI〇Eが1件
順
家に着いたぞ はよ帰らんかい』
と書かれていた。無事に家に着いたらしい。俺ももう話すのが疲れていたころなので、話を切り上げて帰ることにした。
家に帰るとみんなが家でテレビを見ていた。そして、冷蔵庫に入っている飲み物を出そうとして冷蔵庫を開けると、肉に卵にネギに...と、すき焼きが作れそうな具材が入っていた。自分で買った覚えもないので、順に聞いて聞いてみた。
すると、
「今日は朱里ちゃん復活祝いってゆうことやしな、贅沢でもしよや」
と言ってくれた。
「お!順 ごちそう様」
「まあ今日の俺は気前ええからな」
と、上機嫌な順がお金を払ってくれたらしい。夕食の時間までまだ時間があるので4人一緒にでゲームをすることにした。
「もっと右!あああああああ」
「もっと早く言って」
「なんで俺バックしとんねん」
「ぎゃああああああああああ」
とても楽しい時間がこの和泉家で流れていた。楽しみすぎて何時間たったのか分からないが、みんなおなかが空いてきたので、すき焼きを作ることにした。
ホットプレートを出してきて、机の真ん中に置いて具材を入れていった。そして一人ひとりに卵と卵を入れる器を持ってきた。
食べてみると案の定美味しかった。流石は高級肉で、口に入れるとすぐに口の中に溶けていくような感覚で、とてもとてもおいしかった。そして結衣も順も朱里もみんな幸せそうな顔をして食べているのを見るのが幸せで、なおさらおいしそうに見えた。
みんながすき焼きを食べ終わって数十分がたったころ、
『ピーンポーン』
とインターホンがなったので朱里に取りに行かした。すると朱里は笑顔でこっちに帰ってきて
「きょーへい先生 ウーバー〇ーツだったよ」
「開けてもいいよ」
「ほんとに!?」
そして朱里に箱を開けさせると、大きなホールケーキが入っていた。
「どうしたのこれ?」
と、朱里が聞いてくるので
「俺からのお祝い 復活したんだからな」
「ありがとう!」
皆でケーキを切って食べた。甘くておいしいケーキだった。
そこで、俺が話を切り出した。
「今日言ってたさ、約束ってなんなの?」
「ああ、それはね...」
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