無名の大山倍達
捜索から発見、捕獲までは、発覚から一日で終了した。児童公園の隅でうずくまっているホッキョクグマが発見され、ほぼ無抵抗のまま警官によって捕獲されたのだ。最悪の事態も想定していた警官たちは、ホッキョクグマのあまりのおとなしさに拍子抜けしたという。
騒ぎになったのは、その後であった。捕獲されたホッキョクグマの顎や脇腹など、数か所に打撲痕があったのだ。しかもその痕は、明らかに人間の拳や足のものであった。これは何者かがホッキョクグマに徒手空拳で立ち向かい、あろうことか拳や蹴りを数発食らわせたということを意味している。
「無名の
そんな新聞記事が全国に出回った。ホッキョクグマに立ち向かい打撃を加えた名も知れぬ強者の正体を、日本全国誰もが求めた。
「めいちゃん! 何だかすごいことになってるよ!」
比奈によってそのことを知らされためいは、「面倒くさそうだから、誰にも言わないで」と頼んでおいた。
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