えっちなファンタジー小説で主人公から女を奪おうとする悪役ヤリチン貴族に転生した俺、まっとうに生きようとしてるのに、主人公から女をことごとく奪ってしまう。なんで!?
14.魔法決闘《フェーデ》、そしてまたもヒロイン寝取る
14.魔法決闘《フェーデ》、そしてまたもヒロイン寝取る
俺は本編キャラのハーマイアと
俺たちがいるのは魔法魔術学園の校庭。
「
原作で何度も見た行事なので、俺はこくんとうなずく。
一方で近くで見ていたロイが手を上げる。
「あのぉ……魔法決闘ってなんですか?」
ロイを含めて、ちらほらと知らない奴らがいるみたいだ。
先生がうなずいて解説を行う。
「魔法使いの伝統的な決闘方法だ。決闘が始まるとそこは特殊な異空間となる。そこでのダメージは現実に一切還元されない」
「だ、ダメージが還元って……なんですか?」
「剣で切られようが魔法で焼かれようが、決闘が終わればノーダメージということだ」
魔法決闘は設定だと神の儀式とされている。
決闘好きな神様を喜ばせるかわりに、決闘中は死なない、そしてダメージを受けても痛みを感じない体を手に入れるのだ。
しかし魔法決闘と、現実でのケンカには一つだけ、明確な違いがある。
「違い、ですか?」
「そうだ。魔法決闘は神の前で行われる神聖なる儀式。決闘前に交わした【誓約】は絶対に遵守される」
つまり戦う前に交わした約束は絶対に履行されるってことだ。
「わたくしが勝ったら真実を口にして謝罪すること!」
ハーマイアは俺が魔道具を用いてインチキしていると言ってきかないのだ。
不正をただして、自分の正当性を保ちたいらしい。
「真実も何も事実なんだけど……」
しかし魔法決闘か。気が進まない。
正直目立ちたくないしな。
まあ別に負けても問題ない。
適当にやって適当に謝罪してもうかかわらないようにしよう……。
「ちゃっちゃとやろうぜ」
「お待ちになって。あなたが勝った場合の条件を述べてないですの」
「いや、別にそんなのいらないし……」
「それでは決闘になりませんわ。そうですね……負けたらアナタの奴隷にでもなりますわ!」
どれ……ええ……。
い、いらねえ……。
いや、待てよ。
奴隷ってことは、服従の魔法をかけずとも、相手に言うことを聞かせられるってことだよな。
つまり俺に関わるなって言えば、二度と関わってこないだろう。
うん。がんばろう。
「いいぜ。それでやろう」
「では……」
「ああ……」
俺とアーシリアは互いに近づく。
お互いに杖を、まるで剣のように合わせる。
これは決闘前の儀式みたいなもんだ。
俺たちは互いにきびすを返して一定の距離を取る。
「「
その瞬間、光の結界が展開する。
この結界内部では人が死なない。
一時的に不死の体を手に入れる。
また、中での攻撃は外の人間には絶対に当たらない。
空間が外とは断絶させられてるのだ。
「いきますわよ!」
ハーマイアが呪文を詠唱し出す。
「我が右手に……」
「遅い」
俺は
「なっ!? はや……」
俺は
杖がビームサーベルへと変化。
そのまま斜めにハーマイアの体を切る。
「くっ……!」
ぱっ、とゲームのダメージエフェクトのようなものが発生する。
このエリア内では死ぬことは決して無い。
このようにゲーム的に処理されるのである。
「なんて……早さですの。それにこの鋭い攻撃は……」
「魔法決闘で良かったな。現実だったら胴体真っ二つだ」
魔法決闘にはライフポイントが存在する。
互いに4000。
攻撃を与えればポイントが減っていく。
0になったら負け。
ほんと、ゲーム的だよなこういうところ。
魔力刀による一撃は2000近くライフを削った。
「…………」
アーシリアの表情が冷静になる。
一撃のダメージの大きさを見て、俺を驚異と判定したのだろう。
「本気でいかせてもらいますわ」
彼女が懐からクリスタルを取り出す。
「【
クリスタルが砕け散ると同時に魔法陣が展開。
そこに出てきたのは赤い体を持つ巨大なトカゲだ。
「
火蜥蜴がアーシリアを守るように立つ。
「あ、あんなのありなんですかぁ!?」
ロイがアーシリアの出した
「ありだ。魔法決闘の場に持ち込んだものは何でも使える」
巨大なトカゲが体をのけぞらせると、俺のめがけて炎を吐き出す。
身体強化した俺はそれを軽々と避けることができる。
……が、接近しようとすると火蜥蜴がガード。
「【
中級の火属性魔法をアーシリアが放ってきた。
着弾と同時にはげしい爆発を起こす。
先生が訳知り顔でうなずく。
「従魔が前で、魔法使いが後ろで強い魔法を放つ。これが魔法戦闘における基本だ。アーシリアは基本をよく理解してる。みんなも彼女をお手本にするように」
魔法決闘なら人が死なないから先生も授業の一環としてやってるのだろう。
さて、と。
「もうおしまいです? わたくしの火蜥蜴とのコンビネーションを前に、手も足も出ない様子ですが」
「いや、別に。ただ試していただけだ」
「試していた……?」
「魔法決闘で何ができるのか、できないのかをな」
なにせ魔法決闘なんて、原作としての知識はあれど、実際に体を使ってやったことがない。
魔法決闘において、人間に対して禁術は使えない。
【
それらは発動させることができない。というか使おうと思ってもキャンセルされる。
だが裏を返せば。
人間に対してじゃなければ、禁術は使える。
「【
びくんっ、と火蜥蜴が体を硬直させる。
【
「な、なにをしてるのです! 敵を討ちなさい!」
「無駄だよ」
俺は
射程まで近づいて火蜥蜴に杖を向ける。
「【
その瞬間、火蜥蜴がその場に崩れ落ちた。
「なっ……!? そんなありえませんわ! レベル30の火蜥蜴ですわよ!?」
守るものがなくなって、完全にアーシリアは追い詰められる。
俺は杖先をアーシリアに向ける。
「…………」
アーシリアが実に悔しそうな表情になる。
彼女は頭が良いから理解してるのだろう。
自分が魔法を放つより早く、俺がアーシリアのライフをゼロにできることを。
「……あなた、最初から本気じゃなかったのですわね」
弱々しく彼女がつぶやく。
「最初の一撃でライフを半分近く飛ばせた。あのまま二撃目を打ち込めば勝てた。でもそうしなかった。できなかったのではなく」
「まあな。手は抜いてないよ」
今後も同じような決闘があるかもだから、なれておきたかったのだ。
「わかってますわ……痛感させられましたもの。あなたの素晴らしい身体強化の魔法も、そして……禁術も」
【
だが通常では発動できない。術者の命を使って相手に死をもたらす。それが【
「負けで良いよな」
「はい、【
その瞬間決闘フィールドが解除される。
魔法決闘は俺の勝利となった。
「す、すげえ……」
俺たちのバトルを見ていた生徒が呆然とつぶやく。
「学年主席に勝っちまった……」
「マルコイが……?」
「嘘だろ……」
ああ、悪目立ちしてる……。
だがまあ、いい。
これでメインキャラであるハーマイアとは関わらない権利が手に入ったからな。
「…………」
決闘に負けた彼女がうつむいて立っている。
決闘の前に交わした誓約は絶対だ。
つまり今、彼女は俺の奴隷となったわけだ。
「じゃあハーマイア。おまえに命令する……」
近づいてきて、ガシッ、と手をつかんできた。
「好き♡」
「ふぁ……!?」
え、なに!?
なになになんなの!?
いきなり好きって!
「わたくし、ずっと探しておりましたの。わたくしよりも強い殿方を……♡」
目に♡を浮かべてハーマイアがしなだれかかってくる。
「ちょっ!? え、どういうこと!?」
「わたくしの家が没落したことはご存じですわね?」
「あ、ああ……だから復興を頑張ってるんだ
ろう?」
「ええ。ですが、家の再興にはわたくしの努力ももちろんですが、強い子供を生むことも必須」
「強い子供……ってまさか!」
目をとろんとさせて、彼女が媚びるような声音で言う。
「どうかわたくしに、子種をくださいまし♡ ……あなたの性奴隷である、このわたくしに♡」
性奴隷ぃいいいいいいいいいいい!?
「い、いやいや! 負けたら奴隷って」
「性奴隷も奴隷の一種ですわ♡ ああ、マルコイ様……♡」
……こうして、決闘に勝ったせいで、性奴隷が手に入ったのだった。
どうしてこうなるんだよ!
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