掲示板で確かめる

 何故こんなことになっているのか。それを調べるためにメニュー画面からBBSの項目を選択する。


 そこにはゲーム内外から書き込むことができる掲示板のようなもので、雑談や攻略情報など、アルターテイルズに関わることであればどんな話題でも書き込むことができるようなものだった。


 俺はその中から、草原エリアについて書いていそうなスレッドを探し出す。


「あった、これだ」


 ――――――――――――――――――


【兎狩り】第一エリア・草原エリア情報スレ Part3【争奪戦】

・ここは第一エリアの草原エリアについての情報を交換するスレッドになります。はじまりの街や森林エリアについてはスレチになるので、該当スレで質問してください。

※公式管理スレッドです。迷惑行為はお控えください。


 〜〜〜〜〜〜〜〜


112:名無しの来訪者

 何か草原エリア、めっちゃ混んでるけど


113:名無しの来訪者

 >>112 それな。めっちゃ眺めいいって聞いてたのに人しか見えねぇ(笑)


114:名無しの剣士

 どうやら初心者のレベル上げで混雑してるみたいね。


115:名無しの弓士

 モンスターのリポップにプレイヤーの数が合わないからめっちゃ争奪戦なってるwww


116:名無しの来訪者

 >>114 >>115 確かにファーストロットが最大で1400人だから、仮にそれの半分でも700人か。ただでさえ開けてるエリアなのに、それだけ入ったら目に見える範囲全部狩り尽くしてもおかしくはない……のか?


117:名無しの重剣士

 こちらβテスターwww 混む前にレベリング終わってマジラッキーwww ちなジョブ選択ミスった


118:名無しの双剣士

 >>117 ドンマイ


119:名無しの傭兵

 >>117 ハッハ、ドンマイw


120:名無しの重剣士

 >>118 >>119 うっせ、お前ら! クラス3が哀れんでんじゃねぇ!(´;ω;`)

 ……まぁ、取り敢えず俺はいつか目標のクラスになるために、全く混んでない森林エリアでレベリングするからよぉ……待っておけよ……


121:名無しの剣士

 >>120 スレチです。


122:名無しの重剣士

 (´;ω;`)


123:名無しの弓士

 まぁ、森林エリアの入口ぐらいなら初心者でもいけるだろうから、取り敢えず草原エリアが混んでて無理な奴は、無理しない程度に挑んでみるといい。


124:名無しの双剣士

 まぁ、入口までだな。先に行くとかなりレベルが上がるから


125:名無しの騎士

 ……初心者向けスレでも立てたほうが良さそうかなコレ


126:名無しの魔術士

 >>125 言い出しっぺの法則だから、宜しくね


   ・

   ・

   ・


 ――――――――――――――――――


 どうやら草原エリアが混んでいるのは、俺のようなファーストロットプレイヤーがレベリングをするために押し寄せているから、というのが原因だったようだ。


 まぁ確かにあれだけの人数ならモンスターの数も足りなくなるだろう。とはいえ、モンスターの数を増やしてしまったら、いざプレイヤーが減ったあとがモンスターだらけで大変なことになりそうだ。


 このゲームでは、戦闘中のプレイヤーが救援要請を出して、それを助ける方のプレイヤーが受理しないと、助ける方のプレイヤーは別のプレイヤーやパーティーが戦闘しているモンスターに攻撃することができない。いわゆるトレインやモンスターの横取りを阻止するための仕様なのだが、それが今回の争奪戦みたいな騒動に発展してしまっていた。


 先に攻撃したほうが戦闘フェイズに移行するため、誰が先に攻撃するかで揉めているところも多々あるようだ。


 流石にこの中に足を踏み込んで、争奪戦の仲間入りする勇気は俺にはない。


「取り敢えずさっきの掲示板にあった森林エリアに行ってみるか……」


 森林エリアは推奨レベルがこの草原エリアよりも確か高かった筈だ。因みに草原エリアの入口付近は推奨レベル3となっている。


 そこまで深い場所に行かなければある程度のレベルで止まるはずなので、取り敢えず浅めの場所で戦うことにしよう。テイミングスキルも使わなくてはいけないし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る