第4話 結衣の監禁生活

 日が出て来た頃、目が覚めた。朝の5時半ごろだった。

 昨日の深夜に彼女の結衣を監禁した。まだ結衣は眠っているのか、気づいている様子はない。今の間に朝食を作り、カギのしまった部屋へ持って入る。

 それから30分ぐらい経った頃、結衣が起きたみたいだった。

 『ドンドンドンドンドン』

 「京平、開けて! ドアが、ドアが開かないよ」

 「無理だよ結衣。外は危ないだろ?」

 「何言ってんの?京平」

 相当焦っているらしく、息が切れ気味で話している。

 「落ち着いて話してくれ」

 「なんで、私は裸なの?そして、なんでドアが開かないの」

 「お前を守るためだよ」

 「待って意味わかんない」

 なんで結衣はこんなに怒っているというか、慌てふためいているんだろう?俺に裸を見られたからってことか?とにかく怒っている理由が全く分からなかった。

 「だから、お前は水族館でナンパをされたり、家の外に出たらいっぱい敵がいるだろ?だからお前を守るためにやってるんだよ」

 「とりあえずそこに置いている飯は朝ご飯と昼ご飯だ。それじゃあ俺は学校に行くから」

 そう言って家から出てきた。一応マンションに住んでいるからあいつに暴れられて通報されたら終わるんだが、流石に心配しすぎだよな。

 そうこうしているうちに学校についた。今日は2年7組の担任が休みなので、ホームルームなんかは俺がした。

 「それじゃあ今日は担任の先生がいないので、自習にします。自由にしていいぞ」

 そういうと、クラスの雰囲気は一気に明るくなり、わちゃわちゃしだした、俺もこういう雰囲気が好きだから全然なんとも思わなかった。その途中、1人の生徒が俺のところに来た。朱里ちゃんだった。

 「せんせー、彼女さんとどう?」

 俺がカフェで告白しているのを見られたので、朱里ちゃんは彼女がいることを知っていた。彼女のことを聞かれているらしいが...本当のことを言うわけにもいかない。監禁しているのだから。だから俺はこう言った。

 「ああ、あいつは家で寝ているんじゃないかな?教員採用試験落ちたのがストレスらしいから。」

 俺も今の結衣が何をしているのかが盛大に気になっていた。監禁をしているから、遊びに行けるわけもないし、スマホを没収したから娯楽があるわけでもない。勉強をしているか、、、警察がいるってことは、まさかな。

 「へえ~! 彼女も学校の先生になりたいんだ」

 「まああいつとは大学で知り合ったんだしな。」

 俺は数学の先生で、あの頃は理系科目が大好きだったので大学の時の学部は理学部卒。結衣は社会の先生になりたいらしく、法律にも興味があったみたいで法学部卒。

 「そうなんだ~ 仲良くしているの?」

 「もちろん!に何でもしているよ」

 「先生の彼女と会いたいな」

 朱里は女の子だから別に合わしてあげてもいい。だが、監禁をしているところなんか見られたらたまったもんじゃないからもちろん断っておいた。

 学校の時間が終わって家に帰ってきた。家に入ると閉ざされた部屋から結衣は話しかけてきた。

 「ねえ、京平。そろそろ開けてくれない?」

 「どうしてだ?」

 「トイレに行きたいよ」

 そういえばこの部屋にトイレはないし、昨日の深夜から行っていないことになる。

 そこで、誰でも百円ショップなんかで見たことがあるだろう、簡易トイレ複数個を小さな窓から入れてあげた。窓は3cm×3cm ぐらいの大きさなので、これがあっても脱出することは出来ない。

 部屋から出たいのが目的だったのだろうか、あまり喜ばなかった。そしてなんといっても退屈そうだったので、俺が家にいる間は部屋から出してあげることにした。念のため服は没収のまま、そして俺と同伴でも家の外には出さないことにした。俺が家にいないときは暇だろうから、欲しいものは買ってあげることにした。いや俺優しすぎるだろ(笑)。

 そして結衣とゲームをした。結衣もゲームがやりたかったらしく、このゲームにオンライン機能はないので部屋に持って行ってあげた。

 もうすぐ寝よう、そう思って結衣を部屋に入れて鍵を閉めた時だった。

 『ピーンポーン』

 誰かがやってきた。

 『ピーンポーン』

 「すみませーん、警察です」


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 『ピーンポーン』

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