第13話 異界突入 根源 パート17

 僕の雷をまとった刀による一撃と彼女の禍々しい黒い光をまとった刀による一撃が激突する!! 


 その激突により発生した爆音が轟き烈風が周囲に広がった!!





株鳥

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!?!? 凄まじいく強烈な攻撃のぶつかり合いでござるううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!? せ、拙者の体重が100kg以上なければ吹っ飛ばされていたでござるうううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」






鉄也

「……むぅ……」


十和子

「……あらあら……」




 僕が持っている刀は、刀身はボロボロになって『パリン』と音を立てて砕け散った。


 彼女が持っていた刀は真ん中から真っ二つになった状態だった。そして『カラン』と音を立てて真ん中から先の刀身が床に落ちた。


十和子

「……あらあら……。……私の刀が切られたのは驚いたわね……」


鉄也

「……こちらこそ……。……かなり力を入れた一撃を繰り出したはずだったんですけどね……」


 力を封じ込めている呪いの道具を全て壊せば太刀打ち出来ただろう。


 しかし、あまり全力を出すと僕の技により発生した電撃や風圧などで近くにいる株鳥さんに被害が及ぶ可能性がある。


 それにあまり呪いの道具を壊したくない。


 僕の力を封じ込める呪いの道具の素材は貴重な物が多いらしい。


 呪いの道具を作り出すまでに時間がかかる代物だ。


 それ故に全ての呪いの道具を壊すと僕専用の呪いの道具を作り出した『雉原 直人きじはら なおと』という僕の親友にめちゃくちゃ怒られるからなぁ……。


 だから呪いの道具を1つ壊すくらいにしたんだけど……。


 流石に火力不足だったか……。

 

十和子

「……ここまでの力を持っていたとはね……。……もう少し貴方と戦う為の力を蓄えなくてはならなそうね……。……一度退かせてもらうわ……。……貴方も後ろの人間に気を配りながらでは本気は出せないのでしょう……?」


 彼女はどこからともなく真紅の手鏡を出現させ、右手で握る。その瞬間、手鏡を瞬間から眩い光りが放出された。


十和子

「次は確実に殺してあげるわ」


 その言葉を最後に彼女は姿を消した。


鉄也

「……直人、ごめん……。お前の道具を壊して無理矢理力を引き出さなかったら殺されちゃうところだった……。……許してくれ……。あとせっかく作ってくれた刀を壊して……ごめん……」


 たぶん、この事件を解決した後、直人に怒られるんだろうなぁ……。


 まぁ、彼女と戦う時に封印を1個壊したくらいじゃ勝ち目薄い感じがするのが分かっただけでも良しとするべきか……。


 彼女との戦う時、あまり周囲を気にしながら戦うのは難しいかもしれないなぁ……。


株鳥

「ふぁっ!? て、鉄也殿から!? 『直人』とかいうお、男の名前が!? て、鉄也殿!! そ、その『直人』とかいう男は誰でござる!? そ、その男とは!? い、一体!! ど、どんな関係でござるか!? ちょ、ちょっと拙者に詳しく話してほしいでござるよ!! 鉄也殿!! 鉄也殿おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


鉄也

「……シリアスな雰囲気が台無しだぁ……」


土絵夢

「クンクン……。今、ここからさっきの幼女の匂いが!!」


株鳥

「ふぁっ!? な、なんかぜ、全裸の男が!? ど、ど、ど、どこから現れたのでござるか!? そして何故全裸でござるか!?」


土絵夢

「む? なんだ?」


鉄也

「……あ、土絵夢さんだ……」


 ……ん?


 ……もしかしてだけど……彼女……土絵夢さんが近くに来たから逃げたのかな?


鉄也

「とりあえず、皆んなと合流しましょうか」


 僕はズボンのポケットから予備の衣類を取り出す。


鉄也

「……土絵夢さん……。……とりあえず服着てください……。……流石に全裸の状態で姉さん達に会わせるのはちょっと……」


土絵夢

「おう!! それもそうだな!! ありがとう!! 君の服から君の愛を感じるね!!」


鉄也

「……そんなモノはありません……」


株鳥

「……そ、そのズボンのポケットは一体どうなっているのでござるか……?」


ーオマケー


雉原 直人きじはら なおと』。

 彼は、鉄也が組織に所属していた時の同期。

 鉄也が組織に所属していた時は武器や防具の開発の部隊と戦闘を行う部隊を掛け持ちしていた経歴がある。

 鉄也達が組織を去った後も組織に残り続けている。現在は戦闘部隊に属しているが、たまに武器や防具の開発にも関わっている。

 鉄也の力を押さえ込む13個の呪いの道具を開発した張本人。

 能力名は『フレイム・フィンガー』。触れたモノがどんなモノであろうが発火もしくは爆破させるという能力。また自身の発火させたモノや爆破したモノの影響は本人の体には影響を及ぼさないという特徴がある。


ー以前呪いの道具を全部壊しちゃった時ー


鉄也

「直人。ごめん。呪いの道具を全部壊しちゃった……」


直人

「ふぁっ!? お、お前えええええぇぇぇぇ!!!! 俺が5か月かけて!! 丹精込めて作り上げだ最高傑作の封印専用の呪いの道具を!! 全部壊しただとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?!? 何してくれてんだ!?!? このガチホモ製造機がああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


鉄也

「な、なんか不名誉な称号を付けられたんだけど!?!? な、なんだよ!? そのガチホモ製造機って!?!? し、仕方なかったんだよ!! 暴走トラックを止めようとしてちょっと力を入れたら直人が作ってくれた呪いの指輪が全部壊れちゃったんだよ!!」


直人

「バッカ野郎おおおおおおぉぉぉぉぉぉ!! こっちはアレを全部作る為に5か月の間!! 徹夜したんだぞ!! そ、それを!! 3日で全部ぶっ壊しただと!? ふざけるな!! ふざけるな!! 馬鹿野郎!! 馬鹿野郎!! うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! また5か月間徹夜じゃねぇかああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 この後、封印用の呪いの道具は壊れ難い素材を使う事になりました。

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