第22話 朱里と一緒にショッピング
「私が認めるまでは、私の家族や学校とかに連絡や広めたりしない事」
「わ、分かったけど なんでだ?」
「死んだはずの私がみんなに見つかったらなんかややこしいでしょ?」
まあそうか。今の時点でも理解をするのに一苦労なのに朱里のご両親に言ったりしたら驚いて気を失うかもしれない。
「そうか。でもいつかは会ってあげろよ」
「まあ、いつかはね」
俺は結衣と順のところに戻らないといけないのでとりあえず朱里を連れて、ジュースをもう1本だけ買って店に戻っていった。
結衣たちのところに戻るとまず順に
「お?どうしたんや 誘拐でもしたんか?」
と言われてしまった。俺は信じてもらえるかわからなかったけど必死で説明をした。
「この子は、俺が前殺したって言った朱里だ」
「そんなわけないやろ」
「いや、本当なんだ」
「京平 本当、なの?」
「ああ、本当だとも」
やっぱり予想通りになかなか信じてもらえなかった。
身振り手振りで20分ぐらい説明した。すると、俺は興奮気味で話していたので今になって気づいたのだが周りに人が集まってきていた。多分俺が
『死んでいたはずの朱里が...』
とか、
『俺が殺したんだよ』
とか大きい声で話していたのが原因だろうとすぐに悟った。
しばらくして、結衣と順は諦めたのか
「わかったわ、京平。そこまで言うんやったら信じたるわ」
「この子も朱里って名乗っているんだし、京平が嘘をつくわけないから多分本当なんだね」
と、しぶしぶではあるが信じてくれた。そして、1つ目の約束のことを話したら結衣は
「じゃあうちの家で一緒に住んだらどう?」
と言ってくれた。それを聞いた朱里は
「本当にいいの?京平せんせーの家に住みたいと思っていたからうれしい」
と言ってくれた。もちろん本来の俺ならばすぐに断っていたのだろうが今回はいろいろと複雑なので住ましてあげることにした。
と言っても今はショッピングモールで今すぐ帰る気分ではなかったので、職質をされても逃げれない覚悟で一緒に店を回ることにした。
「朱里ちゃんやったっけ?」
「はい、そうです」
「じゃあさ、朱里ちゃん。なんか欲しいもんあったら俺に言いや~」
女の子には優しい順が朱里に話かけていた。すると朱里は
「わたし、新しいお洋服とス〇バでキャラメルフ〇ぺチーノが飲みたいです」
と言っていたので、順の服探しを強制中断し、今かごに入っている服だけお会計をすまして朱里の服を見て回ることにした。
女子中学生の好みは正直俺たちにはわからなかったので、朱里には欲しい服とかがあったらかごに入れていいと伝えて店を回ることにした。
朱里はピンクのとても短い半ズボンをかごに入れた。順が、
「朱里ちゃん、そのズボン短すぎるで。パンツ見えたらどないすんねん」
とか、ごちゃごちゃ言っていた。
20分ぐらい店を回ってかごには12個の服やズボンが入っていた。レジでお金を払い、次に本屋に向かうことにした。
本屋に入った瞬間俺はワクワクが止まらなかった。本の独特のにおいや、新刊コーナーの見たことがない新しい本、当店おすすめコーナーの個性あふれる本棚、俺が探し求めていた本を見つけた瞬間...など、この上ないぐらい楽しんだ。
そして俺は欲しかったラノベの新刊にライトノベル雑誌、そして学校関係の本など全10冊ぐらいの本を買った。電子書籍でもいいんじゃない?って思う人がいるかもしれない。ラノベや小説、本が好きではない人にはわからないだろうが電子書籍は絶対ダメなのだ。実物で読み、その実物を本棚に入れる。そして本棚にたまっていって全館揃った時の達成感がたまらないのだ。
朱里にも本を買ってあげることにした。朱里はもちろんこの状態で学校には行けないので、ニートになる朱里のために全教科の参考書を買ってあげた。しかも、中学校1~3年生に教わる内容すべてが入った本。家には教員志望絶賛暇人の結衣がいるので教える人や一緒に家にいる相手には困らなかった。
そして結衣は公立中学校教員・公務員採用試験対策用の参考書と、結衣がはまっていたライトノベルを買ってあげた。
順は本があまり好きではないらしいので、文字がいっぱい書いている本ではなく女優の写真集を3種類ぐらい買っていた。結衣も朱里も俺もドン引きだったのだが。
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