第45話 壊れた元最強の学生
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
まえがき
参考までに、現時点での強さランキング(作者調べ)
ネタバレになることは書いてません。そのランクの中で左に行くほど強いです。
いつか全部書きます。
みんな強さランキング好きだよね! 三英傑や、トール、白蓮なんかは秘密
SSS 覚醒剣也
SS 現役ジーク、聖騎士長(上位)
S 前の世界の剣也、引退ジーク、聖騎士長(中堅)、ジン(聖騎士長新参)
A 上級聖騎士、 現時点レイナ、中堅聖騎士
B 聖騎士、入学時レイナ、第一章終了時かぐや
C 一般騎士
D 見習い、入学時かぐや
いつかコメントでも書きましたが、私の考えは
「一般兵<ゲーマー達<死を乗り越えた兵士」
です。
命を懸けることが上達の上で最強だと思っているので。
もちろん、現実では命を懸けてゲームする人もいるかもですが…
じゃあ死を乗り越えたゲーマーは?
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「はぁ?」
その戦いを見ていたものは全員口を開き声にならない何かが漏れる。
ただ一人レイナだけが当然です! という顔で誇らしげ。
「偶然? 偶然だよな!?」
「1000回ぐらいやれば俺だってジンに…」
「お前それ本気でいってんの? 無理だろ。何回やろうと俺達じゃ」
チャラ男三人衆が、何か特別な理由をつけようと必死に考える。
考えるが、ジンという存在を知っているからこそラッキーなどありえないと脳が否定する。
「なんと…なんと!! ジーク! お前のせがれはどうなっとるんじゃ!!」
酔いも冷めて立ち上がり、興奮するスター大佐。
彼も引退したとはいえ、元聖騎士。
相応の実力はあるし、今では観戦の毎日で目は肥えている。
そのスターの目をもってしても異常な結果。
「これは、ははは!! なんということだ! ジンが、あのジンが手も足も出ず負けよったぞ!」
「当然です。お兄ちゃんは世界最強ですから」
「あぁ、すごいぞ。ソード君は学生のレベルを遥かに超えておる、いやそれを言うならジンも同様だが。全く底が知れん! 戦争を経験していない聖騎士長とはいえだぞ! これは…」
テンションが高くなって饒舌になるスター。
優等生のリールベルトも、公爵のゾイドもその戦いにいまだ口をパクパクさせている。
そして剣也がシュミレーターから降りてきた。
ジンは今だ立ち上がれない。
「ありえない……、私は聖騎士長だぞ……そんな…ありえない……ふふふ」
ぶつぶつとシュミレーターの操縦席でつぶやくジン。
壊れてしまったように笑いだす。
するとスター大佐を含め全員が剣也によって来る。
「ソード! なんだ、なんだ! 説明してくれ! なんだあの強さは!」
全員がその強さの説明を求める。
事前にジークと一緒に考えておいた言い訳を始める剣也。
「パパと幼い頃からめちゃくちゃ厳しく練習しましたから! それはもう殺される勢いで!」
「ほう! それならば納得だ。ジークは最強レベルじゃったからな、今じゃ腕も落ちただろうが君も英才教育を受けていたのか!」
「ずりー!! 俺も聖騎士長が親がよかったーー!!」
「俺の親平民だしな……」
その剣也の言い訳を聞いて納得する。
聖騎士長の親から英才教育をうけたなら自分達が理解できない強さを持っていても不思議じゃないと。
凄い凄いと持ち上げられる剣也。
すると後ろから肩を掴まれる。
「ソード君でよかったね……」
「ジンさん…」
「はぁ、はぁ。もう一回。もう一回やろう。ねぇ? ちょっとだけ。ちょっとだけだから。はぁはぁ」
息を荒くするジン。
それほど疲弊したのかと一瞬思ったが少し違う。
頬が赤く、めちゃくちゃ興奮しているようにすら見えた。
「最高だった、最高だったよ。君は。これほどボコボコに……もっとだ。もっと私をボコボコにしてくれ。はぁはぁ」
「え?」
自分を超える剣也という存在に壊れたジン。
いや、本来はこれが素なのかもしれない。、
同じ世代に負けたことのないジンは、剣也にボコボコにされて覚醒する。
「この久しく忘れていた敗北感! た、たまらない! 私はもっと強くなれる!」
ドMとして。
「ちょっと気持ち悪いです。ジンさん」
べたべたと剣也を触るジン。
彼もKOGジャンキー、KOGに生きて、KOGで死ぬ。
そんな彼の生きる目標であり、最大の意味のKOG。
それで自分を軽く飛び越えた存在の剣也に崇拝という名の好意を寄せる。
「ジンってあんなキャラだったんだ……」
「クールキャラだと思ってたのに、変態のテンション高い系キャラか」
ジンの壊れっぷりにその場にいる全員が若干引いた。
「あ、じゃあお兄ちゃん。私も久しぶりに戦ってほしいです」
「じゃ、じゃあ俺もいいっすか?」
レイナや、チャラ男達が剣也と戦いたいとお願いしてくる。
ジンもしつこいし、剣也としては今の感覚を忘れたくないので願ってもない。
そして剣也相手の模擬戦が始まった。
「ありえねーーー!! 一発も当たる気がしないし、一瞬で死ぬ!!」
「くっ。また強く。また離されてしまいました」
「はぁはぁ、ソード様。なんて素晴らしい技術。はぁぁーーん!!」
剣也がジンをボコボコにするたびにどんどん壊れていく。
しまいには、様と言い出したジンに若干引きながらそれでも全員と模擬戦を繰り返す。
全戦全勝、今の剣也に敵はなし。
しばらく戦っていたが、昼食まで出前を頼んだようでシュミレーター室で夕方ほどまで戦った。
「いやーー凄いのを見せてもらった! 眼福眼福! ジークは良い息子を持ったな」
スター大佐が満足げにお酒を飲み干す。
剣也の戦いは彼の観戦欲を満たしに満たした。
「ふぅ、すまない。取り乱したよ。ソード様。失礼、ソード! とても有意義な時間だった。ありがとう。これからもよろしく頼む」
取り繕ったようにジンが平静を保ち握手を求める。
「いえ、俺も勉強になりましたから」
大人の対応をする剣也はにっこり笑って返す。
(はぁぁーーん!!って言ってたのに今更取り繕ってももう無理だぞ)
でも内心では、若干引いている。
壊れてしまったが強靭な精神力で耐えきって元に戻るジン。
でもその痴態はしっかり剣也の目に記憶されている、剣也の中でジンの評価は変態として定着した。
「さて、ソード、レイナの実力も見れたしこれで今日は終わっておくか。これから緊急皇室放送が入っておるからな」
スター大佐が撤収の指示を出す。
どうも今からアースガルズ中に緊急放送の予定が入っていて全員視聴しなければならないそうだ。
そして全員が撤収を始めた、その時だった。
「やぁ、ここでやっていたんだね、もう終わったのかな、観戦したかったのに残念だ」
直後全員が膝をつく。
その人物の登場に、最大限の礼儀を尽くす。
「無事入学できたようだね、我が騎士、ソード・シルフィード」
ただ一人忠義など誓っていない少年を除いて。
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