アルターテイルズ ver.2.00
――ダイブイン・アルターテイルズ
ダイブコネクトを起動してアルターテイルズにログインした俺は、最後にログアウトしたはじまりの街からの再開となった。
因みにゲーム開始時、ログインする途中でアップデートで変更された点を確認するかという項目が表示されたのだが取り敢えず後で確認する事にした。自分に必要そうなところを後で抜粋して確認したほうが色々分かりやすいし覚えやすいからな。
因みに最初だいぶ汚れているなぁと思ったはじまりの街の外壁などは少しは綺麗になっているようだ。まぁ、ここはあくまで辺境の地という設定だから、あれくらい汚れてるのが普通っていう意見も多かったらしいが、流石にリアル過ぎたので綺麗にしたということらしい。まぁ、綺麗な分には悪いことはないだろう。あの街の人たちならこれくらい綺麗にはしてそうだし。
その他の街の様子としては、他には特に変化は無さそうだ。まぁ景観的に不満があった場所らへんはその点くらいだろうしな。
俺がログインしたことでゼファーとミュア、そしてレンタル中のカリュア以外の従魔たちは俺と一緒にこの広場に現れる。流石にグレイは小さくなって現れた。元の体格だとかなりデカいからな。
とはいえ、グレイの『スターライズウルフ』という種族は今のところ俺くらいしか契約している従魔士は居ないので、その外見はたとえ小さくてもかなり目立つ。それこそあのイベントを見てたプレイヤーなら気付くかもしれないな。
実際、さっきからチラチラこちらを見るプレイヤーらしき姿が見えるが、あの時の俺は初期装備だったから姿に違和感を持つものが多そうだ。
取り敢えず、ゼファーとミュアの両人は鉱山の村の異種族孤児院にお世話になっている様だったので、取り敢えずそっちの方に向かうことにした。
幸いにも早くログイン可能になったから裁判が行われる午後一時まではそれなりに時間はあるわけだし、その間に今回のメンテナンスとアップデートで変わったところを色々調べてみることにしよう。
その後、異種族孤児院に到着した俺たちは再度子供たちの歓待を受けることとなったのだが、今回はグレイだけでなくミッドナイトオウルのノクターンやエスケープゴートのコルヌも居るのだから、興味は完全にもふもふに移っていった。まぁ、元から俺に興味のあるような子供は居なかったんだけどな……。
ほんの数日間の別れみたいになったケイリスと挨拶を済ませてから、ミュアたちと合流する。
「1日ぶりですね、ユークさん。調子はいかがですか?」
「おう、ミュア。なんていうか、変な感じだな。ほんの一日しか離れてないけど、結構感覚が違うような気がする。いい意味でな」
その感覚のズレはメンテナンスでの調整であり、前よりもスムーズに『動きたい』という思考にアバターが付いてきてくれるような、そんな感じとなっていた。より自分の体を動かしているというのがはっきり分かるような感じだ。
「そうですか……私の場合はずっと居るのでよく分かりませんが、来訪者の方はおそらく神々の恩恵を受けたのでしょうね」
神々の恩恵、か。この世界でいうとあの精霊王とかもその神々の一柱だったりするんだったかな。
それらの神々がこのアルターテイルズの世界であるフロンティアの秩序を見守っているらしい。
本来なら発生しない筈のゲーム内イベントが形を変えて発生したりするのも、そういう神々の仕業らしいんだが、それは昨日朝菜からそれとなく伝えられただけなので詳しい事は分からない。もしかしたら、精霊王イベントとかもボスの強さを考慮すると本来ならあのタイミングでは発生しなかったのかもしれないな。
まぁ、取り敢えず神々と呼ばれている存在がこのゲームのルールを決めていると覚えておけば問題は無いだろう。因みに神々の情報についてはチュートリアルで触れられているらしい。
「さてと。取り敢えず、アップデートとかで変更や追加された内容を確認してみるか」
そうしてようやく俺は今回のメンテナンスとアップデートで何がどう変更になったのかを確認する事にした。まぁ、量が相当なので全部読めるかどうかは定かではないが。
ミュアやゼファーも覗き込むように後ろに来たので、どうやらこの項目はNPC辺りにも見えるのかもしれない。もしくは従魔限定かな。ケイリスが特に反応してないからそっちが正しいのかもしれない。
「ん。一応、自分と関係のある項目を簡単にフィルタリングしてくれるのか。それじゃあそれをチェックして……っと」
そうして表示された内容を簡単に黙読していく。フィルタリングされるとはいえ、ある程度大きな改修については表示されるらしい。
チュートリアルの改修点などは特に問題はないだろう。希望するプレイヤーはメニューの図鑑の項目からチュートリアル内容を再確認可能という点が追加されたくらいだ。後はそのチュートリアル内にのみ出現したこの世界の世界観を教えてくれるNPCが常時現れるようになったくらいだな。
また、そのチュートリアルの改修に合わせてアチーブメントとミッションの項目がメニューに追加されることとなった。これはある程度ゲームの道標となるものを導入するという方向で追加となったようだ。
アチーブメントはチュートリアルや新規に実行した行動などで経験値アイテムなどを得られるというもので、ミッションは新規に実装された機能を開放する際に必要となる行動を記したミニイベントのようなもの、ということらしい。
現時点のミッションは、経験値アイテムやステータスオーブなどの今回のアップデートで新規に実装されたアイテムを入手するためのチュートリアルミッションが実装されているようだ。俺も後で確認してみよう。
他にも性能面での改修点などは多数あったが、特にバグ関連のものや調整程度のものなので軽く読み飛ばしておく。流石に数値を数%程変更した、なんて項目は覚えようにも覚えられない。まぁ、ガッツリ攻略する人とか効率勢とかはしっかり覚えるかもしれないが、俺はそこまででもないので流し見だ。
話題に上がってた『強力杖殴り』の名前についてだが、これに関しては『
アビリティ関連では一部のアビリティ効果やスキル効果に変更が加えられている。
例えば【強襲】については『アサルトアタック』の習得の他に通常時で死角からの攻撃に1.5倍の補正が付くようになった。その代わり、『アサルトアタック』の効果は死角からの攻撃に1.2倍の補正が付くものに変更になり、また低確率の即死効果が付与されるというものに変更となった。この即死効果は【致命の一撃】と違って一戦闘中に一回という制限にかからないので、暗殺系のジョブでなくても即死効果が使いやすくなったと言えるだろう。
因みにその【致命の一撃】は効果の発動が戦闘開始から30秒後と指定されるようになったが、即死効果の発動が極低確率から中確率に引き上げとなった。
因みにこの即死効果を初めとした状態異常系の攻撃は、従来は耐性装備を装備するくらいしか対策が無かったのだが、これからはそれらを無装備でも相手のMINとDEXの合算である『抵抗値』がそれらの状態異常系効果に設定されている数値よりも高いと
この制限は暗殺系のスキルを無制限に使える
他には『テイミング』などの特定の技能アビリティの成功率の引き上げとかだな。この点は前に修正予定の時に確認したとおりだ。因みに生産技能の大成功の確率も少し上がったらしい。
また、今まで習得破棄したら再習得ができなかった初期習得アビリティに関して、再習得が可能となった。これに関しては神殿でお金を支払うことで思い出させてもらうことができるらしい。俺は一つも破棄させてないから特に関係はないが、色々再評価されているアビリティがあるので、それらを再習得したいと思っていたプレイヤーには渡りに船といった感じだろう。
ただ、今まで効果不明とされていたアビリティには簡単な説明が付与されるようになっており、例のランダムアビリティの【黒龍の印】の説明文には『伝説の黒龍が与えた印。特定のイベントで効果が発揮される』と記載されていた。
「特定のイベント……か。竜人族関係って記載されてないし、人間族の俺でもワンチャンあるかもしれないな」
さて、次はジョブ関係の改修・新機能だな。どうやら結構面白そうな機能が追加されてるみたいだな!
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