第1章 6歳の覚醒
第1話 鑑定とチート
私はミルフィーネ。ヴァルクハイン男爵家の三女です。6歳で、あと15日で7歳になります。私には上に4人の兄姉がいます。ガンフ兄さまが18歳、シア姉さまが16歳、サム兄さまとティア姉さまが14歳で少し年が離れてます。私は男爵家の娘としてお父様にのお役にたてないか悩んでいました。そして、昼下がりのお茶を飲んでいる時にそれは起こりました。
「私も何か出来ること無いかなぁ……。」
《【鑑定】を使用します》
「えっ?」
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ミルフィーネ・エリー・ヴァルクハイン
年齢:6歳 性別:女性 レベル:201
肩書き:ヴァルクハイン男爵子女
HP:3216 MP:24
筋力:3 器用度:4 敏捷力:3 知力:6 精神力:4 体力:4 魔力:2
職業:領主Lv25 賢者Lv25 狩人Lv25
スキル:人材発掘Lv22 領地経営Lv22 領地開発Lv20 人材育成Lv20 礼儀作法Lv20 鑑定Lv25 知識Lv20 魔物知識Lv20 魔術知識Lv20 数学Lv20 弓Lv25 短剣Lv10 危険感知(F)Lv24 隠密(F)Lv20 解体Lv20 鑑定妨害Lv10 狙撃Lv3 風魔法Lv2 回復魔法Lv1
――――――――――――――――
「――――なにこれ。」
目の前に突然、透けた板みたいなものに私の名前とか色々な物が書かれたものが現れた。今の私のステータスだ。
(って何で私、これがステータスだって分かったの?)
知識のスキルで分かる事が分かる。
(何で”分かる”って事が分かるって……。そういうことかぁ。)
解ってしまった。この能力に目覚めて、色々な事が解ってしまった。そして、【知識】のスキルによって、このステータスがバレてしまう事が非常に不味い事が解ってしまった。レベルも、大半のスキルレベルも、職業の数ですら不味い。6歳――――もうすぐ7歳になるけど、この歳でチートだなんて、下手な相手にバレたらいいように使い潰されてしまう。そんな事まで理解してしまった。
「どうしました?お嬢様。」
唖然としていた様子を見ていた私付きの侍女のエリザが心配して声を掛けてくれる。
「いえ、すみません。ボーッとしていました。」
とりあえず返事をした後、この力をどう利用するかを考えましょう。まず信用している人に相談するのが一番でしょうけど、ここまでの力なので、誰を信用したらいいか分かりませんね。なら、【人材発掘】スキルを使ってみるのがいいかもしれませんね。
さっそく【人材発掘】を使ってみる。このスキルは【知識】スキルによると、私が”顔を知っている”人物の中で、まだ埋もれている、もしくは今の仕事が合っていない優秀な人材で、私に付いてきてくれる可能性がある人物を見つけ出すスキルだそうです。さすがチート。
(さて、結果は…………あれっ?これは――――。)
予想外の人物だったけど、これは幸いにと【鑑定】してみる。
――――――――――――――――
エリザ
年齢:14歳 性別:女性 レベル:20
肩書き:ヴァルクハイン男爵家ミルフィーネ専属メイド
HP:242 MP:135
筋力:4 器用度:4 敏捷力:4 知力:4 精神力:4 体力:5 魔力:3
職業:魔法戦士Lv8
スキル:剣Lv8 短剣Lv4 格闘Lv5 回避Lv8 火魔法Lv5 土魔法Lv4 礼儀作法Lv4 料理Lv3 洗濯Lv3 掃除Lv3 子守りLv5
信頼:35 忠誠:47 向上心:76 不満:14 諦め:93 邪心:0
生まれ:コーサス商会(代表の3女)
――――――――――――――――
諦めが高い?それに……。
(まさか、いきなり職業やスキルが高いのにも関わらず仕事が合ってない有望な人材を発見することになるなんて!それも目の前に!)
彼女は侍女をしているよりも騎士……いや、近衛兵や護衛の方が合ってる。それに何かを諦めている。不満が少ないのは目的に対して今の待遇が合っていると言うことね。目的自体は本人より家の都合であるわね。これは諦めが高いことが理由になる。商会の娘が侍女になる都合は……サム兄さまと同じ年齢ならあわよくば――――って事はある。
(商会の娘と男爵の次男なら妻や妾になることはよくある事だし、商会側ならこういった繋がりが商機になる。でも――――)
もし、私がこの力を使って彼女をこの領の要職に就かせたのなら、侍女として可能性を待つよりも彼女自身の価値を上げることになる。それには、彼女に私を信頼してもらい、付いてきてもらうことになる。それを叶えるならまずは、私自身が彼女を信頼することが大事になる。ならば、まず私が何をすべきか――――。それは、私の力を隠さず教えること。そして、もう一人、私の力を伝えるべき人物が居る。それが誰になるのかは私の力が目覚めたばかりなので、確定できない。確定するまでは私が”外”で逃げ延びるための駒――――といってしまったら失礼だけど、裏切らない信頼できる人物を集めることが必要になる。その第一歩として彼女を私の味方に引き入れる。
「エリザ。」
「なんでしょうお嬢様。」
「エリザって、ここに来てどれくらい経ったの?」
「そうですね。私が10歳の時ですから――――4年ですね。」
「エリザはどうしてメイドになったの?」
「それは――――……」
「大丈夫よエリザ。そしてごめんなさい。私は、今、自分のスキルを使えるようになったのです。そして、私が使えるスキルの中に、【鑑定】というスキルがあります。そのスキルを貴女を対象に使いました。そして、貴女本来のスキル構成がメイド向きではないこと、そして不満はなくとも諦めたものがあることを……。」
「お嬢様……。」
「エリザ、教えてくださらない?貴女の昔見ていた夢を……。」
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