Phase1:いつか観た夢[Chapter:1/彷徨う願い]
独白――――
『そうですね……まあなんというか……昔から、漠然とですけど世界がもっと平和になって欲しいなぁみたいな思いはありました……いや、別に大義名分じゃないですよ、ただ、彼等がこういったことをすることで、どれだけの悲劇が生まれるのか……きっと彼等はそんなこと考えないでやってると思うんですけどね。そういうところも嫌なんですけども……なんというか凝り固まった価値観……差別と偏見、その思想を大儀として掲げて、それら自分が正しいことを証明するために他者に平気で石を投げつける……そんなこと間違っているのに、自分以外を認められない、変革を迎合できない人々……そしてそれらがより激しい衝突を生む……争いが争いを生む世の常というやつですかね……そんな誰も幸せになれない社会嫌に決まってるじゃあないですか……こんな遠回しな文句みたいなこと言いましたけど、この際はっきり言いますよ? 私は彼等が嫌いです。彼等の大儀が人の命を奪ったというのに……都合の悪いことはシャットアウトして、平気な顔して同じことを続けていた……彼等が居なければ私の両親も死ぬことはなかった。当時15歳ですよ? 私は……悲しかったし、憎かったし……本当に、精神的にも経済的にもこの先どうしていいか分からなくなりましたから……間違った大儀の欠片が、罪のない人間を切り裂いたのです。今はこうしてなんとかやっていけてますし、漠然とはしてますけど将来への希望もありますけど……まあ、許したくはないですよ…………この気持ちが正しいのかさえ本当に分からないというのに……はあ……こんな思い自分で抱いていて嫌になっちゃいますよ……』
――――Weis Verschwinde Z-Schwarzschild
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます