ライラとライル(現状確認)
サティ「きいぃっ!いくらライル先生が相手でも、ライラ様をとられるなんて、我慢できませんわ!」
タリア「でも、わたしたちの推測に過ぎないから…」
タニア「実際のところ、どうなのかな…?」
ミシア「これはもう、直接聞いてみるしかない…!」
タニア「えっ?」
タリア「お姉さま?!」
ミシアは、ずかずかとライルのところに歩いていった。
ミシア「ライル先生!」
ライル先生「やあ、ミシア。そういえば、以前海水浴に行ったんだってね。楽しかったかい?」
ミシア「あ、うん。楽しかったよ!恩人の冒険者にも会えたし!」
ライル先生「そうかい、それは良かったねぇ。僕も海水浴に行きたかったなぁ」
ミシア「ブッブー!!あれは家族旅行として行ったんですぅ!ライル先生は家族じゃありませーん!」
いきなりミシアは胸の前で両腕を交差させ、×印を作った。
ライル先生「え?!いやまぁ、それはそうだけど。別に家族旅行として行きたかったと言ってるわけじゃなくて…」
ミシア「それは、ライラさんと2人きりで行きたかったってこと?!」
ライル先生「え?!…いやいや、それはそのう…」
ライルはしどろもどろになりながら、否定しようとしているのか肯定しようとしているのか、いまいちはっきりしない。
ライルにライラとの結婚のことを聞くはずが、ミシアの中で何かが吹き飛んだ。
ミシア「うがー!!ライラさんが欲しくば、甘いはちみつ亭四天王を倒していくがいい!」
両腕を上げて、クマが威嚇するような姿勢をとる。
サティ「どうして急にそうなるのよ?!」
ライル先生「えぇ?!四天王ってなんだい?!」
タニア「なにそれ?!」
タリア「わたしも聞いたことないよ」
ミシア「えーっとね。今言うから数えてね」
ライル先生「あ、うん」
何かを挙げながら数えるとき、普通なら自分で指を折り曲げながら数えるが、ミシアは指が不器用なので、1本ずつ曲げるということが上手く出来ない。(頑張れば出来るし、全部の指を同時に曲げたり開いたりすることは出来る)
そこで、何かを数えるときは他の人に指を折り曲げてもらうのがミシアのやり方だった。
ライルはそのことをよく知っていた。
ミシア「まずボクでしょ、タニアでしょ、タリアでしょ、それから…ライラさん!」
ライラ「あらあら~うふふ」
サティ「なんでライラ様を守る四天王にライラ様が入ってるのよ!?そういうのはわたくしを入れなさいよ!」
サティがミシアの頭に背後からチョップを喰らわせた。
ミシア「あ痛!いや、サティは甘いはちみつ亭の人間じゃないし」
サティ「いつもお店を手伝ってあげてるでしょ?!あなた達が海水浴に行っている間、誰が店の面倒を見ていたと思ってるの?!」
ミシア「あ、うん。あのときはありがとね。お土産買ってきたじゃん!」
サティ「ええ、ありがとう。…って、そういう話をしてたんじゃないでしょう?!」
ライル先生「君たちは、いつも元気だねぇ」
ぎゃーぎゃー騒ぐミシア達を、微笑ましく眺めるライルだった。
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