隠しクエスト

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 シークレットクエスト『精霊姫の救出』


 古代遺跡の調査中、転移してしまった調査員を救出せよ。


・場所:鉱山の遺跡

・制限時間:残り28時間


※フルパーティー推奨。

※帯同者1名。

※精霊を連れていく必要がある。


・成功条件:制限時間までに調査員を救出。

・失敗条件:時間切れ、調査員ならびに帯同者の死亡。


・成功報酬:???、120000FG(パーティー配分)


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 内容はさっきまでの話をかなり簡略化したものになっている。調査員がどうなっているのかは流石に分からなさそうだ。


 それと制限時間が思ったよりは長かったが、それでも早く助けるに越したことはない。


 やはりというか、フルパーティー推奨だったので俺だけではやはり厳しかったようだ。帯同者1名はケイルのことだ。そして、精霊を連れて行く必要があるので、ゼファーも必要だろう。


 ここで簡単にパーティーについて説明すると、まずパーティーの枠は最大で6人であり、基本的にその枠に入れるのはプレイヤーだけである。


 特別な例としては、ギルドなどで護衛を依頼した際に着いてきてくれるNPCや、護衛イベントなどで護衛対象となるNPC、そして今回のようなイベントに帯同するNPCなどがあるが、いずれもパーティーのメンバーには入るが枠は消費しないため、実質的に7人以上のパーティーになる。


 そして俺のように従魔や使役モンスターを連れているプレイヤーがパーティーを組んだ場合、3人までのパーティーなら3体まで、それ以上は2体まで連れて行くことができる。勿論、複数体連れ歩くことができるのは特定のジョブに就いている場合で、通常は1体のみとなる。


 それならば全員が従魔士とかだとどうなるのかといえば、パーティー全体では6体までが上限となるため、その場合は1体ずつしか連れていくことはできない


 まぁ、ただでさえ不遇職と言われている従魔士が6人も寄ることになるのはほぼ無いだろうがな。


 因みにソロの場合だと、同時に連れて行くことができる使役モンスターの数は基本的にはどのプレイヤーも1体までとなっているが、従魔士系ジョブなら3体まで連れ歩くことができる。


 さらに、従魔士の場合はジョブレベル8で習得するジョブアビリティ【連れ歩き数+】で一緒に連れて行ける従魔の数が増える。レベルがあるアビリティなので、そのレベルの数だけ連れて行ける数が増えていく形だ。


 まぁ、まだゼファーしか従魔がいないので関係のない話だが。


 なお、テイムできるモンスターの数自体は制限はない。連れていけないモンスターは庭付きのホームがあればそこに待機するらしく、またホームがない場合は次のエリアにある使役獣ギルドというギルドで預かってくれるらしい。


 ギルドで預かってるモンスターは何れかのギルドで手続きをすれば、そこから転送・交換してもらえるらしい。どこぞのモンスターを育てたり集めたりするゲームのような仕様だった。


 ……かなり話が脱線してしまったが、今回はフルパーティーを組んでもゼファーは連れて行くことができるので条件は大丈夫だろう。


 問題はメンバーだが、そこはレンに相談してみよう。βテスターの集まりであるフライ・ハイのメンバーの力を借りられればありがたい。


 リーサは流石に連れて行くのは危ないか? しかし、ここで置いてきぼりにしてしまったら尚の事面倒なことになりそうだ。まぁ、そこもレンやリーサに直接話をしよう。


 成功条件と失敗条件については、ここに書かれていることが全てなので割愛する。失敗だけはしたくないな。


 最後に成功報酬だが、一部がハテナの状態になって隠されている。おそらく成功時の状況で変化するのだろう。そして、パーティーで山分けになるがお金が貰える。6人フルパーティーだと、一人頭20000FGだ。レンたちの懐事情がどういうものかは分からないが、まだあの宝石とかを換金できなかった俺からしたら、願ってもない現金だった。


 取り敢えず、どうするかはレンやリーサたちと合流してからになりそうだな。二人にはフレンドチャットでクエストの情報を送る。レンにはフライ・ハイのメンツとの仲介も頼む。


 イベントで正式にクエストを受託したためか、マップ上に異種族孤児院の情報が載っていたので、来ようと思えば今度は迷わずに来れそうだ。


 クエストの確認等が終わったら、ケイルは先程までとは違う大型の弓を持ち出していて、それを背中にかついでから歩き出す。……子供たちいるけど、そういうの出して大丈夫なのか?


「取り敢えず、俺は先に鉱山ダンジョンに向かっておくから、お前はちゃんと準備しておけよ?」

「あぁ、よろしく頼むなケイル」


 俺がそう言うと、背を向けたままヒラヒラと掌を振るケイル。そのまま孤児院から出ていった。


 さて、俺も準備しなきゃいけないからそろそろここを出ようかと思っているのだが……。


「な、なぁー、相棒ぅー、たーすーけーてーくーれぇぇー……」


 ふと子供たちの方を見るともみくちゃにされているゼファーの姿があった。


 完全に子供たちの玩具状態になっていたので、子供たちに断ってから回収した。かなりぐったりしていたので、何か後で焼き串をあげよう。




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(7/11)ソロで連れ歩くことができるモンスターの数を通常プレイヤー1体・従魔士系3体に変更しました。その前のパーティーのものも、従魔士系以外は一人1体までしか連れ歩くことはできないように変更しました。

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