第10話 失踪事件 パート2
鉄也
「……ここまで何も分からないとなるとどうしていいのか分からなくなってきたよ……」
僕とコウはその後もいろいろと調査をしたがまったく情報を掴めないでいた。
1人っきりじゃないと何も起きない可能性も考慮してコウと1時間ほど別行動してみたけど何も起きなかった。
僕とコウは夕暮れまで調べ回ったけど結局何の情報も得られなかったな。
せめて行方不明になった人物に何かしら共通点があれば良かったんだけど……。
とりあえずファミレスに行き、夕食を食べながらコウと今日手にした情報を話し合っていた。
コウ
「まぁ、到着してその日の内に解決出来るとは思っていなかったけどよー。ここまで何も情報を得られないとなるとマジでお手上げ状態じゃねーかー」
鉄也
「せめて行方不明になった人物の共通点があれば囮とか出来たけど」
コウ
「行方不明になった奴等も高校生、小学生、30過ぎの男性サラリーマン、20代後半の主婦、50代の女性介護福祉士や男性看護師、20代半ばの美容師、30代の新聞記者などなど皆んな年齢もバラバラだし、職業もバラバラだしよー」
鉄也
「うーん。組織にいた時は、ターゲットの狙いに合わせて変装したなぁ」
『ファントム・マジシャン』は本当に便利な能力で変装する技も存在する。
『
しかし、行方不明になった人物達の特徴が定まらない為、どう変化していいのか分からない。
コウ
「もしかしたら顔付きかなって思って写真も取り寄せてみたけどよー。別にそれは関係無さそうだしなー。まぁ、分かっているのは日本人って事くらい。しかもこの町の住民のみだ」
鉄也
「行方不明になった人達が何かの一族だったとか?」
コウ
「そう思って過去を遡って調べてみたけど……。特別な情報は得られなかったなー」
鉄也
「そうですか……」
コウ
「……まぁ、焦ったところで何も情報は得られないなら少し気晴らしでもするか」
鉄也
「そう呑気な事を言ってられないよ。家族も心配しているだろうし、早いところ何か情報を掴みたい」
コウ
「まぁ、そう言うなよ。お前と別行動している時に面白い話を聞いたからよ」
鉄也
「面白い話?」
コウ
「この町に伝わる言い伝えみたいなモノだ」
コウの話をまとめるとこういう言い伝えだ。
昔、あるところに特別な力を持った女の子がいた。彼女は少し先の未来を見通す力があったそうだ。
村人はその力を持った少女を恐れ、その少女の家族に近寄らないようにしていたらしい。
少女はある日『近い未来、この村に災いが起きるからこの村から離れろ』と言ったそうだ。
村人はそんな少女の言う事を聞かず、村から離れなかったそうだ。
それから数日後、村で地震が起き、土砂崩れで多くの人が亡くなった。
村人はその出来事を少女の所為にして少女を家族共々痛め付けて殺した。
その少女の魂は怒り、村に呪いをかけた。
少女と少女の家族に害を出した者達は皆、村から姿を消し2度と姿を現す事が無かった。
村人達は位の高い和尚様に相談した。
和尚様は『この村には強い呪いをかけられている。私の力ではどうにも出来ない』と言った。
その後、村人達は少女と少女の家族を祀り、少女の怒りを鎮めた。
という話だった。
鉄也
「コウはこれは幽霊の仕業だって思うの?」
コウ
「俺は幽霊とかオカルト関係は専門外だからなー。分からねーよ。けど『少女と少女の家族に害を出した者達は皆、村から姿を消し2度と姿を現す事が無かった』ってところはもしかしたら関係あるんじゃねーかなーって思ってよー。ほら現にこの町では失踪事件が起きているわけだしよー。けど、その言い伝えってこの町の人達のご先祖に当たる人物達の話だ。この町に住んでいる人達がそんな所へ用事も無く行くとは思えないけどなー」
鉄也
「もしも幽霊の仕業だとしたら呼ばれたのかもね。誘われたってのが正しいのかもしれないけど……」
コウ
「……そんな事ってあるのか?」
鉄也
「僕は残念ながらそんな経験は無いよ。どうも僕の存在って幽霊にとってはヤバい感じに見えるらしいから」
コウ
「ヤバい感じ?」
鉄也
「なんでも邪神のような禍々しい感じと聖なる神様の神々しい感じを半分ずつ持ち合わせたような魂をしているらしいよ」
コウ
「なんじゃそりゃ?」
鉄也
「さぁ?」
コウ
「なんか漫画や小説で出てきそうな設定だなー」
鉄也
「……それはそうと……コウの話していた事については調べる価値はあるかもね。コウ、その言い伝えに登場する少女と少女の家族が祀られている場所って分かりますか?」
コウ
「一応な」
鉄也
「食事を終えたら早速行ってみよう」
コウ
「……え? 今から行くの?」
ーオマケー
鉄也
「すみません。ハンバーグセットを1つ、ナポリタン大盛り1つ、醤油ラーメン大盛り1つ、牛丼の超大盛り1つ、フライドポテト特盛3つ、シーザーサラダを5つ、ステーキセット1つ、親子丼特盛1つ、マグロ丼1つ、カツ丼特盛1つ、ハンバガーセット6つ、ラザニア1つ、温野菜チーズドリアのキノコ抜き1つ、チーズドリアのキノコ抜き1つ、超地獄級激辛麻婆豆腐のきのこ抜き1つ、北京ダック1つ、冷奴8つ。あとデザートにチョコレートパフェ特大サイズ1つ、ストロベリーサンデーの特大サイズ5つ、マンゴープリンを3つ、みたらし団子100本」
店員
「カッシコォマリイイイイイィィィ!!」
コウ
「……鉄也……まだ食うの?」
ツナギ服のお兄さん
「な、なんだ!? あの美少女は!? あんな小さな体でどんだけ喰うんだ!?」
黄土色の肌のお兄さん
「やりますねぇ……」
ホッケーマスクの大柄のお兄さん
「っ!? えっ!? ど、どんだけえええぇぇぇ!?!?」
赤と黒のシマシマ柄の服のお兄さん
「ふぁっ!? あの美少女はどれだけ食べる気だよ!?」
大食いチャンピオン
「俺も負けてられない!! すみません!! ナポリタン特盛1つ」
白桜
「すみません。コーヒー1つ」
アルト
「クンクン…この近くに鉄也の匂いがする」
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