第29話 鬼神様1(改訂版)

 その村では、昔、生贄をささげていた。

 白羽の矢が立つとその家の娘を贄の岩屋の前に鎖でつなぎ、鬼神様の生贄にするのだ。

 今、その村は鬼無きなし町になっている。

 その町に異変が起きる、1軒の家に白羽の矢が立つ。

 人々は昔の伝承を思い出すが今の時代に何をと無視する。

 10日後、町の人間が1人惨殺される。

 手足を引きちぎられ内臓が食べられている無残な姿である。

 人々は鬼神様の仕業でないかと噂する。

 白羽の矢が立つた家には姉妹がいる。

 事件が起きてからは、その家の家族は家から出られなくなる。

 嫌がらせの電話や家に張り紙がされたりするのだ。

 今は警察官が立ち24時間警戒している。

 再び10日後、町の人間が1人惨殺される。

 前回と同様の有様である。

 町民が暴徒と化す、白羽の矢が立った家を襲撃したのである。

 警戒に当たっていた警察官も一緒に襲われる。

 姉が贄の岩屋へ連れさらわれる

 「辞めて、なんで私が生贄なの。」

姉の抗議の声は誰にも届かない。

 姉は岩屋の前に鎖でつながれる。

 十数人の暴徒たちがその場に残り、座って鬼神様を待つ。

 そこには着物の女性が現れる。

 暴徒たちは天女かと思うが、刀を持ち頭には2本の角が生えている。

 鬼女は無言で刀を抜くと1人の暴徒の首をはねる

 「鬼神様お待ちください、私たちは生贄を

  ささげに来たのです。」

暴徒たちは弁明する

 「うつけものが。」

鬼女は怒り、暴徒たちを切り殺していく。

 暴徒たちを始末すると鬼女は生贄にささげられた姉に手をかける

 「いやあぁぁー」

贄の岩屋に叫び声が響くが誰も聞くものはいない。

 鬼女は姉の腹を裂き生きたまま内臓を食らう。

 生贄が苦しむさまを楽しんでいるのだ。

 そして、生贄が死ぬと体に齧りつき、脳をすすり全て食べてしまう。

 町では警官隊の応援が到着し、贄の岩屋へ向かう。

 到着した時には、贄の岩屋の前は血の海が広がり、暴徒の切り刻まれた死体がある。

 しかし、生贄にされた姉の姿はどこにもない。

 妹はテレビ局に電話をかける。

 オカルト相談コーナーに出て逢神たけるに鬼神を切ってもらうためだ。

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