第5話

「ただいまです」

「お帰りなさい、、

あなたは誰でしたっけ」

「えっと、草林 きつねです」

「草林さんって私と同じみおじね」

「はい、そうですね」

「私は草林このみです」

「はい、よろしくお願いします。このみさん」

母は私の名前を覚えていない、

認知症というものらしい。

病気は三年前から発症していて、

どんどん、私の事を忘れていった。

この会話も最近は毎日している。

「では、私の部屋へ行きますね」

「はい、行ってらっしゃい」

頭を冷やさないとダメだった。

もう限界が近づいている。

兄も母の病気で辛くなっていった、

だから、捨てていくように家を出た。

「さ、勉強勉強」

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