第8話 誘拐事件証拠隠滅計画
朱里を誘拐してから2日目、俺は本格的に誘拐事件の証拠を隠滅する計画を立てることにした。
そもそも、この事件を無かったことにするというのは100%無理な話だ。現実的に、警察にある情報を消すことは出来ないし、ニュースで報道されているという事実もある。だから、証拠隠滅をするにあたって警察から逃げることも視野に入れないといけない。
まず、結衣に関しては特に考えなくてもいい。だから朱里の始末の仕方だ。朱里をずっと閉じ込めておくのも作戦の一つだ。だが、彼女を独占という自分の中の目標が消えるとともに、警察が家に来た時に中を見られるとバレる恐れがある。“誘拐をしていない”という言い訳をしても、自分の生徒が家にいることは規則違反だし、誘拐事件になっている被害者が家にいるなんてほぼ確定で逮捕だ。
だから、少し心が痛いと感じるが殺すことにした。自分でもリスクを背負っているのはわかっているし、捕まればどうなるのかもわかっている。でも結衣と2人で暮らすため、結衣を独占するために必要なことだ。
次に殺す方法だ。包丁で刺してもいい。しかし、包丁の処分方法が難しい。単純にゴミ箱に捨てればいいって思う人がいるかもしれないが、案外バレるっていう書き込みを見たことがあった。そこで、ドラマで見たことがあった『ドラム缶に朱里を入れ、コンクリートを流し込んでそれを海に捨てる』という方法をすることにした。そうすれば処分には困らないし、ロマンを感じるほどだった。
予め断っとくがおれは殺すのが趣味とかそういう訳じゃないからな。あくまでも、結衣と俺のため だからな。
そして最後に決行の日を決める。正直いつでもいいが、出来るだけ早い方がいいと考えたので、明日学校が終わってから殺し、その日のうちに海に捨てに行くことにした。ちなみに海に捨てるって言っても近所じゃない。俺は大阪に住んでいるが、京都の舞鶴(日本海)に捨てることにした。近所に捨てると見つかる恐れがある。また、見つかった時に犯人解明が早くなるかもしれない。最後に、日本海側の海はよく荒れる事がある。その時に沖の方に流されるだろう。そういう考え方だった。
明日が楽しみだな......
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