第17話 夜景デート ~天王寺~
家に帰るとすぐに結衣の元へ行き、今日あった出来事をすべて話した。
「・・・ってことがあったんだ」
「そうなんだ」
「どうしよかな」
「どうしようも、信じてもらえたのなら別にいいんじゃない?」
確かに結衣の言うことも一理ある。警察側も学校側も朱里のご両親もみんな俺の話を信じている様子だった。今更どうしようもない状況だったので、結衣の言っていることに納得をした。
ここで、今日の話が終わってしまった。
しばらくすると、俺が今日一日大変な目にあって疲れていることに気づいたのか、
「今日さ、夜景デートいかない?」
と、誘われた。気分をリフレッシュしたかったので、俺は
午後6時半を回ったころ、俺と結衣は家を出発して、大阪市の
電車に乗ると少し人がいっぱいで混雑していたので席に座ることが出来なかった。電車に揺られながら結衣のことを
『チョン チョン』
と、ちょっかいをかけていた。すると結衣も俺にちょっかいを出したりして遊んでいた。そんな時だった。天王寺に向かう途中の駅で、警察官に声を掛けられ結衣と一緒に電車を降りて鉄道警察隊と駅の事務室に向かうことになった。そこに58歳ぐらいのいかにも大阪のおばちゃんっという感じの人もついてきて、俺を指さしながら、
「その人痴漢やで」
と言っていた。そのおばちゃんも順と話し方が似ていて大阪弁のイントネーションが濃い人だった。俺は、
「えっとー、どういうことですか?」
と聞き返した。するとおばちゃんは
「そこのべっぴんさん(大阪で美人を指す言葉)がそこのにーちゃんに痴漢されてたんやー」
と、駅員さんや鉄道警察隊の人に話していた。
俺は急いで弁明をしようとして、
「違います」
「違います」
そう、違いますっといった。のだが、結衣も一緒に言っていてハモった。するとおばちゃんは
「そんな訳あるかいなー」
と、かたくなに俺を痴漢の犯人に仕立て上げようとしていた。
「じゃあそこのお2人さんは、どういうことか説明してもらってもいいかな?」
と鉄道警察隊のおまわりさんが言うので俺から説明をした。
「こっちの人は俺の彼女で、結衣って言うんですけど一緒に天王寺に夜景を見に行こうかなって思ってたんですよ」
「うんうん」
「そして地下鉄の車内で結衣にちょっかいをかけて遊んでいたらこうなってしまったんです」
「お嬢ちゃん、間違いないかな?」
警察官が結衣にも聞く。結衣ももちろん
「はい、その通りです」
と言って、一件落着
・・・
かと思ったのにおばちゃんが納得をしていない様子で、
「あんたら若いもんが何を適当なことを言ってんの!私はあんたらよりも年上やねんで!」
と少し怒っている様子だった。警察官も困っていたらしく、俺たちは痴漢をしていないと認められて解放されたのでがおばちゃんには詳しく話を聞くために署までご同行してもらう ってことで警察署に向かっていった。
俺らは改めて地下鉄に乗り、無事天王寺に着くことができた。ビルにのぼって夜景を見るのも悪くはないが、先にいろんなお店を回ることにした。
天王寺には全国展開しているアニメのグッズが売っている店があるのでそこに行くことにした。大阪の日本橋にも同じ店があるのだが、天王寺のアニメのお店にもいくことにした。まず、俺はラノベにはまっているということもあって自分が読んでいるラノベの続きと、今月の新刊と書かれていたラノベを買うことにした。そして動画投稿サイトのキャラクターグッズもアニメのお店とコラボをしていたのでそれもついでに買うことにした。
次に、ケーキバイキングのお店に入ることにした。結衣とずっと前から行きたいと言っていたのでやっと夢がかなってよかった。ケーキのほかにもアイスクリームやスパゲッティー、サンドイッチなど、さまざまな食べ物が食べ放題だったので、思う存分食べた。
多分1時間半くらい店にいたのだろう、おなかがいっぱいになってきてもうそろそろ時間がなくなってきたのでケーキバイキングのお店を出て夜景を見るために天王寺のとても高層なビルに向かった。展望台の料金を支払い、一緒にエレベータで上に上がっていくと、とてもきれいな景色が見えはじめた。
下の方を見ると動物園や通天閣が見え、明石海峡大橋や神戸空港も見えた。別の方向を見ると、大阪市の隣にある堺市の市役所・堺市役所高層館も見えたり、富田林市という市にあるPLの塔も見え始めた。気になる人は調べてほしいが、ここ天王寺から距離が離れていても見えるものがいっぱいあったのでとてもきれいで楽しめた。
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