第19話 やっぱりお子様には夢のある話を読んで欲しいと思った件(創作)


 ずいぶん前に書いた児童向け小説「さがし屋の卵と猫のブローチ」を、つばさ文庫小説賞に応募したことで気づけたことがある。

 それを、忘れないうちに書いておこうと思う。


 取り下げる前に誰か読んでくれないかなという邪な気持ちで応募した結果、二次選考まで行けたものだから、びっくりして読み返したら、気づいてしまった────。(あ、三次選考は突破ならず~でした💦)


「うわぁ、暗いなこの話」


 久しぶりに読んだせいか、暗さが際立っていた。

 ざっくりと言うと、「主人公たち小学生の関係が、落とし物をきっかけとする事件にかかわることで変化する」という内容の小説。


 何と言っても、落とし物に関わる大人たちの事情が暗~い(^▽^;)

 小学生同士の確執も暗いのだけど、ここに大人の事情「人生って辛いことあるよね」みたいな事件をチョイスしたのは良くなかった。


 大人(中学生以上)が読むならいいけど、児童向きじゃなかった。

 もちろんハッピーエンドではあるのだけど……。



 二つ目の気づきは、二次選考突破を祝って下さったカクヨム作家さんのコメントがきっかけだった。

 その方は私の拙い物語にいつも温かいコメントを下さる方で、この時も「書籍化したら子供に読ませたい」とまで言って下さったのに、それを見た私は「お子様にこの暗い話を読ませるのは……」と思ってしまったのだ。


 子供向けに書いたはずの物語なのに、この話を読んで子供たちが面白いと思うだろうかという疑問を、自分自身が持ってしまったのだ。


(やっぱり、お子様には夢のある物語を読んで欲しい!)


 困難を乗り越え、弱かった自分が強くなる。

 意地悪な子が、あることをきっかけに優しくなる。

 物語には変化が必要。変化こそが物語なのだ。


 そう思ってずっと物語を書いてきたし、今でもそう思っているけれど、年齢層によって相応しい困難ってものがあるよなって、改めて思うことが出来た。

 この一か月かかって、じわじわと気づけたことだけど、きっかけをくれた「つばさ文庫」と「コメントをくれた作者様」には感謝してもしきれない。


 今後、もし私が児童向け小説を書くとしたら、困難がありながらも夢のある冒険物語を書いてみたいなぁ(*´∀`*)


 そう思っていたら、実は最近、もう一つ学んだ。

 カクヨムで、すこしずつ読ませて頂いている鬼姫さま三人の恋を描いた作品(了解を取ってないから作品名は載せませんが、とにかく凄い物語なんです!)

 この作者様は、生きる上で感じるどうしようもない鬱憤や理不尽というものを描いているのだけど、現代もので書いたらリアル過ぎて辛い。だからファンタジーで書いている。そんな感じのことを近況ノートに書かれていた。


 それを読んで、私は「なるほど」と思った。

 少し遠い世界で描かれた困難ならば、比較的やさしく受け取ってもらえるのかも知れない。



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