第10話 次男レイサム

 さて、今日は最後になったサム兄さまですね。この後、本命の父上が待ってます。


「サム兄さま、お久しぶりです。」

「ああ、フィーネ久しぶり。元気にしてたみたいだね。」


 サム兄さまはティア姉さまと双子なので、ティア姉さまと同じく来年王立学園に入学を予定してます。ガンフ兄さまと同じ貴族学科を目標にしています。さらっと座られたのでこちらも【鑑定】してみましょうか。


――――――


レイサム・ウォーケン・ヴァルクハイン

年齢:14歳 性別:男性 レベル:2

肩書き:ヴァルクハイン男爵子息

HP:16 MP:0

筋力:4 器用度:4 敏捷力:4 知力:7 精神力:4 体力:4 魔力:0

職業:参謀Lv2

スキル:戦略Lv2 戦術Lv2 観察眼Lv1 礼儀作法Lv3

信頼:6 忠誠:- 向上心:18 不満:88 諦め:0 邪心:92

生まれ:ヴァルクハイン男爵家(次男)


――――――


 うわぁ。なんと言うか、うわぁとしか言い様の無いステータスです。知力は私の兄妹の中では一番高いですが、魔力はないし、[参謀]なのに【情報収集】がない。さらには信頼も向上心も低いのに、不満と邪心が高い。私の【知識】によれば不満と邪心の両方が高く、信頼が低いと反乱や下克上を起こしやすいらしいです。サム兄さまは残しておくとまずいですね。どうしましょう。


「フィーネどうしたんだい?ボーっとして。何か悩みごとかい?なんなら、この僕が解決してやるよ。」


 悩みごとはお兄さま自身です。さて、どう飛ばしましょうか。


「そうですね。お兄さまは、なぜ貴族科に進学するんですか?私も兄さま姉さまみたいに貴族科に行ってみたいです。」


 かかるかな?


「そうだね、兄上じゃ領主が務まらないだろ。だから、うちの中で一番領主に向いてる僕が領主になるため、貴族科に行くのさ。フィーネも有力貴族への輿入れに学んでおいた方がいいから、僕から父上に言っておいてあげよう。」


 うん、。領主にはサム兄さまよりもガンフ兄さまの方が向いてます、職業的に。サム兄さまは知力が高いだけですからね。それに、本当に一番向いてるのは私だったりします。


「そうなんですね、では、サム兄さまの言うことを聞いていればヴァルクハイン領は安泰なのですね。」

「ああ、その通りさ。僕の知力に間違いはない。」


 職業や技能は間違ってますけどね。


「じゃあ、本当にそうならお兄さまについていきます!」


 ついていきませんよ。飛ばしますから。


「そうだね。じゃあフィーネも父上に僕が後継者になるよう頼んでくれないか、このヴァルクハイン領のために。」

「そうですね。」


 言質は取られないようにしないと。もちろん私の能力は秘密にして。

 こうして、兄姉とのお茶会は終わった。

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