兎の神様と出会いました

宙月 霙

第1話

「橘音、橘音、何読んでるの」

木ノ葉はいつものように私に笑いかける、

木ノ葉は私が一番邪魔されたくない時に限って話しかけてくる。

それ以外は話しかけてこないのだが、

みんなの中心にいつもいる木ノ葉には、

私のような孤立したがる人の気持ちには気づけないらしい。

「心理学、だけど」

「凄いじゃん」

心理学を勉強しているだけで凄いなんてどんな原理なのだろうか。

理解するのは別として、

勉強するだけならみんなできるのに。

これだから、木ノ葉の相手をするだけで少し疲れる。

価値観が違すぎる。

「はぁ、」

「どうしたの」

何よりも経ち悪いのが、

木ノ葉は悪い事をしていないというところだ。

どちらかというとそっけなさすぎる私のほうが悪い。

「なんでもないよ」

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