第48話~エピローグ~

柴がグループに入ってから、五年が経った。

あの時の楽しかった毎日は今でも覚えている。

柴の人気は常に急上昇しているような感じで

イベント、ライブにCD、グッズ販売と

活動範囲を広げ続けている。

「本当、凄いな」

あの時よりさらに手が届かなくなってきて、

それに比例するように寂しさが増していった。

思い出に浸っていると、近くを女子高生たちが

横切っていった。

確か、柴と出会ったのはあの子たちと

同い年ぐらいだっただろうか。

「柴くんのグッズだ」

もうそんなに人気になったのか、

柴の知名度はもう木苺の王子様を超えていても

おかしくない。

「橘音、だよね?」

不意に、聞き覚えのある声が聞こえる。

「柴くん?」

覚えていてくれていたんだ。

嬉しくて息が止まる。

「おかえり」

「ただいま」

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兎の神様と出会いました 宙月 霙 @Mizore_Sora

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