第2話

退屈な学校の時間のあとは、

いつも大急ぎで帰る。

決して何か予定が立て込んでいる訳ではない、

一刻も早く家に帰って、心理学に触れていたいだけだ。

私の好きな物は心理学、

それ以外は何一つない。

今も、考えていたらとにかく早く勉強したくなった。

もう体がうずうずする。

とにかく早く帰らなくては、

「わあっ」

何も見えていなくて、フワフワの何かに足が引っかかった。

靴の上からでもぬいぐるみではないことが何となくわかったので、

絶対に踏まないように体をひねると、

変な体制で転んでしまった。

自分の犠牲のおかげでフワフワをつぶさなくて済んだが、

とにかく痛い。

「大丈夫?凄い転び方したけど」

まだ痛む体を起こすと、明るい髪色の少年がいた。

私と同い年ぐらいの見た目で、

綺麗な顔立ちだ、

イケメンというよりも美少年という言葉が似合う。

少年に気を取られていて気づかなかったが、

兎がじぃっと見ている。

兎に指を噛まれた思い出が蘇ってきて、

その瞬間、体が飛び跳ねた。

「ひゃっ」


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