第48話 因縁の相手1(改訂版)

 警察から逢神おうがみたけるの携帯に連絡がある

 「赤頭圭子あかがしらけいこの逮捕に協力してほしい。」

 「逮捕ですか、殺すのも難しいですよ。」

 「しかし、彼女は殺人の容疑者だ、何とし

  ても逮捕したい。」

 「彼女は鬼です、それも強力な力を持って

  います。」

 「何とかお願いできないだろうか。」

 「分かりました、両手足を切り落として

  引き渡します。」

 「分かった、お願いします。」

警察は譲歩する。

 捜査本部は再び、圭子の居場所を把握するため、街の防犯カメラを確認するなど捜査を進める。

 捜査員は路地裏などに血だまりなど痕跡がないか探し回る。

 本部は少しずつ圭子の居場所を探していく。

 圭子は街で一人暮らしの男を捕まえ、その男が住んでいたマンションをねぐらにしている。

 すでに住人はいない、圭子はまた男を拾ってくることを考えている。

 たけるは鈴鹿すずかと週に1回の情報番組のオカルト相談コーナーのためにテレビ局に来ている。

 控室には、いつものように美鈴みすずがいる。

 鈴鹿はお菓子と美鈴が差し入れた饅頭をあさっている。

 たけるが美鈴に言う

 「警察から赤頭圭子の逮捕に協力するよう

  に依頼がありました。」

 「警察の手には負えないからのう。」

 「殺さずに捕まえるそうです。」

 「おぬしがやるのか。」

 「はいそうです。」

 「やめておけ、最初から殺すつもりで

  なければ勝てんぞ。」

 「分かりますが・・・」

 「甘いのう、構わず殺してしまえ。」

たけるは返事をしない

 「たけるは私が守ります。」

鈴鹿が口をはさむ

 「決めるのはおぬしじゃ、おぬしの命だか

  らのう。」

美鈴は話を打ち切る。

 オカルト相談コーナーが始まる

 たけるが座り、その横には美鈴が座るが距離が近い。

 たけるは言う

 「相談者の方、お話をどうぞ。」

相談者は、すりガラスの向こうでボイスチェンジャーを通した声で話す

 「あなたは1か月以内に死ぬかもしれま

  せん。」

 「私がですか。」

 「そうです。」

 「あの相談があるのではないのですか。」

 「今日は警告に来ました、気を付けてくだ

  さい。」

そういうと相談者は立ち去る。

 たけるは心の中で、このコーナーは、ほとんどまともな相談者来ないなとつぶやく。

 オカルト相談コーナーが終わり、フロアディレクターの清水えりなはいう

 「おかしいですよ、今回心霊現象の相談

  だったはずなんです。」

 「預言者ですよね、相談者はどうしたん

  です。」

 「それが見当たらないのよ。」

えりなも意表をつかれたらしい。

 美鈴が言う

 「狐にばかされたかのう。」

 「美鈴様が言いますか。」

えりなは困りながら言う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る