Phase1:いつか観た夢[Chapter:1/彷徨う願い]

独白――――


『そうですね……まあなんというか……昔から、漠然とですけど世界がもっと平和になって欲しいなぁみたいな思いはありました……いや、別に大義名分じゃないですよ、ただ、彼等がこういったことをすることで、どれだけの悲劇が生まれるのか……きっと彼等はそんなこと考えないでやってると思うんですけどね。そういうところも嫌なんですけども……なんというか凝り固まった価値観……差別と偏見、その思想を大儀として掲げて、それら自分が正しいことを証明するために他者に平気で石を投げつける……そんなこと間違っているのに、自分以外を認められない、変革を迎合できない人々……そしてそれらがより激しい衝突を生む……争いが争いを生む世の常というやつですかね……そんな誰も幸せになれない社会嫌に決まってるじゃあないですか……こんな遠回しな文句みたいなこと言いましたけど、この際はっきり言いますよ? 私は彼等が嫌いです。彼等の大儀が人の命を奪ったというのに……都合の悪いことはシャットアウトして、平気な顔して同じことを続けていた……彼等が居なければ私の両親も死ぬことはなかった。当時15歳ですよ? 私は……悲しかったし、憎かったし……本当に、精神的にも経済的にもこの先どうしていいか分からなくなりましたから……間違った大儀の欠片が、罪のない人間を切り裂いたのです。今はこうしてなんとかやっていけてますし、漠然とはしてますけど将来への希望もありますけど……まあ、許したくはないですよ…………この気持ちが正しいのかさえ本当に分からないというのに……はあ……こんな思い自分で抱いていて嫌になっちゃいますよ……』


――――Weis Verschwinde Z-Schwarzschild

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