剣と魔法の異世界で、魔法ナシ槍の腕前だけでのし上がる主人公ハラダ。その圧倒的な強さは、読んでいて痛快になること間違い無しです。
さて、このハラダ。転生前の世界では、生涯独身を貫いた齢70の老武士でした。それが、転生と同時に眉目秀麗な若かりし頃の姿を取り戻すわけですが、心はあくまで齢70。どんなに周囲から褒められ持ち上げられようと、常に謙虚で、硬派。幾人もの女性に思いを寄せられるも、色恋沙汰とは無縁と思い込むハラダは全く気が付きません。
個人的には、女性に対してデレデレしない主人公というのは、読んでいてとても気持ち良いと感じました。
第三部があるなら、是非とも読ませていただきたいです!
かつての日本。無念のなか切腹した武士が異世界に転生(転移に近いかも?)し、不思議な妖魔(魔物)に襲われて…というところから物語が始まります。
この作品、異世界ファンタジーにも関わらず、どこか“和”を感じます。
冒険者、ギルド、カタカナ人名…間違いなく異世界なのに、日本人に馴染み深い“和”が感じられる。
ある種の違和感とも言えますが、それが逆に「異世界」を際立たせてくれて心地よい。
そういう意味で、“武人”な主人公と世界人との掛け合いはこの作品の大きな魅力の1つです。
描写も丁寧で戦闘・日常共に情景が目に浮かぶよう。
個人的には主人公・原田の武器が槍というところも、渋いな! となりました。ちょくちょく出てくる神様が今後どのように物語に絡むのかも、気になるところです。
異世界での和洋折衷とでも言いましょうか。他にない独特な世界観は一見の価値ありです!