第30話 鬼神様2(改訂版)

 週に1回のオカルト相談コーナーの日である。

 フロアディレクターの清水えりなが言う

 「今回は鬼がらみの相談よ。」

 「前回のように刀持ってませんよね。」

 「刃傷沙汰にんじょうざたは避けて欲しいのう。」

たけると美鈴みすずが言う

 「女子高生ですから。」

えりなは断言するが何の保証もない。

 たけるが座り、その横に美鈴が当然のように座る

 「相談者の方どうぞ。」

たけるが慣れた調子で言う。

 すりガラスの向こうに相談者が座る。

 ボイスチェンジャーを通した声で話す

 「鬼神様を殺してください。」

 「鬼神様とは何ですか。」

 「私たちの町では昔、鬼神様に生贄を

  ささげていました。」

 「昔のことですね。」

 「はい、それが無理やり姉が生贄に

  されてしまったんです。」

たけるには聞き覚えがある、ニュースでやっていた鬼無きなし町の事件が思い当たる

 「鬼無町のことですか。」

 「はい。」

 「分かりました、あなたの町へ行って

  鬼神様について調べましょう。」

たけると鈴鹿は鬼無町へ行くことになる、当然カメラマンもついて来る。

 たけるたちは町に着くとビジネスホテルに宿をとる。

 そして、相談者の家に行くがマスコミに囲まれており、話を聞ける状態ではない。

 仕方なく、贄の岩屋へ行くことは警察により立入禁止にされている。

 気配を探るが鬼の気配はない。

 鈴鹿も気配を感じないようだ。

 ホテルに戻ると依頼人から電話がある。

 そして、依頼人がホテルに説明に来ることになる。

 たけるは町の人に鬼神様について聞いて回る。

 しかし、住人は鬼神様のことになると黙り込んでしまう。

 依頼人がホテルに来る。

 たけるは鬼神様について聞く

 「鬼神様のことは伝承にありました、昔、

  この町では生贄をささげていたんで

  す。」

 「どのようにしていたんですか。」

 「白羽の矢が立った家の娘を生贄に出しま

  す、贄の岩屋の前に鎖につないで鬼神様

  の生贄に差し出すんです。」

 「それは昔のことなんですね。」

 「はい、しかし1ヶ月前に私の家に白羽の

  矢が立ちました。」

 「そしてみんなは信じたのですか。」

 「いいえ、誰も信じませんでした、すると

  10日後町民が1人惨殺されました。」

 「それだけですか。」

 「さらに10日後また、町民が1人惨殺さ

  れて、町の人が暴れ出して、姉をさらっ

  て生贄にしてしまったのです。」

 「お姉さんは殺されてしまったんです

  か。」

 「分かりません、死体が出てきていません

  ので。」

 「あなたは姉が死んでいると思っているの

  ですか。」

 「贄の岩屋の前は血の海だったと言います

  し、生きているとは・・・」

 「分かりました、次にどこかの家に白羽の

  矢が立つ時が勝負ですね。」

依頼人は家に帰って行く。

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