第5話 通り魔? とりあえず関わらない方向で……パート3
突然、現れたイケメン男子『火鳥 緋色』。彼が『一緒にパトロールをして通り魔を捕まえよう!!』なんて事を言い始めて、それをやんわり断ろうとしたら彼の取り巻きの女子の1人が『姉さんを潰す』とかふざけた事を言い出して僕がちょっぴり怒り、取り巻きの女子のボディーガード達と喧嘩をする雰囲気になりました。
ボディーガード1
「まったく……。でも、少年みたいな強い奴と戦えるのは少し嬉しい気もするな。武人として少年に勝負を挑みたい。俺と少年の1対1。俺と少年の戦っている最中は部下にも手は出させないと約束する」
ボディーガード達のリーダー格であろう黒スーツのお兄さんは言う。
鉄也
「……クソ野郎のボディーガードなのに貴方はクズ野郎ではなさそうですね」
火鳥くんの取り巻き女子3
「クソ野郎ってワタクシの事ですか!? 失礼な男ですわね!! そもそも野郎じゃありませんわよ!!」
鉄也
「まぁ、貴方の条件なら別にいいですよ。ただし、その条件を破ったらこの場の敵と認識した奴を皆殺しにするから」
ボディーガード1
「はいよ。なら武人として名乗らせてもらいたい。俺の名は『
鉄也
「ならこちらも武人として名乗らせてもらいます。僕の名前は『犬島 鉄也』。紅桜ヶ丘高校1年3組に所属している今はただの高校生です」
大文字 子守
「そんな強い殺気を出せる奴がただの高校生ってのは……やれやれこのご時世は物騒になったねぇ。少年ももしかしたら昔にどっかの組織に所属していたりしてな」
鉄也
「さぁ、過去はあまり詮索されたくないから語らないですよ」
大文字 子守
「そうかい。ならそろそろ始めるか。推して参る!!」
彼はコンバットナイフを懐から取り出して僕に切り掛かる!! 僕はそれを懐にしまっていた特殊合金性のシャープペンシルで受け止める!!
大文字 子守
「なかなかやるな!! やっぱり俺には荷が重いぜ!!」
鉄也
「そういう事は本気を出してから言ったらどうですか? まだ手を抜いているように見えますけど? それに……貴方は能力者なんでしょ?」
僕は小声で彼にしか聞こえないくらいの声で聞いた。彼は少し驚いた顔をした後、僕から距離を取る。
大文字 子守
「……参ったね……。そんな事まで分かっちゃうのか……。て事は……君も?」
鉄也
「はい。別に隠すつもりはないのですが……。人前では使わないってのがルールだから使っていないだけですよ。貴方もそういうタイプでしょ?」
能力者には特有の匂いがある。彼からはその匂いがしたのでおそらく能力者もしくは能力者として覚醒する兆しのある人物なのだろうと思った。
大文字 子守
「……マジかよ……。そんな気はしていたけど……」
鉄也
「まぁ、今回は人目がありますから今回はお互いにバレない程度にしましょうか」
大文字 子守
「……そうだな。しかし、俺の一撃を容易く受け止めて挙句に……。本当に勝てる気しないなぁ……。けど、こんな強い奴と手合わせ出来るってのはいいなぁ……。けどお互いに力を出す事が出来ないってのがもどかしい」
鉄也
「世の中そんなモノですよ。また機会がありましたらその時は全力で。今は互いの武術での手合わせにしましょう」
大文字 子守
「少年。君みたいな子は結構好きだぞ。まぁ、とりあえず俺の持てる武術で少年に挑もう」
彼はコンバットナイフをフェイシングで扱う剣のように構える。
なんというか。僕ももどかしいな。
憎しみを持ち殺しに来る者、殺し合いを楽しみたい者のようなドロドロした感情ではなく、彼のように純粋に武術での力合わせを願い挑んでくる相手に対して、僕の得意な武器を使うわけにはいかない事がとてももどかしい。
別に戦い好きではないのだけど、彼のように純粋に挑んでくるような相手との手合わせは嫌いじゃない。そんな相手に本気で戦えないのがもどかしい。
大文字 子守
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
『シュバババババババババババババババババババババッ』
鉄也
「ウラララララララララララララララララララララァァ!!!!」
彼のコンバットナイフは音速に近い程の素早い突きを連続で繰り出す!! 突きの暴風雨を僕はシャープペンシルで全て受け流す!!
火鳥くんの取り巻き女子3
「大文字!! 何を遊んでいますの!! さっさとその生意気な男か女かも分からないような奴を切り刻んでやりないさいですわ!!」
アルト
「貴女。分かっていないの? 鉄也はまだ本気を出していないよ?」
火鳥くんの取り巻き女子3
「そ、そんなはずありませんわ!! ただの高校生にワタクシのボディーガードが!! しかも父上様が選んだ最強の男を相手に!?」
アルト
「ん? 鉄也の強さを知っていて『通り魔を捕まえよう』とか言っていたんじゃないの?」
火鳥くんの取り巻き女子3
「あ、あれは緋色様が共に戦いたいと言い始めたから!! どうせ緋色様が1人でどうにか出来ると思って!!」
アルト
「はぁ……。なんだただ好きな人が誘うから連れて行こうとしたって事なのね。あのさ、馬鹿じゃないの? 自分の家族が危ない事に巻き込まれるかもしれないのにそれを良しと思う家族はいない。私にとって鉄也は何よりも大切な存在なの。貴女達が逆の立場ならそれを許せるの?」
火鳥くんの取り巻き女子1
「そ、それは……」
火鳥くんの取り巻き女子2
「そ、そうですねぇ……」
火鳥くんの取り巻き女子3
「け、けれど緋色様が間違える事など!!」
アルト
「人の命をなんだと思っているの? もしも鉄也がその通り魔と戦って万が一にでも傷付いたり、死んだらどう落とし前つけてくれるの?鉄也を生き返らせる方法とかあるの? あったとしても鉄也に傷付いたり、殺される恐怖を植え付ける気なの?」
火鳥 緋色
「で、でも!! アルトさん!! 彼もこの町を護ろうとする意志のようなモノを感じました!! だからボクは彼と共に!!」
アルト
「勝手な憶測で言わないでくれるかな? 君がこの町を護りたいって気持ちは分かったけど巻き込まないで。それとも私に振られたからって私の弟に嫌がらせをするつもりなのかな?」
火鳥 緋色
「そ、そんなつもりは!!」
アルト
「これ以上は許さないよ」
あらら。姉さんがキレ始めちゃった。こりゃ早いところ姉さんをどうにかしないとなぁ……。
姉さんがキレると相手が精神崩壊するまで言葉だけで追い込むからなぁ……。
大文字 子守
「君のお姉さん。随分と怒っているね。こっちまで殺気が伝わってくるよ」
鉄也
「……僕が入学してまだそんなに経っていない時、僕に嫌がらせする集団がいたんですよ。姉さんがその事に気付いてブチギレてその集団を精神的に追い込んで壊滅させた事があったからなぁ……」
あれは入学して1カ月経った頃だったかな。僕はとある女子の集団に目を付けられて筆記用具を隠されたり、上靴を隠されたりした事があった。まぁ、僕としては何も困らなかったけど、いくら隠されてもどこにあるかは匂いで分かるし、大体の筆記用具はスペアを用意してあるから。
しかし、それに気付いた姉さんはブチギレた。
そして、その集団の家族構成、人間関係、家族の職業などを調べ上げ、まずは家族の勤める会社を姉さんが稼いだ資金でその会社を買収。
その後、その会社に勤めるイジメ集団の家族をクビにし、さらに家族宛にそのイジメ集団が起こしたイジメ騒動の証拠を突きつけて賠償金を支払わせたりしたらしい。
そのイジメ集団の家庭は崩壊。今ではその集団に関わった全員が自主退学までさせられたらしい。
資金については、詳しくは知らないが姉さんはどうやらいろいろなところでお金を稼いでいるらしい。
鉄也
「まぁ、そんなわけでそろそろ仕舞いしましょうか」
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