第3話

 マジシャンズマスターのケント。ホーリーナイトのゆかり、俺からすれば、この二人は真の仲間といえる。




 クエストが始まり、俺はその準備をはじめる。

 ヘビーモスが現れる場所に罠を仕掛けて、その先にはケントを配置する。得意とする爆発系の魔法で攻撃してもらう。はじめから全開だ。

 次に、縁には足止めの結界を張ってもらい、ヘビーモスの足を止めてもらっている隙に俺がこの大剣で切りつける、という作成だ。



「これでよし、後はヘビーモスがやって来るのを待つだけだな」


『よろしくお願いします』


『足止めはまかせといて』





 しばらくすると、詳細通りの山が現れる、かなり離れたこの場所でも分かる。

 ゆっくりと動く足が止まったと思えば、罠が発動したと、知らせが入る。巨大な槍がヘビーモスの足に刺さっているとの報告。



「よっしゃ!」


『先制、いきます』



 ケントの声と同時に長い鞭のような爆発がヘビーモスの体を覆った。雄叫びをあげるヘビーモス。



「ナイス、ケント!」


『足止め、参ります』



 大きな魔方陣がヘビーモスの足元に現れる、進もうとする足に絡み付き、体をくねらせて嫌がるヘビーモス。



『お願いします、リーダー』


「よっしゃ!」


『う、うわぁああ!!』



 切り込もうとあらかじめ持っていた移動札を使い奴に飛び込もうとした瞬間、ケントの叫び声が聞こえる。



「どうした!?」


『ヤ、ヤバいっス、こ、こいつ、な、な、なんかモンスター出してきた!』


「何? すぐ行く!」



 移動札の行き先をケントのいる場所に変更し、高くかざして使う。



 一瞬でケントのいる場所の上空に到着する、そこにはミニヘビーモスと言えるような俺達と同じくらいの大きさのヘビーモスがケントに群がっていた。



「はー!」



 魔法で対抗しているが、数に押し負けて、今にも潰されそうになっていた。間一髪俺の剣が、ケントの背中を刺そうとしたミニヘビーモスを一刀両断する。



『た、助かりました!』


「まだ来るぞっ! 次っ!」



 回転するように大剣を振り回し、モンスターを爆風と共に一掃する、だが、こいつらは無限と言ってもいいようにヘビーモスの背中から湧いて出てくる。



「何だよこいつら、持ちそうか?」



 ケントと背中合わせでお互いの死角を隠す、懐からマジックポイントポーション札を手渡す。



『ありがとうございます、なんとかします!』



『キャアァァアァ』



 縁の叫び声だ、



「次は何だ!!」



 俺は更に札を使い、一瞬で縁の場所に移動する、そこには魔方陣が割れて、踏み潰されそうになっているのを必死で魔方で防ぐ彼女がいた。


「ぐ」


「くっそがあ!!」



 縁を潰している足を一気に切る、魔法札を使った大剣は炎に巻かれながら大きな足を切断した。



「ぐおぉおぉぉぉおおお!」



 雄叫びと共に山のようなモンスターは崩れ落ちる、



『助かりました!』



「っしゃ! これから総攻撃だ!」



『はい!』



 




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