第9話内村社長
「松平さん、お仕事は何をなさっているんですか?」
淳子が興味深々で聞いてきた
亮は一介のサラリーマンが
この若さで五島物産の社長と
銀座で席を同じにしている事を
変に思われないようにした。
「あはは、ママに聞いてください」
と言ってその場を取り繕った
「社長、松平さんって?」
雅美が聞くと内村は笑った
「それは秘密だ、あはは」
「ああ、気になる」
「決しておっさんずラブじゃないぞ」
雅美甘えて内村の腕を掴んだ
「僕はこれで失礼します」
亮は気まずくなって内村に言った
「おお、そうか、じゃあ明日な」
「あっ、もう帰るの?」
美也子が亮に声をかけた
「はい」
亮は立ち上がり出口に
歩きながら美也子に囁いた。
「あの二人ちょっとおかしいから
注意してくれますか?」
「ん?どうして」
「僕の媚薬に反応しなかった」
「まさか」
「はい、変です」
「わかったわ」
「後で連絡します」
「うん、じゃあね」
亮が店の外にでると
森から「連絡乞う」のメールが来ていた
亮はすぐに森に電話をかけた
「亮です」
「うん、調べがついたよ」
「では明日10時に大手町のOホテルでいかがですか?」
「OK」
「森さんに他に調べてほしい事が出来たので」
「わかった」
亮は新橋に向いながら
自分の周りで何かが動いている事感じていた。
「加奈さん、團です」
「あっ・・・團さん」
「お元気ですか?」
「はい、お陰で週末美宝堂で
アルバイトさせていただいています」
「突然で申し訳ありませんが、来週の土曜日
軽井沢でテニスをやりませんか?」
「でも・・・」
「アルバイトの方は僕の方から
休めるようにしておきます。
どうしても紹介したい人がいるので」
「わかりました。どうしたら」
「金曜日の夜に渋谷に来てください。
軽井沢に行ってホテルに泊まって土曜日の朝から
テニスをします」
「わかりました」
~~~~~~~
21時過ぎに池袋の東口を歩く三島の電話が鳴った
三島はみんなから離れて電話を
していると大橋がみんなに声をかけた
「では二次会にカラオケ行きましょう」
「すみません、私家に帰らないと」
三島が言うと周りの男たちが一瞬唖然とした
「そ、そうですか。残念だな」
「じゃあこれでお開きだな」
今井が言うと
みんなが挨拶をして帰っていった。
「大原さん、カラオケ行きましょう」
大橋が声をかけた
「なに、三島さんに振られたから私なの?」
「そう言うわけじゃないですよ」
「私も帰るわ」
大原が歩く前を飛ばして走る
真っ赤なフェラリーが通っって行った
それを迷惑そうに智子は見つめていた
西武デパートの脇に立っていた
三島玲奈はその赤いフェラリーに乗った
「すみません」
「うん」
一文字大介はそう言って車を
明治通りを新宿方面に走らせた
「それでどうだった?」
「はい、DUN製薬はたいした人物はいないですね」
「今日来なかった係長がいますが、
みんなに嫌われているみたいです」
「そうか。で、情報は?」
「はい部長が落とせそうです。他に数人」
「そうか、じゃあ寝ろ」
「はい?」
「寝て情報を取れ」
「はい、わかりました」
そう言って一文字が右手で
玲奈の太腿をなでると
玲奈はフェラリーの皮のシートにのけぞった
「あああ」
「ああ、社長恥ずかしい」
車体の低いフェラリーは隣を並んで走るトラックから
玲奈のすらりと長い足だけが見えていた
「そうか恥ずかしいか」
「はい」
一文字は嫌がる玲奈のスカートを腰まで持ち上げ
「おい、ダッシュボードに足を乗せろ」
「はい」
玲奈は嫌々ながら従ってスカートを股までたくし上げ
ダッシュボードの上に足を乗せた
ただですら目立つフェラリーが信号で停車すると
通行人は玲奈の足と股間を覗き
ニヤリ笑っていった
裕福な家庭のお嬢さん学校を卒業した玲奈にとって
男に服従して露出して見も知らぬ男に痴態を
見せる事はかなりの屈辱だった
「オナ○○をしろ!」
「えっ?」
玲奈は驚いて返事をしたが一文字の鋭い目つきに
逆らえず右手をパンティの中に指を這わせ
その敏感な場所を触り始め目をつぶりしばらくすると
玲奈はため息と共に口を開いた
その姿を横目で見ていた一文字は
興奮しアクセルを深く踏んだ
六本木のマンションに着いた
一文字は玲奈を下着姿にして
ベッドの四方に取り付けてある
皮のベルトで両手両足を押さえた
「さあ、行くぞ」
一文字がベッド脇にあるコンソールボックスの
スイッチを入れてつまみを回すと
低い音が部屋中に響き
天井ではその音に反応して
明かりが点滅した
すると、玲奈は
「あっ、あっ」
と下半身に来る快感で
腰を何度も何度も持ち上げて
いた。
それは、玲奈の水色の
レースのパンティを染み渡り
太腿まで濡らしていった
~~~~~~
翌日、亮が10時ちょっと前に
Oホテルの喫茶室へ行くと
森がモーニングセットを食べていた
「おはようございます」
「おお、早めに来て朝飯を食べていたよ」
「まだ作ってくれる人いないんですか?」
「それを言うなよ、あはは」
森はコーヒーを飲みながらカバンの
中にあった資料を亮に渡した。
「この学校はすごいぞ」
「はっ?」
「10年前一文字大介が急死した
父親一文字大蔵の後を継いで
一葉女子学園の理事長になると、
今までのお嬢さん学校から一変して実践的な
職業訓練所のような学校に変えたんだ」
「はい」
「秘書学科からキャビンアテンダント学科
今度できたのは女優を育てる演劇学科だ」
「すごいですね、今の世の中にマッチしていますね」
「それで、優秀な生徒。つまり小学生から特待生制度を
設けて他の学校へ行かないようにしてる」
「なるほど」
「ここからがすごいのは。美人で成績がいいのがAAA、
美人がAA、成績優秀者がAのランクをつけ
学校がバックアップしていくそうだ」
「それで、出身者に美人が多いんですね」
「ああ、モデル級のAAAのほとんどは上場企業の
秘書課に入社していて、官庁にも何人か入っている」
「はい」
「それにな、これはあくまでうわさだがAAには個人授業、
Aには整形手術を奨学金でしているらしい」
「ああ、完璧ですね」
「うん」
亮は森に渡された書類に目を通した。
「それで、岡本瑞枝さんは小学校から一葉ですね」
「うん、成績も優秀」
「でもこんなに優秀なのにどうしてもっと
上の大学へ行かなかったんだろう」
亮は首を傾げた
「うん、個人の意思だがなんか変だな」
「履歴書に書いていなかった
英会話国連特A級をもっていますね」
「すごいのか」
「はい、外務省の公務員採用基準以上です」
「わからん、それだけの人がヤマトの秘書か」
「はい、ジュディには悪いですが、レベルが高すぎです」
「何かあるな」
「はい、引き続き岡本さん調べていただけますか?」
「わかった」
「それとクラブ蝶に入った女性も同じ一葉出身者なんです」
「それは偶然だろう。そんなに一葉を目の敵にしては」
「はい、そうなんですが。ちょっとおかしい事が」
「ん?なんだ」
「僕に反応しないんです」
「はいっ?」
「僕の媚薬に反応しなと言う事は普通の女性ではないんです」
「そういい切れるのか」
「はい、ご先祖様の研究と僕の研究の成果ですから」
「わかった、じゃあ今度蝶へ行こうぜ」
森はうれしそうに笑った
「もちろんです、あはは」
亮もうれしそうに笑った
「その女性の履歴書を入手したら連絡します」
「OK」
~~~~~~
五島物産に着くと亮は受付で葉子に連絡をした
「おはよう」
「あ、おはようございます、警備員が今行きますので
5番エレベーターで30階の社長室へ直接いらしてください」
「はい」
亮のもとに一人の警備員が来て
亮を5番エレベーターに案内した
30階階に着くとエレベーター前に葉子が立っていた
「いらっしゃいませ」
秘書として教育された葉子は普段と
違った雰囲気で亮に丁寧に挨拶をした
「どうも」
亮は戸惑って返事をした
「うふふ、どうぞ」
葉子に案内され廊下の突き当たりに内村が待っていた
「よっ、いらっしゃい」
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