きゃー! リリアンさんのえっちぃ! ……今更でしたね ※乙喜実視点
『お風呂が沸きました』
お、ちゃんと音声オフで端末に通知だけ届くようにできるね。
確認もできたし、タイミングもバッチリ。あとはリリアンさんを帰すだけ。
「それじゃあ失礼しまして」
「あ、お、おい待て!」
当方待ちとうござりませぬお許しくだされシュババッ。
リリアンさんはどうやら考えながらとかだと行動が鈍るみたい。捕まる可能性も考えたけど案外あっさり脱衣所までこれちゃった。
このままさっさと服脱いじゃお。
「よいしょ……よいしょ……」
「スンスン……。ウム、脱ぐと一段と嗅ぎやすい」
「んぎゃわおっ!?」
変な声出ちゃった!
「な、なんっ。ななな、な! な!」
なんでここにいるんすか!? さっきまでアワアワしてたのにっ! このドスケベさん!
「ん? おいキミ! 話は終わってないぞ!」
「〜〜〜〜〜〜っ!」
だから話はないんですよこっちは! って、あれ!? よく見たらなんでリリアンさんまで全裸なんですか!? あんな背中だけかっぴらいてるだけのドレスっぽい着付けの面倒そうな服なのに!
「まぁ良い。逃げたのは良い。こうして追い詰めたことだしな」
追い詰めた言うてますやん……。ダメですやん仲良くする気ない単語ですやん……。
……ん? あれ? ここに追い詰めた? で、お互い全裸? え、それって……。
「い、一緒に入るおつもりで?」
「あぁ、使い方もよくわからんしな」
「…………」
ひ、一通り説明したんだけどなぁ……。ご理解できませんでしたかそうですか。
「そも、風呂などたくさん入るものでもあるまい? 血族の中でも血の気の多いのはそれなりに入るが数十年に一度が普通だぞ。入るにしても人畜生に任せるのがほとんどだ。特別多く、またお一人で入られるお姉様という例外がいるにしてもな。ちなみに私は生まれてこの方入ったことはない」
「…………」
スケールが違ぇや。
でもやっぱり生物としての違いっていうのでしょうかね。結構近くにいても臭ったことは一度もないのはビックリ。
もしかしたら頻繁に肉体が吹っ飛んでるからかもだけど。
「でも一緒に入るのはちょっと……」
私はご奉仕とかしたことないですし……。ご実家の慣れてる方々にしてもらったほうがいいんじゃないかなー? 的な言い訳しようと思ったのに。
「貴様がこの手のことをしたことがないのはわかっている。だから無礼を働いても許そう。キミだから特別にな」
「…………」
要約すると良いからやれってことですね。はい。私わかってるんです。諦めなきゃいけないこともあるって。この数時間で嫌というほど。
だから私は奴隷の如くお風呂の時間を捧げてご奉仕しなければいけないのです。
ちくせう。
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