第2話




姉「ねえ、妹」


妹「んー?」


姉「二人で一緒にやるよりも、手分けしてやった方が効率良いんじゃないかな」


妹「わたしの背じゃ、高いとこむり」


姉「なーるほど」


妹「ねーちゃっておっきいよねー」


姉「身長高めなママンとパパンのおかげ」


妹「たしかに」


姉「おばあちゃんもおっきいし、そういう家系なのかも」


妹「じゃあわたしもおっきくなるかなー」


姉「クラスでは大きいほうなの?」


妹「ううん、まんなかくらい!」


姉「そっかそっか。私はいつも一番後ろだったなー」


妹「ねーちゃ、いまなんせんち?」


姉「んーと、168くらい? あ、いや、もっとあるかも……もーちょいあるな、多分」


妹「ほへー」


姉「でかくてもあんまり良いことないよ」


妹「どーして?」


姉「いろんなところで男っぽいとか言われるしー」


妹「うん」


姉「スポーツそれほど得意でもないのにやらされるしー」


妹「おー」


姉「勝手にへんなイメージ持たれたりとか……、まあこれはそんなに身長関係ないけどね」


妹「へー」


姉「うん」


妹「……じゃあ、わたし決めた!」


姉「ん?」


妹「わたしはねーちゃよりおっきくなります!」


姉「今の話聞いてた?」


妹「うん!」


姉「そーかそーか。まだまだこんなちびっこなのになー」


妹「牛乳のむ」


姉「嫌いなのに?」


妹「がんばる」


姉「私は好きだから飲んでるだけだよ?」


妹「……」チラッ


姉「お、なんか失礼なこと考えてる顔だ」


妹「かんがえてないよ」ジトー


姉「ならその視線やめれ」


妹「ねーちゃのこと見上げてるだけだよー」


姉「ほーん、じゃあ目線を合わせてあげよう」


妹「……」


姉「……」


妹「……」ソローリ


姉「なぜ下に行くのだ」


妹「……しぜんのせつり?」


姉「うそつけー」ヒョイッ


妹「わわっ、ねーちゃ持ち上げないでー!」


姉「ほーれ、たかいたかーい」


妹「こわいこわい」ビクビク


姉「おー? おっきくなるんじゃなかったのかー?」


妹「ねーちゃの持ち上げかたがへたっぴなの!」


姉「それはいなめない」


妹「かたぐるまをごしょもういたしまする」


姉「ほいほーい」


妹「おほほーい」ニコニコ


姉「あ、ついでに高いとこ掃除しちゃおっか。これモフモフ~」


妹「もふもふー」モフモフ


姉「そこホコリ溜まってない?」


妹「たまってる」


姉「ママンのサボりがバレた」


妹「おかーさんはいそがしーからね」


姉「うむ、すごい」


妹「きゃりあうーまん」


姉「じゃあ掃いちゃってください」


妹「くださーい」ササッ


姉「うがっ!? 目にホコリが!」


妹「え? どーしたの?」ササササッ


姉「へたっぴは妹じゃんか!」ケホケホ


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