第8話

真っ先にこの神社に来たくせにじっくりここを周ったことはない、

ちょっとした冒険感覚で楽しんでみよう。

この神社は映画に出ても問題ないほど

風情のある場所だ。

木々が生い茂っているが、ジメジメしてる感じはなく

程よい日光が差し込み、緑の葉がキラキラと輝いている。

葉の形は紅葉だろうか、きっと秋になったら紅葉が綺麗だろう。

この≪綺麗≫と感じることも心理学が関係するのだろうか、

また後で調べてみよう。

さらに深く散策してみようと思ったが、

あることを見つけて、神社を出た。

あの時の少年がいた。

「さっきの兎の人?」

「兎の人って、まあ、そうだよ。君は、兎につまずいてた人だよね」

「うっ、それは言わないでよ」

あの嫌な記憶が蘇ってきた、

兎が軽くトラウマだ。

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